日本中が感動したラグビーW杯を始め、マラソングランドチャンピオンやバスケット&バレーのW杯など、この秋もたくさんのスポーツイベントが世界各地で行われた。そしてこれから本格的なウインタースポーツシーズンに。
そこで、この秋、盛り上がった競技のなかから話題を呼んだ、またはこれからブレイクしそうなネクストスターや来年の東京五輪でも活躍しそうな選手をピックアップ。インスタグラムでシェアされたプライベート写真なども交えて一挙ご紹介。気になるアスリートをマークしておけば、これからのスポーツ観戦もさらに楽しめるはず。
来年の東京でW杯の感動再び!? 松島幸太朗(ラグビー)
1万5000人が集まった東京・府中での日本代表選手報告会や、ボクシング井上尚弥の世界戦を生観戦、メディア出演など、多忙な日々を送っている松島。今年のラグビーW杯で日本史上最多となる5つものトライを奪ったスピードスターは、その後も鮮やかなプレーを見せてくれた。
準々決勝では南アフリカに敗れ、4強入りこそ逃したが、日本代表のベスト8入りの大きな原動力に。バックスプレーヤーとしては小柄な体格で大きな男たちを置き去りにし、縦横無尽にピッチを走り回った松島選手は、左ウイングの福岡堅樹選手とともに、その爆発力から高級スポーツカーに例えて「ダブル・フェラーリ」と形容され、対戦相手にとっては脅威な存在に。松島にボールが渡るたびに、客席から大きな歓声が沸き上がっていた。
ジンバブエ人の父と日本人の母の一人息子として誕生した松島のルーツは、準々決勝で対戦した南アフリカ。6歳で日本に移り、桐蔭学園高校ではチームを全国制覇に導くも、卒業後はより高みを目指して南アフリカへ渡り、スーパーラグビー・シャークスの育成クラブで武者修行。海外で力を付け、南アフリカの20歳以下の代表候補合宿メンバーに選ばれるまでに。ただ、本人は日本代表として強いチームに勝つために応じなかった。
前回のW杯(イングランド)では全4試合に先発し、日本の歴史的3勝に貢献。今回はW杯で日本代表最多の通算5トライを記録。
閉幕から約10日が経過した現在も、テレビで代表選手を見かけない日はない。想定を上回る盛り上がりに、〝W杯ロス〟という言葉もよく耳にする。しかし松島の視線はすでに未来へ。さらなるレベルアップのため、「厳しい環境に自分自身を置きたい」と欧州のリーグに挑戦する意向も示し、次回のW杯ではベスト4を狙えるチームにしなければと固く決意している様子。また福岡らも表明している7人制への挑戦も視野に入っているとか。東京五輪であのステップ、俊足を生かしたプレーが大舞台で再び観られるかもしれない。
日本が世界に誇る絶対女王 野口啓代(スポーツクライミング)
高校1年生の時に世界選手権リード種目で日本人女子初の表彰台となる3位入賞を果たし、以降、第一人者として活躍している。大学へ入学した年に初めてW杯で優勝し、プロとして活動することを決意したという。当時のスポーツクライミング界は、今のように注目度も高くなく、スポンサーなどの支援先にも恵まれない状況下からのスタート。そんな厳しい時代を経験している野口の覚悟は想像に難くない。
ただ、どんな時も世界一になりたい一心と、登ることに魅了されていたからこそ、大好きなクライミングを続けられたのだろう。常にそうした気持ちを大切にし、クライミングと向き合ってきたからこそ、今では彼女がトライする姿を見て、〝すごく楽しそうに登っている〟〝私もやってみたいな〟という人が増え、野口は憧れの存在になっている。
今年、東京・八王子で行われた世界選手権の女子複合決勝で2位と日本人最高位で東京五輪日本代表に内定。「本当に夢のようでまだ信じられない」と涙した姿は印象的だった。その東京五輪は彼女にとって最初で最後の五輪。そして現役最後の舞台。ぜひ、彼女のクライミングを見届けて。
BBCが選んだ「2019年の女性100人」に!今日和(相撲)
「相撲」という言葉を聞くと、男性のスポーツとイメージするが、女性もレオタードの上にまわしを締めたスタイルで、土俵で熱戦を繰り広げている。相撲はオリンピックの正式競技入りをめざし、1990年代から国際的な普及も進められている。
そんな中、昨年、一人の若者の姿を追った18分の短編ドキュメンタリー映画『相撲人(原題 LITTLE MISS SUMO)』がNETFLIXで公開された。同作品では立命館大学相撲部員で、女子アマチュア相撲界のトップとして活躍し、伝統の壁に立ち向かう今日和の奮闘に密着。これが大きな話題を呼んでいる。
Photo:twitter by (Producer 『Little Miss Sumo』)
この秋10月に、今(こん)日和は英国の公共放送BBCの「女性が未来を動かすとすれば、未来はどのような姿になるだろうか」をテーマにした「2019年の女性100人」の一人に選ばれた。
小学1年生で相撲を始めた今はめきめきと頭角を現したという。中学の相撲部は自分以外すべて男子部員で高校時代も中学の男子部員相手に稽古を続けた。現在、立命館大学でも男子部員に交じって稽古に励んでいる。そうした努力の甲斐もあって、世界女子選手権では2018年と2019年に準優勝と実績も残している。
日本の大相撲は女人禁制で、女性はプロにはなれない。厳しい現実に直面しながら、それでも決して後ろを振り向かなかった。女子相撲の競技人口が少ない状況下で相撲を続けられたのは、スポーツができることへの感謝の気持ちがあったからこそ。今日和にはスポーツができない環境で育つ子どもたちへ相撲を教え、相撲競技人口を増やしたいという夢もあるようだ。
現在は小学生に相撲を教えるボランティア活動や、将来、発展途上国のアフリカで相撲を教えるために必要な語学の勉強や、そのために必要な知識をゼミで学ぶなど、学業にも意欲的に取り組んでいるという。限界を決めず、自分らしく生きる21歳の女性が、世界を変えるかもしれない。
photos:Getty Images・AFLO・Twitter・nstagram text:Misaki Morie
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