「ガラスの器と静物画 山野アンダーソン陽子と18人の画家」展、広島市現代美術館から東京オペラシティ アートギャラリーに巡回

ガラス作家、山野アンダーソン陽子と日本・スウェーデン・ドイツの画家たち、そして写真家の三部正博の作品で構成される展覧会「ガラスの器と静物画 山野アンダーソン陽子と18人の画家」が、2024年1月8日(月・祝)まで広島市現代美術館で開催中。1月17日(水)からは東京・初台の東京オペラシティ アートギャラリーに巡回する。

スウェーデンを拠点に活動するガラス作家、山野アンダーソン陽子のガラスの食器と、日本・スウェーデン・ドイツの画家によるペインティング、そして写真家の三部正博による写真で構成されるユニークな展覧会「ガラスの器と静物画 山野アンダーソン陽子と18人の画家」が2024年1月17日(水)より東京・初台の東京オペラシティ アートギャラリーで開催される。本展は1月8日(月・祝)まで広島市現代美術館にて開催中の展覧会の巡回展となる。

「ガラスの器と静物画 山野アンダーソン陽の画像_1
木村彩子《Stem for pink / 7 May》2021

山野は1978年生まれ。日本の大学を卒業後、北欧最古のガラス工場であるコースタ内の学校で吹きガラスの手法を学び、その後スウェーデンの王立美術工芸デザイン大学にて修士課程を修了。2001年より日本でも人気の高いガラスデザイナーで陶芸家でもあるインゲヤード・ローマンに師事。クリアーガラスを探求し、スウェーデン、イギリス、日本などで作品を展開している。

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三部正博《ニクラス・ホルムグレンのアトリエに佇むガラス食器》2022

山野が声をかけた画家たちが、自分が描いてみたいガラス食器を山野に文章でリクエストし、それを山野が解釈して形にした食器を、それぞれが静物画として描く。三部はそれぞれの画家のアトリエを訪れて写真を撮りおろし、それらのすべての作品をデザイナーの須山悠里が本にする。そんなユニークなプロジェクトから始まった本展。このプロジェクトは、何年も前に須山が「山野さんのガラス作品を本にしてみたらどうでしょう」と山野に提案したことから始まったという。

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カール・ハムウド《Still Life With Books and Glass》2021

参加した画家は石田淳一、伊庭靖子、小笠原美環、木村彩子、クサナギシンペイ、小林且典、田幡浩一、八重樫ゆい、アンナ・ビヤルゲル、アンナ・カムネー、イルヴァ・カールグレン、イェンス・フェンゲ、カール・ハムウド、CM・ルンドベリ、ニクラス・ホルムグレン、マリーア・ノルディン、レベッカ・トレンスら。写実的に描いた画家もいれば、全くの抽象画を描いた画家も。山野へのリクエストも、スウェーデン語の詩の形で送った画家もいるなど、それぞれユニークなものだったという。

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三部正博《伊庭靖子のアトリエに佇むガラス食器》2021

広島では会場構成を須山が行ったが、東京では須山と山野と三部、そしてキュレーターで会場構成を行う予定。山野のガラス食器を中心に絵画と写真を配置するのではなく、会場の中にバラバラに配置するそう。鑑賞者は会場内を行きつ戻りつしながら、好きな方法で作品を鑑賞することになる。

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ニクラス・ホルムグレン《Anusha, double》2021

本プロジェクトからは、同名の書籍『ガラスの器と静物画 山野アンダーソン陽子と18人の画家』(ブルーシープ/¥3,520)と、山野による日記的エッセイ『ガラス』(ブルーシープ/¥1,540)も登場。展覧会と併せて、ぜひこちらも手に取ってみてほしい。

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左・図録『ガラスの器と静物画 山野アンダーソン陽子と18人の画家』アートディレクション&デザイン:須山悠里、写真:髙橋健治、編集:柴原聡子/ブルーシープ刊/¥3,520、右・書籍『ガラス』著:山野アンダーソン陽子、編集:柴原聡子、写真:三部正博、ブックデザイン:須山悠里/ブルーシープ刊/¥1,540 

「ガラスの器と静物画 山野アンダーソン陽子と18人の画家」
会期:2024年1月17日(水)〜3月24日(日)
会場:東京オペラシティ アートギャラリー(東京都新宿区西新宿3-20-2)
開館時間:11:00〜19:00(入場は18:30まで)
休館日:毎週月曜(祝日の場合は翌火曜日)、2月11日(日・全館休館日)
入場料:一般 ¥1,400、大学生・高校生 ¥800、中学生以下無料
問い合わせ先:050-5541-8600(ハローダイヤル)
https://www.operacity.jp/ag/

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