連載「杏と山口晃の談話室A」でもおなじみの画家の山口晃さん。山口さんが、9月24日に横浜・赤レンガ倉庫で開催される『横浜能楽堂外ノ芸術祭2016「赤レンガ薪能」』のための公開制作をすると聞きつけ、見学に行ってきました。
薪能は、野外でかがり火を焚きながら行う能のことで、仮設の舞台で行うために、通常は「鏡板」(能舞台奥にある松の絵が描かれている板)を設置しないそうですが、今回は新たな試みとして、山口さんが揮毫をすることになったそう。
横浜港の夜景が透けて見えるよう、幅約5.4m、高さ約2.1mの透明なポリカーボネートのパネルに油絵具で松を描いていく山口さん。線を引いてはぼかし、引いてはぼかしを繰り返しながら、仕上げていく様子は真剣そのもの。鏡板の老松は、もともと神の依代(よりしろ)となる「影向(ようごう)の松」を写したものといわれていますが、まるで何かが乗り移ったかのような集中力です。画家の方の制作風景を見る機会はなかなかありませんが、こちらのサイトでは、公開制作時の動画を見ることができるので、ぜひチェックを。
山口さんの描いた鏡板を舞台背景に開催される「赤レンガ薪能」は、9月24日(土)18時開演。能は「船弁慶」、狂言は「蚊相撲」と、能を見るのが初めての人も楽しめる演目なので、足を運んでみてください。チケットなどの詳細は、こちらから!
物心がついた時からパンツ派。今、一番興味があるのは、どうやったら居心地のよい部屋で暮らせるのか。美容、アート担当です。