シャガール、カンディンスキー、クレーも展示! 知られざる画家、オットー・ネーベルの日本初回顧展が開催中

カンディンスキーやクレーと友情を育んだ、スイスとドイツで活動した知られざる画家、オットー・ネーベルの日本初の回顧展が現在、東京・渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで開催中だ。ネーベルの幅広い創作活動の全貌を、同時代の画家たちの作品と共に観られる、またとないチャンス!

カンディンスキーやクレーと友情を育んだ、スイスとドイツで活動した知られざる画家、オットー・ネーベルの日本初の回顧展『オットー・ネーベル展 シャガール、カンディンスキー、クレーの時代』が現在、東京・渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで開催中だ。画家・版画家としてだけでなく詩人としても活躍するなどマルチな才能を発揮した芸術家ネーベルの作品を同時代の画家たちの作品と共に紹介。20世紀美術の流れの中で観ることができる、またとない機会だ。

オットー・ネーベル 《ナポリ》『イタリアのカラーアトラス(色彩地図帳)』より、1931年、インク、グアッシュ・紙、オットー・ネーベル財団
オットー・ネーベル 《ナポリ》『イタリアのカラーアトラス(色彩地図帳)』より、1931年、インク、グアッシュ・紙、オットー・ネーベル財団


1892
年にベルリンで生まれたネーベルは、もともと建築を学び、その後演劇学校にも通ったという異色のアーティスト。1924年にはバウハウスで「感性調和論」などを教えていたゲルトルート・グルノウのアシスタントと結婚したことから、バウハウスの校舎があるワイマールに滞在、そこでパウル・クレーやワシリー・カンディンスキーと知り合い、彼らの作品から多大なるインスピレーションを得た。画家としてはマルク・シャガールやフランツ・マルクから影響を受けたというネーベルが色彩と光に目覚めたのは、1931年のイタリア旅行がきっかけ。そこで彼は風景の中のモチーフを四角い色面に置き換え、各都市の個性を色彩で表現するという挑戦をスタート。『イタリアのカラーアトラス(色彩地図帳)』は、その成果が形となった素晴らしいスケッチブックとして知られている。後半生はスイスに移住して、敬愛するカンディンスキーなどと同じように絵画的な実験を繰り返したネーベル。豊かな精神性に裏打ちされた、色彩溢れる抽象表現は、見るものに音楽を聴いているようなときめきを与えてくれる。

オットー・ネーベル 《輝く黄色の出来事》1937年、油彩・キャンヴァス、オットー・ネーベル財団
オットー・ネーベル 《輝く黄色の出来事》1937年、油彩・キャンヴァス、オットー・ネーベル財団


今回の日本初回顧展には、ネーベルに影響を与えたシャガール、クレー、カンディンスキーらの作品も展示。東京ステーションギャラリーで開催中の『シャガール 三次元の世界』(〜123日)、パナソニック 汐留ミュージアムで開催中の『表現への情熱 カンディンスキー、ルオーと色の冒険者たち』(〜1220日)との相互半券割引サービスもあるので、20世紀を彩った色彩画家たちの世界をぜひ合わせて楽しんで。

 

『オットー・ネーベル展 シャガール、カンディンスキー、クレーの時代』
会期:〜1217日(日)
会場:Bunkamura ザ・ミュージアム
時間:10:0018:00(金、土曜は21:00まで、入館はそれぞれ閉館の30分前まで)
休館日:1114日(火)
料金:一般1,500円 大学・高校生1,000円 中学・小学生700
障害者手帳のご提示で割引料金あり
http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/17_nebel/

text: Shiyo Yamashita

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