京都・有斐斎弘道館では、2013年から公募展として開催してきた「京菓子展」の10周年を記念し、特別展「一席一菓 あつらえのかたち」を開催中。さまざまな分野で活躍する9名が「亭主」となり、菓子職人と対話しながらあつらえた菓子を展示。会場では数種の菓子を抹茶とともに味わうこともできる。
京都御所に近い有斐斎弘道館では、2024年2月12日(月・祝)までの期間、京菓子展10周年特別展「一席一菓 あつらえのかたち」を開催中だ。これは、有斐斎弘道館で2013年から公募展として開催されてきた「京菓子展」の10周年を記念するものとなる。
京菓子とは、一席ごとに相手を思い、自然との対話を繰り返しつつ、その日、その時、その場所、その人だけのために作られる「食べる芸術」。「京菓子展」は、近代以前の日本の教養文化、また生活のなかに満ちていた総合知としての芸能・芸術文化について幅広く知ってもらうために2013年から始まった展覧会だ。
「京菓子展」では広く一般の人々がデザインした菓子を、プロの職人が実際の菓子にして展示する「京菓子デザイン部門」と、実際に菓子を作る人による「茶席菓子実作部門」の優秀作品を展示、実際に食べてもらってきた。開催にあたっては毎年、「琳派」「万葉集」「枕草子」など、異なるテーマが掲げられている。
今回の特別展「京菓子展 一席一菓 あつらえのかたち」は、さまざまな分野で活躍する9名が茶席における「亭主」となり、職人と対話しながら、大切な客人を迎えるためにあつらえた菓子を展示するというもの。天野喜孝(画家/イラストレーター)×植村健士(有職菓子御調進所 老松/京菓子展 2018年 大賞ほか)、森山未來(俳優/ダンサー)×杉山早陽子(御菓子丸)、ヤノベケンジ(現代美術作家/京都芸術大学教授)×中丸剛志(有職菓子御調進所 老松/京菓子展 2022年 京都市長賞ほか)、夢枕 獏(小説家)×幾世橋陽子(まめいち/京菓子展 2016年 大賞ほか)など、魅力溢れるコラボレーションから生まれた京菓子は必見だ。
提供される菓子は日によって変わるため、公式サイトにある菓子予定表で日程を確認して。また、一日に提供できる数には限りがあるので、お目当ての菓子がある人は早い時間に会場を訪れたほうがよさそうだ。それぞれの亭主がどのように客をもてなそうと考え、また職人がどのようにその思いに応えているのかに注目し、「一席一菓」の真髄を体感してみてはいかがだろうか。
京菓子展10周年特別展「一席一菓 あつらえのかたち」
会期:〜2024年2月12日(月・祝)
会場:有斐斎弘道館(京都市上京区上長者町通新町東入る元土御門町 524-1)
開館時間:10:00〜17:00(最終入館16:30)
会期中無休
入館料:入館券(京菓子と抹茶付き)=大人 ¥2,500、学生 ¥2,000(要予約)/入館のみ=大人 ¥1,000、学生 ¥500/本会場限定セット ¥3,500(要予約)※入館券(京菓子と抹茶付き)と特別限定菓子のセット/寄付セット ¥10,000(本会場限定セットに懐紙、有斐斎弘道館への寄付を加えたセット/要予約)
問い合わせ:075-441-6662(公益財団法人有斐斎弘道館)
特別呈茶会場:旧三井家下鴨別邸(京都市左京区下鴨宮河町58-2)
開館時間:9:00〜17:00(最終入館16:30)
休館日:水曜
入館料:大人 平日 ¥500、土曜・日曜・祝日 ¥600、中高生 ¥300、小学生 ¥200
呈茶料:過去に受賞した京菓子と抹茶 ¥1,000
https://issekiikka.kyogashi.jp