工芸と現代アートを繋ぐ“工芸未来派”の展覧会が表参道で開催中

「工芸とアートを繋ぐものたち」をテーマにした展覧会『Japanese Kogei | Future Forward 工芸未来派 - Bridge Art and Craft 工芸ブリッジ- 』が、表参道のギャラリーEYE OF GYREで開催中。工芸に新たな可能性を開く3人の若手作家の作品を見ることができる。

「工芸とアートを繋ぐものたち」をテーマにした展覧会『Japanese Kogei | Future Forward 工芸未来派 - Bridge Art and Craft 工芸ブリッジ- 』が、表参道のギャラリーEYE OF GYREで開催中。本展ではキュレーターに東京藝術大学大学美術館館長などを務める秋元雄史を迎え、若手作家3人の代表的な作品を紹介している。

1人目は陶芸技法を使う桑田卓郎。彼の工芸的主題の中心にあるのは茶道における美意識であり、その中心をなすのが茶碗だ。“わび・さび”や“へいげる(ひょうげる)”といった日本独自の美意識を解釈し、漫画的・劇画的に誇張してカラフルでポップな立体作品を制作している。

桑田卓郎 TakuroKuwata《垸/Bowl》2013PhotobyKenjiTakahashi©TakuroKuwata,CourtesyofKOSAKUKANECHIKA
桑田卓郎 Takuro Kuwata《垸/Bowl》2013 Photo by Kenji Takahashi ©Takuro Kuwata,Courtesy of KOSAKU KANECHIKA

木谷洋も現代アートとして工芸技術を駆使する作家だ。彼の中心的なテーマは概念としての道具で、実際に使われていた鍬や鋤などを象徴的に捉え、私的な視点から解釈して作品にしている。 そうして制作された鍬は、実際に農作業で使われる道具であると同時にギャラリーで展示される作品でもある。

木谷洋 HiroshiKitani《ワラスグリ/Warasuguri》2016
木谷洋  Hiroshi Kitani 《ワラスグリ/Warasuguri》2016

最後に紹介するのは、伝統的な技術を再解釈し再構築する見附正康。彼が行う九谷の絵付けは、技法や様式を原理的な姿勢で追求し、他人が真似できないところまで高めていくというもの。その多くは皿や器で表現されている。

見附正康 MasayasuMitsuke《無題/untitled》©MasayasuMitsuke;CourtesyofOtaFineArts
見附正康  Masayasu Mitsuke 《無題/untitled》©Masayasu Mitsuke; Courtesy of Ota Fine Arts


工芸の特徴である素材と技法を活かして作品を制作する一方で、現代アートを拡張する彼らの作品は、工芸の新たな可能性を提示している。

『Japanese Kogei | Future Forward 工芸未来派 - Bridge Art and Craft 工芸ブリッジ- 』
会期:〜2017927() 
場所:EYE OF GYRE
(渋谷区神宮前5-10-1 GYRE 3F) 
時間:11:0020:00 入場無料

ノエチカ
info@noetica.co.jp

text:Misato Kikuchi

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