詩人・谷川俊太郎の絵本をテーマにした、“おもしろい”展覧会。「谷川俊太郎 絵本★百貨展」、PLAY! MUSEUMで開催

東京・立川のPLAY! MUSEUMでは、2023年4月12日(水)〜7月9日(日)、詩人の谷川俊太郎と絵本の関わりを紹介する 「谷川俊太郎 絵本★百貨展」を開催する。イラストや絵画だけでなく写真やコラージュを用いるなど、多種多様な谷川の絵本を紹介。多才なクリエイターが参加、絵本の世界から飛び出した、おもしろい展覧会だ。

東京・立川のPLAY! MUSEUMでは、2023年4月12日(水)〜7月9日(日)、詩人の谷川俊太郎の絵本の展覧会 「谷川俊太郎 絵本★百貨展」を開催。多彩なクリエイターとのコラボレーションによる作品を、子どもも大人も楽しめるユニークな形で展示する。

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『もこ もこもこ』(作・谷川俊太郎、絵・元永定正) 文研出版 1977

1952年に『二十億光年の孤独』でデビューして以来、詩や翻訳、脚本など、言葉によるさまざまな作品を生み出している谷川。絵本作りが本格化したのは1960年代後半のことで、以来、和田誠、堀内誠一、長新太、元永定正、タイガー立石、大竹伸朗、皆川明、松本大洋、tupera tupera、Noritake、junaidaといったクリエイターと組み、多彩な絵本を発表してきた。

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『へいわとせんそう』(文・谷川俊太郎、絵・Noritake) ブロンズ新社 2019

イラストや絵画にとどまらず、写真やコラージュを用いるなど多種多様な谷川の絵本は、コンセプトや取り上げるテーマも多種多様。『まるのおうさま』『こっぷ』など、世界を知る手がかりとなる「認識絵本」、『ことばあそびうた』や『ぴよぴよ』のような「言葉あそび」や「オノマトペ」、『もこ もこもこ』などの「ナンセンス」、『へいわとせんそう』をはじめとする「戦争」、『かないくん』や『ぼく』での「死」など。その多彩さを紹介する場でもあることから、今回の展覧会は「百貨展」と名付けられたのだという。

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『絵本』(作・写真、谷川俊太郎)的場書房 1956(2010 復刊 澪標)

本展には自ら写真も手がけた1956年発表の『絵本』から、junaidaの絵とのコラボレーションとなった2023年発表の『ここはおうち』まで、約20冊の絵本が登場。

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『ここはおうち』(文・谷川俊太郎、絵・junaida)ブルーシープ 2023

絵本の紹介にあたっては、アートディレクター、映像作家、建築家ら多才なクリエイターが参加し、原画、朗読、アニメーション、インスタレーションなど、さまざまな表現方法で展示を行う。

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『おならうた』展示イメージ

展示の前半に並ぶ『オサム』『おならうた』『ここはおうち』『これはすいへいせん』『ままです すきです すてきです』の5作品は、アートディレクター/デザイナーのminnaが展示デザインを担当。子どもに人気の『おならうた』は、「おならドーム」の中に原画がうやうやしく置かれるなど、絵本から飛び出したような展示が面白い。

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『あな』(作・谷川俊太郎、画・和田誠)福音館書店 1976

後半では『かないくん』と『ぼく』の原画と言葉を、アルミニウムのひんやりとした壁面に展示。特別な信頼関係にあった谷川俊太郎と和田誠の共作した絵本を、1983年発表の『あな』をイメージした、角材を組み上げた立体的なベンチで読めるコーナーもある。この2つのコーナーの展示デザインは建築家の張替那麻によるもの。展覧会全体の空間構成は、PLAY!の内装設計を手がけた手塚建築研究所の建築家の手塚貴晴が手がけている。

 

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PLAY! CAFE「まるのおうさまハッシュドビーフ」¥1,680

会期中、併設のPLAY! SHOPは「絵本★百貨店」となり、言葉を持ち帰ることができるさまざまオリジナルグッズが並ぶので注目。また、PLAY! MUSEUM恒例の来場者への「おみやげ」は、谷川の言葉入りトイレットペーパー。これは、これまで実現が叶わなかった谷川念願のグッズなのだという。また、PLAY! CAFEには絵本『もこ もこもこ』の「もこもこ」がそのまま飛び出してきたようなカレーライスや、「ぼくこそまるのおうさまだ」と主張する『まるのおうさま』のハッシュドビーフやパフェなど、谷川の手がけた絵本をイメージした「おもしろい」期間限定メニューが登場するので、こちらもぜひ味わってみてほしい。

なお、2023年5月13日(土)には、展覧会の関連イベントとして、ピアニストの谷川賢作率いる谷川俊太郎の詩をうたうバンド「DiVa」の音楽会も開催予定。詳細は後日発表されるので、ぜひPLAY!のSNSなどをチェックしてほしい。


企画展示 「谷川俊太郎 絵本★百貨展」
会期:2023年4月12日(水)〜7月9日(日)
会場:PLAY! MUSEUM(東京都立川市緑町3-1 GREEN SPRINGS W3棟 2F)
開館時間:10:00〜18:00(最終入場は17:30)
問い合わせ:042-518-9625
https://play2020.jp/article/shuntaro-tanikawa/

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