2019.04.16

山梨県の広大な葡萄畑が美しい季節! 週末は人気のワイナリーを巡って、温泉に入って、おいしい郷土料理を楽しもう!

ここ数年山梨県のワイナリーがとっても元気だ! 山梨県ならではの葡萄品種の研究を重ねてきた伝統ワイナリーに加え、ここ十年で、面白いワインを作る新進気鋭のワイナリーもどんどん増えている。今、山梨県のワイナリーを回ってテイスティングしながら、好みのワインを探す、ワインの旅が女子たちの間でブームだ。そんな山梨ワインを知ることができる、おいしくて楽しい列車ツアー「峡東ワインリゾートモニターツアー」が実施された。

今年で3回目となった「峡東ワインリゾートモニターツアー」。新宿駅からスタートするこのツアーは、貸切のお座敷列車に乗り、まずは列車の中で、ソムリエによる山梨ワインのセミナーとテイスティングから始まる。目指すは山梨県の人気温泉がある石和温泉駅。新宿からのんびりと約2時間半(特急列車では約90分)で到着。峡東ワインリゾートとは、山梨県のちょうど真ん中くらいに位置し、勝沼町を中心として広がる、14のワイナリー地区をいう。このあたりは盆地で最も日あたりがよく、いくつかの大きな川が流れ込み、葡萄を作るのに適した土地と言われている。

列車では、山梨県にも詳しいソムリエによる、峡東地区の土壌の話し、日本で1200年以上から栽培され世界でも認められている「甲州葡萄種」、そして「マスカット・ベリーA」など、葡萄の歴史と文化を聞きながら、3種のワインをテイスティング。

まずは、甲州葡萄を使った「ソレイユ甲州2017」(白)。生産者は旭洋酒。夫婦二人が切り盛りする小さなワイナリーで丁寧に妥協を許さずつくられたワイン。八朔や梨をイメージさせる和柑橘の香りが広がり、オレンジ、ハーブ、白胡椒がアクセントになっている。

次は、マスカット・ベリーAを使った「MGVs B521 マスカット・ベリーA 2017」(ロゼ)。2017年4月に勝沼にオープンした新進気鋭のワイナリーが作る、モダンなボトルにクリーンで切れ味のある酸味とミネラル感がふくよかなロゼ。海外でも評価が高いワイナリーは、ワイナリー施設の建築、内装、エチケットのセンスもバツグンで必見だ。

最後に試飲したのは、アルプスワインのメルローを使った「プラチナコレクション メルロ 2014」(赤)。 日本でも栽培しやすい、メルローを6ヶ月オーク樽で熟成させたこのワインは、カシスやブラックベリーといった黒系果実の香りのほか、バニラ、スパイス、土の香りがする。だれもが飲みやすくおいしいと感じるミディアムボディだ。

そして、ほろ酔い気分になったところで列車は石和温泉駅に到着。

一行は、日本を代表するワインソムリエ、田崎真也さんが待つ「ホテル春日居」へ。ここでは、山梨の地元食材を使ったお料理とワインのマリアージュを体験。甲斐サーモンのカルパッチョに合わせた甲州スパークリング、じゃがいもとベーコンのテリーヌに合わせた、昨今世界中で人気のロゼワイン、鳥もつの醤油煮にあわせた赤ワインなどの、食とのスペシャルテイスティングを体験。最も感動したのは、「笛吹甲州グリ・ド・グリ2017」のロゼ。灰色の甲州葡萄(葡萄には、黒葡萄、白葡萄があり、甲州葡萄は中間の灰色葡萄と言われている)を使い、赤ワインの手法で皮も一緒につぶしてつくるとロゼワインになるという。甲州葡萄を使いながらもロゼなのだ。辛口ながらとってもエレガントな香りに、甲州葡萄を使った山梨ワインの広がりを感じられた。

そしてこの会場が、この日の宿泊ホテル。最近リニューアルした館内は広々とし、緑に囲まれたロケーションが静かでくつろげるホテル。どの部屋も50平米以上の広々空間でゆったりと満喫でき、美肌の湯といわれる上質な湯は「アルカリ性単純温泉」だ。また15種類の薬鉱石が敷きつめられた岩盤温泉も女性に大好評で、きれいも叶う宿だった。

翌日は、工場見学とともにワインの歴史が学べる「本坊酒造マルス山梨ワイナリー」で、個性豊かなワインをテイスティングした後、1937年の創業以来、葡萄産地「勝沼」に根ざし、葡萄栽培からワイン醸造までを行う「勝沼醸造」へ。ワイナリーの歴史が垣間見られる、美しい白土塀の日本家屋で、当主自らにレクチャーしてもらう、アルガワインの魅力とテイスティングは非日常の豊かな時間を味わうことができる。アルガブランドのワインは世界にも名をはせており、フランス醸造技術者協会主催のロンドンで行われる国際ワインコンテストで銀賞を受賞している「アルガブランカ イセハラ」は海外でも大人気だ。

ランチは「勝沼醸造」が経営する、ワイナリーから歩いて5分の葡萄畑の高台にある、教会のようなレストラン「風」へ。ワインに合うローストビーフを山葵でいただくメニューが、長きにわたり勝沼町で人気のレストランだ。ここでは「勝沼醸造」のワインはもちろんのこと、勝沼町にある32社のワインが揃う。まさに勝沼の葡萄畑の風を感じながら、おいしい食事とワインのマリアージュを楽しんだ。

たった一泊なのに心身ともリフレッシュでき、山梨県が育むおいしいワインを知り、自然を堪能できるリゾートが山梨県峡東地域だ。

ここにご紹介できない個性豊かなワイナリーがまだまだ沢山ある。

おすすめは、峡東地域ワインリゾート推進協議会のサイトから、ワイナリーの情報を得て、旅を一緒にする友達と、好みにあった山梨ワイナリー巡りの旅をプランすることだ。

心身ともに贅沢な週末を過ごせることまちがいない。

HOTEL春日居>>

勝沼醸造>>

photography:shogo ooizumi text:Shinobu Uchiyama