あの名作家具が甦る!「ジョージ・ナカシマ没後30年企画展」、LICHTにて開催

東京・池尻大橋のデザインギャラリーLICHTでは、2021年7月24日(土)〜8月1日(日)、ENKELの水澗航キュレーションによる「ジョージ・ナカシマ没後30年企画展」を開催する。会期中はナカシマが1944年にデザインした「グラスシートチェア」のスペシャルエディションモデルの限定受注販売も行う。

東京・池尻大橋のデザインギャラリーLICHTでは、2021年7月24日(土)〜8月1日(日)、「ジョージ・ナカシマ没後30年企画展」を開催する。キュレーションはナカシマの家具と彼自身の生き方に強く惹かれてきたという、ENKEL主宰の水澗航だ。

今回限定で受注販売される、ローズウッド製の「グラスシートチェア」スペシャルエディションモデル。
今回限定で受注販売される、ローズウッド製の「グラスシートチェア」スペシャルエディションモデル。

ジョージ・ナカシマは1905年アメリカ・ワシントン州生まれ。林学、建築学を修めた彼は1934年に来日し、当時日本で活動していたアントニン・レーモンド建築事務所に入所。同僚に前川國男や吉村順三がいた。インド行きを経て1939年に再来日し前川國男事務所に入所するが、1940年にアメリカに帰国。戦時中は日系人強制収容所に入れられるも、そこで基礎的な木工技術を学び、1943年に渡米したレイモンドを頼ってペンシルベニア州ニューホープに移住。1944年から本格的な家具作りを始めている。

希少なローズウッドを使ったモデル。世代を超えて長く愛用できることは間違いなさそう。
希少なローズウッドを使ったモデル。世代を超えて長く愛用できることは間違いなさそう。

ナカシマがデザインから製作まで手がける家具は、1952年にはアメリカで建築学会のゴールドメダルを受けるほどになり、1986年にはメトロポリタン美術館日本ギャラリーの家具を全て一人で製作。ナカシマの作品は、アメリカのスミソニアン博物館やフィラデルフィア美術館、日本では国立工芸館などにも収蔵されている。ナカシマの家具は1990年に彼が他界した後も、娘のミラ・ナカシマが引き継いだ米国ニューホープの工房と、香川県高松市の桜製作所で作り続けられている。

桜製作所は1964年にナカシマが始めて高松を訪れて以来、長年にわたって彼の家具を製作。
桜製作所は1964年にナカシマが初めて高松を訪れて以来、長年にわたって彼の家具を製作。

「ジョージ・ナカシマ没後30年企画展」では、ナカシマが1944年にデザインした「グラスシートチェア」のスペシャルエディションモデルを限定受注販売。この椅子は1965〜72年にインドで製作されていたナカシマデザインの家具のうちのひとつ。ナカシマは1964年にインド北西部グジャラート州の州都アーメダバードにある国立デザイン研究所(NID)を訪れ、現地の職人に指導するとともに、30以上の家具の詳細な設計図なども寄贈していた。桜製作所が手がける今回の復刻版では、当時と同じインド産ローズウッドを使用。入手が難しい超貴重な材のため、すべて受注生産となる。

「グラスシートチェア」をはじめとしたナカシマの家具とLICHTの空間のコラボレーションにも注目。
「グラスシートチェア」をはじめとしたナカシマの家具とLICHTの空間のコラボレーションにも注目。

スティーヴ・ジョブズやジル サンダーの共同クリエイティブ・ディレクターを務めるルーシー&ルーク・メイヤー夫妻など、多くのクリエイターたちにも愛されるナカシマの家具。今回は「グラスシートチェア」とともに、他の家具も展示される。時代や国境を越えて愛され続ける木匠の家具。ぜひLICHTの空間で、その魅力に触れてみてはいかがだろうか。


「ジョージ・ナカシマ没後30年企画展」
開催期間:2021年7月24日(土)〜8月1日(日)
会場:LICHT(東京都目黒区青葉台3-18-10 2F)
時間:13:00〜18:00
会期中無休
03-6452-5840
https://licht-gallery.com



text : Shiyo Yamashita

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