いわさきちひろの作品と写真から創作の源を探る。ちひろ美術館・東京で「ちひろのアルバム」展開催中&新たに発見された作品を初公開

東京・練馬区のちひろ美術館・東京では現在、いわさきちひろが遺した写真資料と、ひとり息子をモデルにした『ひとりでできるよ』や、幼い頃のちひろ自身を反映した『あかちゃんのくるひ』などの絵本作品をあわせて紹介する企画展「ちひろのアルバム」を開催中。2024年に新たに見つかった新収蔵作品も初公開している。

東京・練馬区のちひろ美術館・東京では、2025年5月11日(日)までの会期で、いわさきちひろがひとり息子をモデルにした絵本『ひとりでできるよ』や、絵本『あかちゃんのくるひ』などの作品を、ちひろが遺したアルバムから抜粋した写真資料とともに紹介する展覧会「ちひろのアルバム」を開催中だ。

東京・練馬区のちひろ美術館・東京では現在、いわさきちひろが遺した写真資料と、ひとり息子をモデルにした『ひとりでできるよ』や、幼い頃のちひろ自身を反映した『あかちゃんのくるひ』などの絵本作品をあわせて紹介する企画展「ちひろのアルバム」を開催中。2024年に新たに見つかった新収蔵作品も初公開している。

東京・練馬区のちひろ美術館・東京では、2025年5月11日(日)までの会期で、いわさきちひろがひとり息子をモデルにした絵本『ひとりでできるよ』や、絵本『あかちゃんのくるひ』などの作品を、ちひろが遺したアルバムから抜粋した写真資料とともに紹介する展覧会「ちひろのアルバム」を開催中だ。

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いわさきちひろ あかちゃんのくるひ 『あかちゃんのくるひ』(至光社)より 1969年

1918年に生まれ、モダンで文化的な家庭で恵まれた幼少期を過ごしたちひろ。平和な子ども時代の記憶は、ちひろの心に深く残り、後の作品のなかに映し出されている。三人姉妹の長女として育った彼女には、『あめのひのおるすばん』『となりにきたこ』など6冊から成る至光社の絵本シリーズで、自分の分身ともいえる少女を主人公にしているが、本展では『あかちゃんのくるひ』などの作品を写真とともに展示、ちひろの創作の源を探っている。

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立てひざのポーズを取る息子・猛(3歳) 1954年10月

また、1951年に生まれた一人息子の猛をモデルにした、ちひろにとって初めての絵本『ひとりでできるよ』などの作品も、息子や夫と穏やかな時間を過ごすプライベートな写真とともに展示している。

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いわさきちひろ 立てひざの少年 1970年
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西巻茅子 『わたしのワンピース』(こぐま社)より 1969年

また同館では、西巻茅子の最初の絵本『ボタンのくに』のリトグラフが新たに収蔵されたのを記念して、企画展「西巻茅子 はじめての絵本『ボタンのくに』そして『わたしのワンピース』」も同時開催中。西巻の最初の絵本『ボタンのくに』(1967年・こぐま社)の全場面を初公開するとともに、ベストセラーとなった『わたしのワンピース』(1969年・こぐま社)も展示している。

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いわさきちひろ シクラメンの花のなかの子どもたち 『戦火のなかの子どもたち』(岩崎書店)より 1973年

一方、長野・北安曇郡松川村の安曇野ちひろ美術館では、「戦後80年 ちひろと世界の絵本画家たち 絵本でつなぐ『へいわ』」展を、2025年6月1日(日)まで開催中。ちひろや世界の絵本画家たちが平和への思いを込めて描いた絵本や、戦争を描いた絵本を展示している。

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西村繁男(日本)『絵で読む広島の原爆』(福音館書店・印刷物)より 1995年(個人蔵) ※特別出品
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いわさきちひろ こげ茶色の帽子の少女 1970年代前半

また、戦争のなかでの子ども時代をつづった黒柳徹子(ちひろ美術館館長)の自伝的物語『窓ぎわのトットちゃん』(講談社)とその続編に収録されたちひろの絵を、物語のエピソードとともに紹介。

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いわさきちひろ 「やまも うみも」「こどものせかい」(至光社)1961年8月号より 1961年 ※ちひろ美術館・東京にて展示

さらに、現在開催中の両美術館での企画展では、至光社にて2024年に新たに発見された新収蔵作品も展示。今回ちひろ美術館に返却された、1958年から1962年までの5年間に絵雑誌『こどものせかい』に掲載された原画32点のうち、東京では7点、安曇野では11点をそれぞれ初公開している。

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いわさきちひろ 「きょうも たのしい ようちえん」「こどものせかい」(至光社)1958年4月号より 1957年 ※安曇野ちひろ美術館にて展示

『こどものせかい』の編集者だった武市八十雄は、絵雑誌や絵本は画家と印刷に携わる人たちの力を結集した総合芸術であると考えていたそうで、彼の姿勢はちひろの制作にも大きな影響を与えたという。構図や子どもたちのポーズ、草花や四季折々の風物など、細部の描写まで工夫が凝らされた、貴重な作品群の展示。ぜひこの機会にそれぞれの美術館に足を運んで、じっくり作品と向き合ってみては。

「ちひろのアルバム」「西巻茅子 はじめての絵本『ボタンのくに』そして『わたしのワンピース』」
会期:〜2025年5月11日(日)
会場:ちひろ美術館・東京(東京都練馬区下石神井4-7-2)
開館時間:10:00~17:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜(祝休日は開館、翌平日休館)、5月7日(水) ※GW(2025年4月26日~5月6日)は無休
入館料:大人 ¥1,200、18歳以下・高校生以下無料/学生証持参、65歳以上  ¥900、障害者手帳提示の人とその介添え人1名は無料/罹災証明書持参の人は無料 ※その他割引あり

「戦後80年 ちひろと世界の絵本画家たち 絵本でつなぐ『へいわ』」
会期:〜2025年6月1日(日)
会場:安曇野ちひろ美術館(長野県北安曇郡松川村西原3358-24)
開館時間:10:00~17:00 ※GW(2025年4月26日~5月6日)は9:00〜17:00
休館日:水曜 ※GW(2025年4月26日~5月6日)は無休
入館料:大人 ¥1,200、18歳以下・高校生以下無料/学生証持参、65歳以上  ¥900、障害者手帳提示の人とその介添え人1名は無料/罹災証明書持参の人は無料 ※その他割引あり

ちひろ美術館・東京/安曇野ちひろ美術館
https://chihiro.jp/