森山大道(DAIDO MORIYAMA)
渋谷の街中で撮影した森山のポートレート。
PORTRAIT BY YOSHIYUKI OKUYAMA
自由の女神のポスターを撮影。街中で出くわすイメージも森山を魅きつける © DAIDO MORIYAMA PHOTO FOUNDATION
米軍基地のある街・三沢で撮影した犬の写真。通称「三沢の犬」として知られている(1971年) © DAIDO MORIYAMA PHOTO FOUNDATION
「SELF」の展示のため新宿・歌舞伎町で行われたサンローランの撮影
「SAINT LAURENT SELF 01: DAIDO MORIYAMA」2018年 © DAIDO MORIYAMA PHOTO FOUNDATION / COURTESY OF SAINT LAURENT
モデルとなったUta。Utaは歌舞伎町に溶け込み街の男の顔に
「SAINT LAURENT SELF 01: DAIDO MORIYAMA」2018年 © DAIDO MORIYAMA PHOTO FOUNDATION / COURTESY OF SAINT LAURENT
モデルとなった本山琴美。唇のアップは森山が好んで撮るモチーフでもある「SAINT LAURENT SELF 01: DAIDO MORIYAMA」2018年 © DAIDO MORIYAMA PHOTO FOUNDATION / COURTESY OF SAINT LAURENT
写真集『新宿』(2002年)より © DAIDO MORIYAMA PHOTO FOUNDATION
写真集『新宿』(2002年)より。「SELF」の展覧会でも展示された「東京の夜」を撮影した森山の作品 © DAIDO MORIYAMA PHOTO FOUNDATION
森山の私家版写真集『記録 38号』(2018年)に収められた一枚。メッシュもまた森山が好むモチーフだ © DAIDO MORIYAMA PHOTO FOUNDATION
無人のエスカレーターでさえエロティックに映る © DAIDO MORIYAMA PHOTO FOUNDATION
森山大道(DAIDO MORIYAMA)
渋谷の街中で撮影した森山のポートレート。
PORTRAIT BY YOSHIYUKI OKUYAMA
自由の女神のポスターを撮影。街中で出くわすイメージも森山を魅きつける © DAIDO MORIYAMA PHOTO FOUNDATION
米軍基地のある街・三沢で撮影した犬の写真。通称「三沢の犬」として知られている(1971年) © DAIDO MORIYAMA PHOTO FOUNDATION
「SELF」の展示のため新宿・歌舞伎町で行われたサンローランの撮影
「SAINT LAURENT SELF 01: DAIDO MORIYAMA」2018年 © DAIDO MORIYAMA PHOTO FOUNDATION / COURTESY OF SAINT LAURENT
モデルとなったUta。Utaは歌舞伎町に溶け込み街の男の顔に
「SAINT LAURENT SELF 01: DAIDO MORIYAMA」2018年 © DAIDO MORIYAMA PHOTO FOUNDATION / COURTESY OF SAINT LAURENT
モデルとなった本山琴美。唇のアップは森山が好んで撮るモチーフでもある「SAINT LAURENT SELF 01: DAIDO MORIYAMA」2018年 © DAIDO MORIYAMA PHOTO FOUNDATION / COURTESY OF SAINT LAURENT
写真集『新宿』(2002年)より © DAIDO MORIYAMA PHOTO FOUNDATION
写真集『新宿』(2002年)より。「SELF」の展覧会でも展示された「東京の夜」を撮影した森山の作品 © DAIDO MORIYAMA PHOTO FOUNDATION
森山の私家版写真集『記録 38号』(2018年)に収められた一枚。メッシュもまた森山が好むモチーフだ © DAIDO MORIYAMA PHOTO FOUNDATION
無人のエスカレーターでさえエロティックに映る © DAIDO MORIYAMA PHOTO FOUNDATION
半世紀以上にわたり東京を撮りつづける写真家・森山大道。彼の写真には日常に隠れている都市の欲望が写し出される
路上から街を撮り続ける写真家、森山大道。そのまなざしはしばしば街をさまよう野良犬にたとえられ、代表作のひとつである犬の写真は森山自身のポートレートとも見える。
