京都の世界遺産で心揺さぶる体験を。二条城にて「アンゼルム・キーファー:ソラリス」展が開催中

京都の世界遺産・二条城では現在、ドイツの現代美術家、アンゼルム・キーファーによる「アンゼルム・キーファー:ソラリス」展を開催中。二の丸御殿台所・御清所とその周辺の庭に、33点の絵画と彫刻が展示されている。人類はなぜ同じ悲劇的な歴史を繰り返すのかを問いかける、圧倒的な表現を体感して。

京都の世界遺産・二条城では、2025年6月22日(日)までの会期で、ドイツの最も重要な現代美術家のひとり、アンゼルム・キーファーの大規模個展を開催中だ。

京都の世界遺産・二条城では現在、ドイツの現代美術家、アンゼルム・キーファーによる「アンゼルム・キーファー:ソラリス」展を開催中。二の丸御殿台所・御清所とその周辺の庭に、33点の絵画と彫刻が展示されている。人類はなぜ同じ悲劇的な歴史を繰り返すのかを問いかける、圧倒的な表現を体感して。

京都の世界遺産・二条城では、2025年6月22日(日)までの会期で、ドイツの最も重要な現代美術家のひとり、アンゼルム・キーファーの大規模個展を開催中だ。

京都の世界遺産で心揺さぶる体験を。二条城の画像_1
Installation views of Anselm Kiefer: SOLARIS at Nijo Castle, Kyoto, 2025. Photo: Ufer! Art Documentary; Courtesy of Fergus McCaffrey.

キーファーは1945年ドイツ・ドナウエッシンゲン生まれ。法律を学んだ後、美術を志し1969年にカールスルーエ芸術アカデミーに入学、翌年デュッセルドルフ芸術アカデミーに移りヨーゼフ・ボイスに師事した。ナチスの歴史を主題とした写真作品「占拠」(1969年)や「あしか作戦」(1975年)で注目を集めた。1980年には第39回ヴェネチア・ビエンナーレ西ドイツ館で個展を開催。この頃から神話や宗教など普遍的テーマに移行し、わらをキャンバスに付着させた絵画シリーズをはじめ、多様な技法を用いた作品を制作するようになる。

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Installation views of Anselm Kiefer: SOLARIS at Nijo Castle, Kyoto, 2025. Photo: Ufer! Art Documentary; Courtesy of Fergus McCaffrey.

その圧倒的なスケールの力強い絵画や彫刻のインスタレーションで世界的に高い評価を受け続けているキーファーは、数々の国際的な賞も受賞。日本では1993年に大規模回顧展「アンゼルム・キーファー メランコリア―知の翼」展(京都国立近代美術館、セゾン美術館[東京]、広島市現代美術館を巡回)を開催している。また、2024年にはヴィム・ヴェンダース監督によるドキュメンタリー映画 『アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家』も公開された。

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Installation views of Anselm Kiefer: SOLARIS at Nijo Castle, Kyoto, 2025. Photo: Ufer! Art Documentary; Courtesy of Fergus McCaffrey.

キーファーにとってアジア最大規模となる本展は、芸術家の願望と責任、現代物理学と禅仏教の親和性、ジャポニスムがキーファーの美学に与えた影響の考察、19世紀から20世紀にかけての日本とドイツの並行する歴史的発展の比較といった5つのセクションで構成されるもの。近年のキーファー作品には金が多用されているが、本展では多くの作品が自然光の中で見られるようになっているため、金の持つ表現力豊かな輝きを適切に体験できるのも魅力だ。

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Installation views of Anselm Kiefer: SOLARIS at Nijo Castle, Kyoto, 2025. Photo: Ufer! Art Documentary; Courtesy of Fergus McCaffrey.

二条城の二の丸御殿は、狩野派による数々の金碧障壁画に彩られている。それらと同じ敷地内でキーファーの作品を展示することは、江戸時代初頭以降の日本と西洋における美学、哲学、政治の関係性と親和性を考える出発点ともなるはず。終戦から80年、未だにこの世界では戦争や内乱が続き、不穏な影に覆われている。歴史と伝統に彩られた京都の街で見るキーファー作品からは、「人類はなぜ同じ悲劇的な歴史を繰り返すのか」という強烈なメッセージが伝わってくるはずだ。

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《オクタビオ・パスのために》 2024 キャンバスに乳剤、油彩、アクリル絵具、シェラック・ニス、金箔、電気分解による沈殿物、岩石、チャコール、コラージュ 380×950cm Photo: Nina Slavcheva

「アンゼルム・キーファー:ソラリス」
会期:〜2025年6月22日(日)
会場:二条城 二の丸御殿台所、御清所等(京都市中京区二条通堀川⻄入二条城町541)
開場時間:9:00〜16:30(最終入場16:00/二条城の最終入城は16:00、17:00閉門)
入場料:一般 ¥2,200、京都市民・大学生 ¥1,500、高校生 ¥1,000、中学生以下無料 ほか ※別途二条城への入場券(一般 ¥800、中高生 ¥400、小学生 ¥300)が必要/入場チケットは日時指定の事前予約制(予約に空きがある場合は現地にて当日券の販売あり)
https://kieferinkyoto.com