リオデジャネイロ五輪では、熱い戦いが続いています。世界中のさまざまな国の人々が集うダイナミックさ、躍動する肉体美、この一瞬のために人生を賭けて戦う選手たちが織り成すドラマ。オリンピックの光景が、リオデジャネイロという街でいっそうカラフルに、輝いて映るのは私だけでしょうか?
SPUR9月号の企画「リオ五輪を音楽で祝おう」では、世界的なラジオ/クラブDJのジャイルス・ピーターソンのインタビューを掲載していますが、彼はブラジルについてこんな興味深いことを言っています。「この国ではすべてがものすごくハッキリしていて、サッカーでいうと勝てば大いに喜び、負けるとまるでこの世の終わりのよう。それがとても味わい深くエモーショナルで、オーガニックなのが魅力的なんだ」。
「リオは世界でも有数の美しい景色が広がる街。でもとても暴力的な一面があり、かと思えばすごく温かくいろんな文化が混合していて、キレがある。まるでスパイシーな料理みたいだ」。
そういえば、2014年のFIFAワールドカップでも素晴らしいゲームや奇跡的に美しい瞬間が数多く見られ、サッカーファンたちは「ブラジルという国の魔力だ」と噂していました。
さて、前置きは長くなりましたが、そんなわけでこの国の魅力を音楽、食などを通じて多角的に味わうイベントを8/11に渋谷アップリンクにて開催しました。題して「SPUR×映画『ブラジル・バン・バン・バン』~祝リオ五輪! 五感でリオデジャネイロを楽しむ夕べ」。
まずは、SPUR9月号の上記企画でもフィーチャーした映画「ブラジル・バン・バン・バン:ザ・ストーリー・オブ・ソンゼイラ」の上映からスタートしました。この地に魅せられたジャイルス・ピーターソンが、ブラジル人アーティストたちと音楽を作り上げるプロジェクトを追う新感覚のドキュメンタリーです。(ちなみに、SPUR9月号と並ぶのは、映画にも登場する幻の名盤をフロア向けにアレンジしたジャイルスの新作「タム・タム・タム リイマジンド」)。
リオに根付くサンバの歴史と未来に感じ入った後は、小休憩。ブラジルを代表するカクテル、カイピリーニャが振舞われます。さらにケータリング・ユニット「東京アカラジェ&タピオカ」が、ブラジル各地の料理をフィンガーフードにアレンジしてサーブ。ブラジル料理は塩胡椒のみのシンプルな味つけが多く、食材を生かした素朴な味わいに舌鼓を打ちました。(写真右上)黒目豆の揚げ揚げバンズ、海老、ヴァタパ=ココナッツと野菜と干しえびのソース、(写真右下)ビーツとクリームチーズ、ホースラディッシュ、(写真左上)グァバの羊羹とクリームチーズ、(写真左下)カリオカ豆のペースト、ゆで卵、オリーブ。
ほろ酔い気分で小腹を満たした後は、本誌でも五輪の開閉会式に登場するアーティストの大胆予想をしていただいた、音楽・放送プロデューサーの中原仁さんと、東京スカパラダイスオーケストラのGAMOさんによるトークショーを開催。つい最近、渡伯したばかりの二人がフレッシュなリオ情報を届けてくれました。東京スカパラダイスオーケストラによる現地の子供たちとの楽器を通じた活動や、カリオカを沸かせたライブの模様をレポート。また、ブチキン(=居酒屋)文化やカリオカの気質についてのトークも盛り上がり、楽しい時はあっという間に過ぎましたが、ブラジルという国への理解が肌感覚で深まった夜となりました。
さて、イベントには参加できなかったという方、ブラジルという国にますます興味を持たれた方におすすめなのが、中原仁さんとケイタ☆ブラジルさんの共著による「リオデジャネイロという生き方」(¥1,500/扶桑社)。カリオカのポジティブな生き方に触れるエピソードやおすすめスポットまで満載ですので、ぜひご一読を。
また、カリオカにも熱狂的なファンも多い、東京スカパラダイスオーケストラのブラジル向けベスト盤を日本でも発売します。ブラジル人ラッパーのエミシーダとコラボレーションした「Olha pro ceu feat.EMICIDA(上を向いて歩こう)」、ブラジルの名曲のスカバージョン「マシュ・ケ・ナダ」など新曲も収録した「TOKYO SKA PARADISE ORCHESTRA~Seleção Brasileira~」(¥2,300/逆輸入盤)は9/7にリリースです。
photography:Shoji Yagihashi
ジュエリー&ウォッチ担当。きらめくモノとフィギュアスケート観戦に元気をもらっています。永遠にミーハーです。