一生分の横尾忠則を観た……そんな充実感に満たされる展示「GENKYO 横尾忠則 原郷から幻境へ、そして現況は?」が東京都現代美術館で開催されています。60年以上にわたるデザイナーや画家としての作品、600点以上が出品。新作もかなりの量で、その尽きせぬ創造力とバイタリティにはリスペクトしかありません。
1階は「神話の森へ」「多元宇宙論」「リメイク/リモデル」「越境するグラフィック」「滝のインスタレーション」「地球の中心への旅」「死者の書」などのコーナーにわかれていて、大作が並んでいます。グラフィックデザイナーから画家へと転身した横尾忠則の80年代の作品は実験的で創造のエネルギーがうずまいています。「男の死」など1970年に割腹自殺した作家、三島由紀夫をモチーフにした作品もいくつかありました。自作を三島由紀夫に贈ったことがきっかけで交流を持ち、自宅に招かれてそこでレジェンド的な文学者たちとも人脈を築いた横尾忠則。
横尾忠則がすごいのは宇宙人とも交流があったこと。本にも書かれていますが、呼んだらUFOが来たり、UFOや宇宙人が夢の中に度々現れたりしてコンタクトしていた、というのは有名です。絵には時々、空飛ぶ円盤がモチーフとして出てきています。日常生活の中で常に見られているような感覚を持っていたそうで、宇宙人も彼のアートに関心を持ち、鼓舞したりプロデュースしたりしていたのでしょう。宇宙人の絵に「KEN」「KIRI」「SACHE」など文字が書き込まれている作品もありましたが、名前なのでしょうか。彼の作品から宇宙人にもいろいろな人種がいることがわかって興味深いです。
「GENKYO 横尾忠則 原郷から幻境へ、そして現況は?」
期間:~10/17(日)
休館日:月曜日(9/20は開館) 9/21
※チケット購入については公式HPにて。
※開催日時などにつきましては、新型コロナウイルス感染症の状況により変更の可能性もあるので、下記HPなどでご確認ください。
会場:東京都現代美術館 企画展示室1F/3F
東京都江東区三好4-1-1(木場公園)
https://genkyo-tadanoriyokoo.exhibit.jp/
漫画家、コラムニスト。埼玉県出身、武蔵野美術大学短期大学部デザイン科グラフィックデ ザイン専攻卒業。アートやアイドル観察からスピリチュアルまで幅広く取材し、執筆。主な著作は『江戸時代のオタクファイル』(淡交社)『女子校礼讃 』(中央公論新社)『スピリチュアル系のトリセツ』(平凡社)など多数。Twitterは@godblessnamekoです。




