金属の持つ両義性を音楽、映像、造形の側面から読み解く。銀座メゾンエルメス ル・フォーラムで「メタル」展開催中

東京・銀座の銀座メゾンエルメス ル・フォーラムでは、2026年1月31 日(土)までの会期で、金属の属性を考えるグループ展「メタル」を開催中だ。本展はエルメス財団が出版した書籍『Savoir & Faire 金属』にあわせて開催されるもの。榎忠、遠藤麻衣子、エロディ・ルスールの作品が展示されている。

東京・銀座の銀座メゾンエルメス ル・フォーラムでは現在、榎忠、遠藤麻衣子、エロディ・ルスールの作品を通じて、金、銀、鉄、鉛、真鍮といった金属が歴史の中で作り上げてきた属性に多角的にアプローチするグループ展「メタル」を開催中だ。

東京・銀座の銀座メゾンエルメス ル・フォーラムでは、2026年1月31 日(土)までの会期で、金属の属性を考えるグループ展「メタル」を開催中だ。本展はエルメス財団が出版した書籍『Savoir & Faire 金属』にあわせて開催されるもの。榎忠、遠藤麻衣子、エロディ・ルスールの作品が展示されている。

東京・銀座の銀座メゾンエルメス ル・フォーラムでは現在、榎忠、遠藤麻衣子、エロディ・ルスールの作品を通じて、金、銀、鉄、鉛、真鍮といった金属が歴史の中で作り上げてきた属性に多角的にアプローチするグループ展「メタル」を開催中だ。

金属の持つ両義性を音楽、映像、造形の側面の画像_1

榎忠 | 《RPM-1200》| 2011年 | 鋼鉄 | サイズ可変 | 兵庫県立美術館 | 写真:豊永政史 ©Chu Enoki

エルメス財団は2025年秋、書籍『Savoir & Faire 金属』(岩波書店)を出版した。本書は自然素材を巡る職人技術や手わざの再考、継承、拡張を試みるプログラム「スキル・アカデミー」の一環として出されたもので、『木』(2021)、『土』(2023)に続くもの。仏語版『Savoir & Faire le métal』(2018、アクト・スッド社とエルメス財団の共同編集)の邦訳に日本語版オリジナル・コンテンツを加え、歴史、近代建築、アートや工芸など多様な切り口で金属に迫るものとなっている。

金属の持つ両義性を音楽、映像、造形の側面の画像_2

 『Savoir&Faire 金属』エルメス財団 編(岩波書店)¥3,190

この書籍の発売にあわせて開催されている本展では、青銅器時代から現代に至るまで人類の文明と共に歩んできた金属が持つ特有の性質に着目。「スキル・アカデミー」のフランスにおける監修者で社会学者・歴史家のユーグ・ジャケは、それぞれの金属に備わる物理的な性質を書籍の中で“両義性(アンビヴァレンス)”と呼んでいるが、これを本展では音楽、映像、造形の側面から3名のアーティストたちが読み解いている。

金属の持つ両義性を音楽、映像、造形の側面の画像_3

榎忠 | 《スペースロブスター P-81 》 | 1981年 | 写真:米田定蔵  ©Chu Enoki

1960年代後半に関西を中心に活動を始め、現代美術界で長らく存在感を発揮してきた榎忠は、専業美術家ではなく、金型職人として定年まで勤め上げたという背景を持つ。鉄球としての地球に人間活動を重ね合わせ、廃材を用いた作品に注目したい。

金属の持つ両義性を音楽、映像、造形の側面の画像_4

遠藤麻衣子 | 《識 》| 2025年| 映像作品からの静止画 ©Maiko Endo

ヘルシンキ生まれで、ニューヨークでの創作活動を経て、現在は東京を拠点に活動する映画監督の遠藤麻衣子は、日本古来の朱と水銀を媒介に内的宇宙と外的象徴を創造する。

金属の持つ両義性を音楽、映像、造形の側面の画像_5

Élodie Lesourd | The Half of Half-and-Half (courtesy T.Blass) | 2014 | Acrylic on MDF | 35.2 x 52.9 cm ©Élodie Lesourd

そして、パリを拠点とし、音楽を通じて哲学 、文学、社会学、美術史 、建築 、自然科学など多岐にわたる分野の探求に取り組むエロディ・ルスールは、メタル音楽を記号論的に解釈した作品を展示。展示と書籍を通じて、金属の持つさまざまな性質と、その文化的な側面について考えてみては。

金属の持つ両義性を音楽、映像、造形の側面の画像_6

Élodie Lesourd | Walking Through the Land of Falsity(courtesy K.Smolenski) | 2016 | Acrylic on MDF| 165.8×102.7㎝ ©Élodie Lesourd

「メタル」展
会期:~2026年1月31 日(土)
会場:銀座メゾンエルメス ル・フォーラム 8・9階(東京都中央区銀座5-4-1)
開館時間:11:00〜19:00(入場は18:30まで)
休館日:水曜
入場無料
電話番号:03-3569-3300
https://www.hermes.com/jp/ja/content/maison-ginza/forum/251030/

FEATURE
HELLO...!