土の中に潜り込んで本を読み、知を蓄え、想像する力を養う。「地中図書館」、【KURKKU FIELDS】に誕生

千葉県木更津市のKURKKU FIELDSに、2023年2月16日(木)、中村拓志(NAP建築設計事務所)設計による新たな施設「地中図書館」がオープンする。土の下に洞窟のような佇まいで存在するこの図書館では、選書家・川上洋平らを中心に選んだ約3,000冊(オープン時)の蔵書と、時を忘れて向き合うことができる。

「育てる・作る・食べる・循環する」といった“ひとが本質的に生きる心地よさと喜び”を感じられる場として、2019年に千葉県木更津市にオープンしたKURKKU FIELDS。約30haという広大な敷地の一部に、2023年2月16日(木)、「地中図書館」がオープンする。設計は「上勝町ゼロ・ウェイストセンター」や「ZOZO本社屋」などで知られる建築家・中村拓志(NAP建築設計事務所)が担当した。

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古墳のような雰囲気も漂う「地中図書館」の外観。photo : Yuka Yanazume

「地中図書館」はその名の通り、すり鉢状の特徴的な形をした土地の中腹に存在する、洞窟のような佇まいが特徴。KURKKU FIELDS内を散歩している時に突然入口を発見し、大地の中へと潜り込むような感覚を味わいながら中に入ると、そこには思いがけない空間が広がっている、というような、本にたどり着くまでのストーリーも魅力だ。

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自然との共生のヒントを学べる本も多数。photo : Kohei Omachi

選書を手がけたのは「book pick orchestra」代表の選書家・川上洋平ら。自然や農的な暮らしに関するものを中心に、詩や哲学、歴史、宗教、科学や経済と広がっており、他にも画集や絵本、レシピ本なども多彩に取り揃えられている。オープン時の蔵書は約3,000冊だが、今後もどんどん増えていく予定だ。

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細い通路から明るい中庭スペースを眺めたところ。photo : Kohei Omachi

内部の天井高は大地の傾斜に従っているため、子どもの背の高さに合った天井の低い場所や、小さな隠れ部屋なども出現。最深部には天井から自然の光が差し込む円形のホールもある。

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緩やかなカーブを描く本棚のそこここに、照明を兼ねたブックエンドが。photo : Kohei Omachi

本棚には本を模したブックエンド兼照明が置かれており、暗くなった後も柔らかな光が空間を包み込む。KURKKU FIELDSの宿泊施設であるcocoon、TINY HOUSE VILLAGEの宿泊客は閉館後の17:00以降も利用できるのが嬉しい。

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天窓から光が差し込む円形ホール。photo : Kohei Omachi

携帯の電源をOFFにして、地中に潜り込み、時間を忘れて読書に没頭する。贅沢な時間が過ごせる「地中図書館」。「自然の叡智を学びながら想像力豊かに未来へと歩を進める人々の支えになるような場」を目指すというこの場は、今後も緩やかに変化していく。なお、利用のためには年間¥1,000のKURKKU FIELDS MEMBERSHIPに加入する必要があるので、ぜひ繰り返し利用して。


地中図書館
住所:千葉県木更津市矢那2503 KURKKU FIELDS内
開館時間:12:00〜17:00
休館日:火・水曜(祝日を除く)
入館方法:事前予約制/KURKKU FIELDS MEMBERSHIP加入者のみ利用可能(年会費 ¥1,000)
入館料:無料(KURKKU FIELDS入場時に保全料¥300が必要)
https://kurkkufields.jp/