今なお圧倒的な存在感を放つレジェンド、ヴィヴィアン・ウエストウッドのドキュメンタリー映画が全国公開!

御歳77にして現役デザイナーとしてシーンのトップに君臨し続けるヴィヴィアン・ウエストウッド。そのパワフルなクリエイションの源に迫るドキュメンタリー映画『ヴィヴィアン・ウエストウッド 最強のエレガンス』が、2018年12月28日(金)より角川シネマ有楽町、新宿バルト9ほか全国の劇場で公開される。

ファッション界のみならず、UKカルチャーの頂点に君臨し続けるレジェンド、ヴィヴィアン・ウエストウッド。77歳になっても変わらぬ溢れるパワーの秘密に迫るドキュメンタリー映画『ヴィヴィアン・ウエストウッド 最強のエレガンス』が、2018年12月28日(金)より角川シネマ有楽町、新宿バルト9ほか全国の劇場で公開される。

自身のコレクションを誰よりパワフルに着こなすヴィヴィアン。鮮かな赤毛は長らく彼女のトレードマークだった。
自身のコレクションを誰よりパワフルに着こなすヴィヴィアン。鮮かな赤毛は長らく彼女のトレードマークだった。©︎Dogwoof

ヴィヴィアン・ウエストウッドは半世紀近くに及ぶキャリアの中で、さまざまな伝説を作ってきた。彼女のドレスを着てレッドカーペットを歩くのは、メリル・ストリープやヘレン・ミレン、ティルダ・スウィントン、ヘレナ・ボナム・カーターといった、生き方の面でも強烈な存在感を放つ女優たち。映画『セックス・アンド・ザ・シティ』での主人公キャリーのウェディングドレスは、その膝丈ヴァージョンをオンライン販売したところ一瞬で完売。1993年のショウでナオミ・キャンベルが履いた超ハイヒール・シューズ「スーパー・エレベイテッド・ギリー」は、彼女がキャットウォーク中に転倒したことで一大ニュースとなり、同じ靴がヴィクトリア&アルバート博物館のコレクション入りを果たした。

'41年にイングランド中部ダービシャーで生まれ、’71年に公私にわたるパートナーであったマルコム・マクラーレンとともにロンドンにブティック「レット・イット・ロック」をオープン、デザイナーとしての第一歩を踏み出したヴィヴィアン。’74年に「SEX」と改名したその店を拠点に、セックス・ピストルズのプロデュースなども行い、若者たちの熱狂的な支持を得て「パンクの女王」と呼ばれるように。’81年には最初のコレクションを発表、その後マルコムとは決別し、デザインの傾向を19世紀以前のヨーロッパからインスパイアされた、エレガントな路線に変更、大成功を収める。

カメラはショウの舞台裏にも密着。直前まで厳しい注文をつけるヴィヴィアンの姿が見られる。
カメラはショウの舞台裏にも密着。直前まで厳しい注文をつけるヴィヴィアンの姿が見られる。©︎Dogwoof

'89年に現在のパートナーであるアンドレアス・クロンターラーと、教師と生徒として出会い、翌年から共同でコレクション製作を開始。2人は’93年に結婚、その強いパートナーシップでファッション界をリードし続けてきた。環境問題や人権問題に強くコミットし、最前線の活動家として資金援助なども惜しみなく行うほか、コレクションにもそのメッセージを反映させてきたヴィヴィアン。映画では、その紆余曲折の道のりが彼女自身によって語られるほか、歴代のパートナーたちとの関係なども家族の証言などで明かされる。また、ショーの直前まで続く厳しいダメ出しや、ニューヨークとパリへの新規出店を指揮する姿なども。ケイト・モスやナオミ・キャンベルなどのモデルやセレブが多数登場するのも楽しい。また、2014年5月に環境保護団体グリーンピースとともに北極を視察した時の、貴重な姿も見ることができる。

監督はルーペ・フィアスコやクイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジなどのライブ映像やミュージックビデオの撮影を担当した後、長編作品の脚本やドキュメンタリー作品の監督などを手がけるようになった英国人監督、ローナ・タッカー。アレキサンダー・マックイーンやヴィヴィアン・ウエストウッドなどとの実験的映像プロジェクトに携わったことがあるほか、国際人権団体のリバティやアムネスティ・インターナショナルの短編フィルムも手がけている。長編監督デビューとなる本作では、3年にわたりヴィヴィアンの活動に密着。そんな彼女が偉大なレジェンドの姿をどうフィルムに焼き付けたのか、ぜひ劇場で確認して。

『ヴィヴィアン・ウエストウッド 最強のエレガンス』
2018/イギリス/英語/カラー/5.1ch/ビスタ/84分
監督/ローナ・タッカー
出演/ヴィヴィアン・ウエストウッド、アンドレアス・クロンターラー、ケイト・モス、ナオミ・キャンベルほか
公開日/2018年12月28日(金)
上映館/角川シネマ有楽町、新宿バルト9ほか全国ロードショー
http://westwood-movie.jp

text : Shiyo Yamashita

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