ミシュラン2つ星の“異端”の名店がメニュー開発にかける半年間に迫る。ドキュメンタリー映画『ムガリッツ』、全国ロードショー公開

スペイン・バスク地⽅のガストロノミーの中心的存在であり、ミシュランの常連レストランとして知られるムガリッツ。1年のうち6ヵ月は休業し、スタッフ総出で次年度のメニュー開発に注力する“異端”のレストランの開発チームに密着した映画『ムガリッツ』が2025年9月19日(金)より順次ロードショー公開される。

世界屈指の“異端”の名店として知られる、スペイン・バスク地⽅にあるミシュラン2つ星のレストラン、ムガリッツの舞台裏に迫るドキュメンタリー映画『ムガリッツ』が2025年9月19日(金)より順次ロードショー公開される。毎年11月から4月までメニュー開発のために休業する同店の、革新的な料理開発のプロセスが明らかになる。

スペイン・バスク地⽅のガストロノミーの中心的存在であり、ミシュランの常連レストランとして知られるムガリッツ。1年のうち6ヵ月は休業し、スタッフ総出で次年度のメニュー開発に注力する“異端”のレストランの開発チームに密着した映画『ムガリッツ』が2025年9月19日(金)より順次ロードショー公開される。

世界屈指の“異端”の名店として知られる、スペイン・バスク地⽅にあるミシュラン2つ星のレストラン、ムガリッツの舞台裏に迫るドキュメンタリー映画『ムガリッツ』が2025年9月19日(金)より順次ロードショー公開される。毎年11月から4月までメニュー開発のために休業する同店の、革新的な料理開発のプロセスが明らかになる。

ミシュラン2つ星の“異端”の名店がメニュの画像_1

©2024 TELEFONICA AUDIOVISUAL DIGITAL, S.L.U.

ムガリッツのオーナーであるアンドニ・ルイス・アドゥリスは1971年サン・セバスチャン生まれ。アドゥリスは1993〜96年にフェラン・アドリア率いるエル・ブジで修業した後、1998年にスペイン・バスク州ギプスコア県エレンテリアにてムガリッツをオープンした。ミシュラン1つ星を最初に獲得したのは2000年、また最初の2つ星は2005年に獲得。また、現在のような休業のサイクルが始まったのは、店舗が⽕災で全焼した2010年以降のこととなる。

ミシュラン2つ星の“異端”の名店がメニュの画像_2

©2024 TELEFONICA AUDIOVISUAL DIGITAL, S.L.U.

ムガリッツの開発チームは多彩な背景を持つメンバーで構成。このドキュメンタリーはアドゥリスが彼らに翌シーズンのテーマとして「目に見えぬもの」を提案するところから始まっている。そして、彼らが提案する素材やキーワードは、共同料理長のジョルディ・ブロスとディミトリオス・タソウリス、その他の大勢のスタジエ(料理⼈)たちなどによって、驚くべき料理へと練り上げられていくのだ。

ミシュラン2つ星の“異端”の名店がメニュの画像_3

©2024 TELEFONICA AUDIOVISUAL DIGITAL, S.L.U.

監督はジャウマ・バラゲロとの『REC/レック』シリーズや『エクリプス』などの大ヒットホラー映画で知られるパコ・プラサ。映画以上に好きなことは⾷べることだけだというプラサは、もともとムガリッツの大ファンだったそう。プラサとそのチームは、まるで日記のように日々の開発段階を記録しながら、自由闊達で制限のないブリーフィング、さまざまな実験を繰り返す様子、そして取捨選択を経て、最終的に自信を持って世に問えるメニューへと料理を昇華させていく様子を、飾ることなく映像化している。ナレーションは一切なく、音響も必要最小限に止めているのがいい。

ミシュラン2つ星の“異端”の名店がメニュの画像_4

©2024 TELEFONICA AUDIOVISUAL DIGITAL, S.L.U.

並外れた独創性、革新性で知られるムガリッツの料理は、非常に緻密に作り上げられたアート。コースを構成する料理は30を超えるが、それぞれのチームが試作と熟考を重ねている。とんでもないと思われるアイデアの数々が、最終的にはテーマのもとに、一貫性のある、また再現性のあるメニューとして組み立てられていくさまは、見ているだけでわくわくする。

ミシュラン2つ星の“異端”の名店がメニュの画像_5

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作品中に登場するアドゥリスの発言は示唆に富んだものばかり。特に、「(リーダーシップの真髄は)一歩引き最終決定を下さないこと 自分に求められていることを理解すること 教えるということは基本的に弟子の不安を受け止めることだと理解すること」「人はまるで微生物のように適切な温度と湿度、栄養があれば成長し力を得るものだ それはとても美しい この家の壁に遮られず最後に皆がここから飛び立っていく」といった言葉には、彼の人材育成の考え方が反映されていて興味深い。その言葉の通り、厨房では若き料理人たちが真摯に仕事に向き合いながら、臆することなく自分の意見を言う姿が見られるから感動的だ。

ミシュラン2つ星の“異端”の名店がメニュの画像_6

©2024 TELEFONICA AUDIOVISUAL DIGITAL, S.L.U.

もちろん、ひとつひとつの料理がどうやって作られているかも惜しまず披露している。聞いたこともないような素材同士の組み合わせや、驚きの調理法、既成概念に縛られない器使いなど、一瞬たりとも見逃せないシーンが続く。ムガリッツの料理を食べられる人は限られているかもしれないが、この映画から受けられる刺激も少なくないはずだ。

『ムガリッツ』
原題:『MUGARITZ. NO BREAD NO DESSERT』
監督:パコ・プラサ 脚本:パコ・プラサ、マパ・パストール 
2024年/スペイン/カラー/96分 字幕翻訳:比嘉世津子
提供:ティー ワイ リミテッド 配給:ギャガ
後援:駐日スペイン大使館 インスティトゥト・セルバンテス東京
2025年9月19日(金)よりシネスイッチ銀座ほか順次ロードショー
https://gaga.ne.jp/mugaritzmovie/