“祓える男”と“視える男”の“心霊探偵バディ”によるミステリー・エンターテインメント、『さんかく窓の外側は夜』が2021年1月22日(金)より全国公開される。岡田将生と志尊淳のW主演によるこの映画、原作は今最も注目される漫画家のひとり、ヤマシタトモコのベストセラー漫画。森ガキ侑大監督による躍動感溢れるスタイリッシュな映像にも注目!
岡田将生・志尊淳が初共演・W主演、ヤマシタトモコのベストセラーコミックスを映画化した『さんかく窓の外側は夜』が2021年1月22日(金)より全国公開される。“祓える男”と“視える男”の“心霊探偵バディ”と、“呪い屋”の女子高生が繰り広げる、新感覚のミステリー・エンターテインメントの誕生だ。
原作は『MAGAZINE BE×BOY』(リブレ)にて、2013年4月号から2021年1月号まで連載された、ミステリー・ホラー漫画。単行本は累計発行部数130万部を売り上げた、ヤマシタ作品を代表するベストセラーだ。
舞台は横浜。幼い頃から霊が視える特異体質に悩まされてきた三角康介(志尊淳)の働く書店に、除霊師の冷川理人(岡田将生)が現れるところから物語は始まる。霊に慄く三角の肩を突然掴んで胸に触れ、見事に霊を祓ってみせたうえ、「君は僕の運命だ。僕の助手になってくれませんか」と強引に勧誘。「あれ(霊)がずっと怖くてたまらないんです」という三角に、冷川は「僕といれば怖くなくなりますよ」と言い、2人の共同作業が始まることとなる。
そんな彼らに、冷川と旧知の刑事・半澤日路輝(滝藤賢一)が、1年前に起きた未解決殺人事件の捜査協力を持ちかけてくる。自白をしながらも犯人は自殺。2人は犯人の霊に出会うが、この時、霊は「ヒウラエリカに…だまされた…」と呟く。やがて彼らの前に現れる、呪いを操る女子高生の非浦英莉可(平手友梨奈)。彼女の正体とは、そして冷川と三角の過去とは?
感情を表に出さず何を考えているかわからない冷川と、強引な冷川の発言や行動に戸惑いながらも自分なりの道を見つけていく、やや弱々しげな三角の、対照的なキャラクターがまず面白い。原作はホラーながらBL風味もほんのり楽しめる一方、時折コミカルな掛け合いが入ったりするのも魅力だが、この映画の方はサスペンスと人間ドラマの要素が強め。お互いと関わることで少しずつ変化を見せる心の機微を、岡田と志尊が丁寧に演じているのにも注目だ。
宗教に帰依した父親の指示で“呪い屋”をさせられている怒りに満ちた少女そのままの、平手の尖りに尖った存在感、リアリストで霊や呪いを信じない刑事を演じる滝藤のハードボイルドな佇まい、宗教団体の教祖役の筒井道隆が浮かべる怪しすぎる微笑み、息子の康介が霊が視えることなど何も知らない母を演じる和久井映見のふわっとした温かさも見どころ。あっと驚く人のカメオ的出演も!
監督は、「グランブルーファンタジー」や日清「カップヌードル」、クラシエ「いち髪」、ダイハツ「ムーヴ」などの数々のヒットCMを世に送り出してきたほか、長編映画デビュー作となった岸井ゆきの主演『おじいちゃん、死んじゃったって。』で第39回ヨコハマ映画祭 森田芳光メモリアル新人監督賞を受賞するなど、多方面でその才能を発揮している森ガキ侑大。スピード感溢れる、鮮烈でスタイリッシュな映像で、本作をただのホラーではない、新しい境地に押し上げることに成功している。
冷川と三角のブロマンス的な関係性と息もつかせぬストーリー展開に引き込まれているうちに、瞬く間にクライマックスを迎える本作は、早くも続編に期待が高まる作りと言えそう。原作を読んだ人も、これからの人も、違いを確認しながら両方楽しんでみてはいかがだろうか。
『さんかく窓の外側は夜』
監督/森ガキ侑大 脚本/相沢友子 原作/ヤマシタトモコ『さんかく窓の外側は夜』(リブレ)
出演/岡田将生・志尊淳(W主演)、平手友梨奈、滝藤賢一、マキタスポーツ、桜井ユキ、新納慎也、和久井映見、筒井道隆 ほか
主題歌/ずっと真夜中でいいのに。『暗く黒く』(EMI Records / UNIVERSAL MUSIC)
©2021映画『さんかく窓の外側は夜』製作委員会 ©Tomoko Yamashita / libre
配給/松竹
https://movies.shochiku.co.jp/sankakumado/
text : Shiyo Yamashita