森山は現在80歳。朝起きては寝床のある池袋を「カメラ散歩」するのが日課だ。「起きると珈琲が飲みたいし、煙草を喫える珈琲屋まで毎朝カメラ散歩しますよ。西口のロマンス通りを歩いて、調子にのると東口のほうまでね」
渋谷の街中で撮影した森山のポートレート。今年の夏には渋谷の街を舞台にした、森山の作品の野外展示プロジェクトが予定されている
カメラ散歩の友は、手のひらに収まるサイズのデジタル・コンパクトカメラだ。森山の写真というとフィルムのイメージが強いが、ここ10年ほどは、日常の撮影はデジタルカメラで行っている。撮影方法はフィルムとデジタルで変わったかと尋ねると、「撮り方は変わらない。ただフィルムのときは撮り終わったらダンボールに入れて、200本、300本たまったらまとめて現像したけれど、今は撮ったらその場で見るし、すぐ消すこともある。フィルムはあとで現像したときに、おっ、と思う面白さがあったけれど、今はそれはないね」と森山。
自由の女神のポスターを撮影。街中で出くわすイメージも森山を魅きつける © DAIDO MORIYAMA PHOTO FOUNDATION
フィルム、デジタルの違いはあれど、コンパクトなカメラで街をスナップして歩く森山のスタイルは変わらない。それはカメラマンとして独り立ちした60年代からの森山のスタイルで、そうして生み出された写真は国内外で高い評価を受けている。ファッションとは距離をおく森山だが、ファッション界にもファンは多く、デザイナーの故カール・ラガーフェルドはアート界に先駆けて森山の写真を見いだした人物のひとりだ。2001年にカールが出版した『THE JAPANESE BOX』は、60年代末から70年代初頭にかけて東京で活躍した写真家および著述家の出版物を復刊したものであり、森山が1972年に発表した写真集『写真よさようなら』もこの中に収められている。
米軍基地のある街・三沢で撮影した犬の写真。通称「三沢の犬」として知られている(1971年) © DAIDO MORIYAMA PHOTO FOUNDATION
その後も森山の写真は多くのクリエイターにインスピレーションを与え続け、昨年秋には、サンローランのクリエイティブ・ディレクターであるアンソニー・ヴァカレロが、自らキュレーションするアート・プロジェクト「SELF」の第一弾として森山をフィーチャーした。プロジェクトを森山からスタートしたかったというヴァカレロは、森山の写真について次のように述べている。 「彼の作品は、日本のキラキラした可愛い側面を育むものではありません。作品は本物であり、日本社会のダークサイドを表現しています」
「SELF」の展示のため、新宿・歌舞伎町でサンローランのモデル撮影がおこなわれた 「SAINT LAURENT SELF 01: DAIDO MORIYAMA」2018年 © DAIDO MORIYAMA PHOTO FOUNDATION / COURTESY OF SAINT LAURENT
プロジェクトの展示は、パリのパレ・ロワイヤル広場に作られた仮設の黒い箱の中で行われ、内部空間は「東京の夜」をテーマに、森山が新宿・歌舞伎町で男女のモデルを撮り下ろした写真と、東京を写した過去の作品で埋め尽くされた。「ファッションファッションは無理だから、僕のテリトリーのストリートスナップのノリにつきあってくれるならやるよと言いました。夜の新宿にふたりを放り投げてくれればいいと言い、そういうふうに撮っています。展示に関しては、ファッション写真だけを集めずにバラバラにしてというのが唯一のリクエストで、あとはサンローランに任せました」(森山が最も好んで撮る街は? )
モデルとなったUta。Utaは歌舞伎町に溶け込み街の男の顔に 「SAINT LAURENT SELF 01: DAIDO MORIYAMA」2018年 © DAIDO MORIYAMA PHOTO FOUNDATION / COURTESY OF SAINT LAURENT
モデルとなった本山琴美。唇のアップは森山が好んで撮るモチーフでもある 「SAINT LAURENT SELF 01: DAIDO MORIYAMA」2018年 © DAIDO MORIYAMA PHOTO FOUNDATION / COURTESY OF SAINT LAURENT
SOURCE:「Snapping on in the City 」By T JAPAN New York Times Style Magazine:JAPAN BY JUN ISHIDA, PORTRAIT BY YOSHIYUKI OKUYAMA MAY 16, 2019
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