スマホさえあれば生きていける!? “未来都市”のデジタル事情 vol.54

你好! 今月頭に中国の深セン(シンセン)に行ってきました。

深センはここ30年程で急激に発展した近代都市で、テクノロジー系のモノづくりが盛んな街として知られています。場所は香港の北、電車で1時間くらい。秋葉原の数十倍の規模を誇る!?「華強北(ファーチャンペー)」という電気街があったりして、“中国のシリコンバレー”なんて呼ばれているのもよく耳にします。下の写真は華強北のとあるビルの内部。カオス!

「街をふつうにドローンが飛んでいたり、モバイル決済が浸透していたりで、未来都市感があって楽しいよ〜」というような話を聞いてから、私がずっと行ってみたかった場所。ちなみに、私が愛用しているドローンを作っているDJI社もここ深センが本拠地だったりします。

細かな旅行記や街の様子などは自分のブログに書くとして……この連載でご紹介したいなあと思ったのは、スマホ一つで生活ができてしまう、中国の決済事情です。

こんなQRコードがいたるところに掲示されていて、これをモバイル決済アプリのWeChatPay(やAlipayなど)でピッと読み込んで支払う金額を入力するか、お店の端末で自分のQRコードをピッと読み込んでもらえば、支払い完了! ちなみにWeChatは中国のLINEみたいな存在です。

中国の都市部での利用率は9割を超えているとかで、レストラン、タクシーや電車のチケット、電気街の電子部品屋さんまで、本当にどこでも使えるんです。

WeChatPayのユーザー同士であれば、個人間のお金のやりとりもスムーズ。一緒に出かけた夫や友人とのワリカンにも便利でした。

また、街にはシェアサイクルがいたるところに停まっていて、QRコードを読み込むことで使うことができます。支払いはもちろんWeChatPayで。現地の人たちには生活の足として浸透しているようでした。

日本ではメルカリが「メルチャリ」というサービスを2月下旬から福岡で試験的にスタートするそうですが、東京はちょっとした徒歩移動が多くなりがちなので、上陸したらぜひ使ってみたい!

大人気の火鍋屋さんの順番待ちはWeChatで確認できるし(下記写真)、タクシーは「Didi Chuxing」という中国版Uberのようなアプリで気軽に呼ぶことができるし、Uber Eatsのようなフードデリバリーの配送スタッフもいたるところで見かけました。とにかくモバイル決済ができるスマホがあると便利な街!

ちなみに、中国ではGoogleやInstagram,、Twitter等にアクセス制限がかかっており、見ることができません。だからこそ、自国内で作られた独自の仕組みが浸透しやすかったのかも?

個人的には日本でもモバイルSuicaとStarbucksのアプリを入れたiPhoneさえ持っていれば、とりあえず生きていける感じがありますが(笑)、一度この街で生活してみたいなあなんて思ってしまった私なのでした。

市川 渚プロフィール画像
市川 渚

ファッションデザインを学んだのち、海外ラグジュアリーブランドのPRなどを経て、2013年に独立。クリエイティブ・コンサルタントとして国内外の企業、ブランドのプロモーション企画/ディレクションに関わる。
また自身でのクリエイティブ制作にも注力しており、フォトグラファー、動画クリエイター、コラムニスト、モデルとしての一面も併せ持つ。強い服と少し先の未来を垣間見られるデジタルプロダクトが好き。

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