伊藤若冲、与謝蕪村など京都画壇を代表する画家の作品が一堂に。話題作「孔雀鳳凰図」も公開

箱根の岡田美術館では、2016年9月5日(月)〜12月18日(日)にかけて、伊藤若冲と与謝蕪村の生誕300年を祝う特別展を開催する。鮮やかな色使いと緻密な描写を得意とした若冲。俳人ならではの詩情豊かな山水人物画を得意とした蕪村。さらに同時代に活躍した円山応挙、長沢蘆雪、曾我蕭白、池大雅らの作品を含む、約40件が展示される。



左:伊藤若冲「月に叭々鳥図」(部分)  右:伊藤若冲「花卉雄鶏図」(部分)江戸時代中期 岡田美術館蔵

稀代の天才絵師と称された伊藤若冲。行方が分からなくなっていたものの83年ぶりに再発見された「孔雀鳳凰図」をはじめ、花鳥画や水墨画など岡田美術館が収蔵する若冲の作品すべてを一堂に展示する今展。艶やかな花鳥画は、絵の具の色彩や濃淡を複雑かつ繊細にコントロールしながら描かれたもの。若冲独特の構図感覚や形態とその迫真性により、現実的とも非現実的ともとれる写実画となっている。

一方蕪村の作品は、中国の画題を扱ったみずみずしい色彩の作品。『三国志』序盤で劉備・関羽・張飛が義兄弟の契りを交わす場面を描いた「桃林結義図」など、中国文化への憧憬を色濃く示しているのが特徴。

また円山応挙ら写実派、池大雅ら写意派、長沢蘆雪ら奇想派と、同時代に活躍した京都画壇の多彩な画家たちが3つのテーマに分けて紹介されているのも見どころ。

近世絵画史に名を残す画家たちの競演、箱根に行った際にはぜひ立ち寄ってみて。

「―生誕300年を祝う― 若冲と蕪村 江戸時代の画家たち」
期間:2016年9月5日(月)〜12月18日(日)
時間:9:00〜17:00(入館は16:30まで)
入館料:一般・大学生 ¥2,800 小中高生 ¥1,800
場所:岡田美術館
住所:神奈川県足柄下郡箱根町小涌谷 493-1
電話:0460-87-3931
http://www.okada-museum.com

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