【TOMORROW X TOGETHER】 YEONJUN 日本初ソロファッション撮影が実現!

日本初ソロファッション撮影が実現!

「SUMMER SONIC 2022」への出演に続き、8月31日に日本3rdシングル「GOOD BOY GONE BADをリリース。さらに9月には、2020年の日本デビュー以来初となる来日公演を控えるTOMORROW X TOGETHER。今や世界中にファンダムを有する5人組男性グループの長男であるYEONJUNが、SPURに初登場! 悲恋の金字塔に着想したファッションストーリーとともに、クリエーションへの情熱と少年から大人への過渡期を過ごす現在の思いを語る

水槽越しに君を想う

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プルオーバー¥297,000(予定価格)/セリーヌ ジャパン(セリーヌ オム バイ エディ・スリマン) ピアス/スタイリスト私物(以下同)

シャッター音ごとに表情を変えながら、ポエティックに佇むYEONJUN。シルバーとゴールドのフリンジがボディを覆うプルオーバーは、甲冑のようなイメージで。初恋は突然、アクアリウムの先に訪れる。

初恋の行方を彼はまだ知らない

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プルオーバー/p.104と同じ

ドラマティックなフリンジのルックは「BOY DOLL」と名付けられた、エディ・スリマンによるセリーヌ オムの最新コレクションから。ベースはニットになっており、秋冬シーズンの主役トップスとして要注目。水面の光に反射し風に揺れるさまは、若者の心の葛藤を投影するよう。

幸福な時間には陽気な柄が似合う

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ブルゾン¥297,000・シャツ¥88,000・パンツ¥148,500/グッチ ジャパン(グッチ)

「GUCCI LOVE PARADE」を発表した地、ロサンゼルス。観光地のスーべニアグッズを思わせるポップなプリントが目を引くブルゾンを主役に。トラッドなシャツとチェックのパンツを合わせてエクレクティックにまとう。

 

INTERVIEW
音楽を通して、自分をさらけ出すことを学びました

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カメラの前に立ち、気負わずにポーズを決めていくYEONJUNの姿は、目を惹きつけて離さない存在感がある。チェックジャケットのルックでは自信、スーツでは秘めた情熱、ニットのセットアップでは無防備さといった具合に、着替えるたびにアティチュードを変え、少年と大人の間で揺れ動いているかのよう。TOMORROW X TOGETHERの最年長メンバーであり、歌もラップもこなし、ダンサーとして抜群のスキルを誇る彼は、ファッションへの関心の高さでも知られるが、衣装の着こなし方からはそれがありありと感じ取れる。

全カットを撮り終えてインタビューに応じたYEONJUNは、「今日はいい撮影ができてとてもうれしく思っています」とほほえんだ。
「僕が表紙を飾れるというのはすごく光栄なこと。いい写真を撮ろうという気持ちで、一生懸命撮影に取り組みました。特にプラダの一着が気に入りましたね。可愛さの中に洗練されたムードがにじみ出ていて」

そう語る彼とTOMORROW X TOGETHERにとって、2022年は飛躍の年になりつつある。というのも5人は現在、キャリア初のワールドツアー「ACT : LOVE SICK」を敢行中。日本では、8月の「SUMMER SONIC 2022」に出演し、9月には4日にわたる単独公演を予定している。
「デビュー3年で初めてワールドツアーが実現しました。コロナ禍で直接会えなかったMOA(ファン)のみなさんと会って楽しめる場なので、ワクワクしていますね。強烈なステージを見せるつもりで準備をしています」

日本を訪れるのも久しぶりとあって、個人的にやりたいことがたくさんあるという。
「まず日本の食べ物が大好きなので、ラーメン、すき焼き、お好み焼き、たこ焼き、お寿司と、いろいろ食べたいですね。子どもの頃に行った大阪の街が印象に残っていて、また歩いてみたいし、沖縄の海がとてもきれいだと聞いたので、訪れてみたいです」

BTSと同じレーベル所属とあって、鳴り物入りでデビューしたTOMORROW X TOGETHER。コロナ禍に活動を制約されながらも精力的に作品を発表し、世界規模でブレイクするに至った過程を振り返ったとき、ひとつひとつの作品が転機になった。
「何か大きなきっかけがあったわけではなく、全作品が重要だったと思います。いつも死力を尽くして用意してきたので、アルバムを出すたびに成長して心構えを新たにしました」

彼らは、あまたのグループがしのぎを削る中、見事に自分たちを差別化。作品を貫く物語性も独特で、少年たちが成長するプロセスを描いてきた。5月にリリースしてビルボードメインアルバムチャートである「ビルボード200」で自己最高の4位を記録した4th ミニアルバム『minisode 2 : Thursday’s Child』では、全編でメンバー自身が曲作りに参加。タイトル曲「GOOD BOY GONE BAD」では〝人生初めての失恋〟というテーマと向き合っている。
「前作のアルバム『The Chaos Chapter : FREEZE』にしても、最新の『minisode 2 : Thursday’s Child』にしても、僕たちが経験する心の傷や痛みについて率直に語っている作品なんです。僕たちの話を正直に反映してみると自然に同世代の人たちがすごく共感できる曲になるんだと思います。以前は心の痛みを隠して一人で抱え込んでいたけど、このアルバムを通して癒やされ、音楽を通して自分を表現していくことを学びました。メンバーとざっくばらんに話しているうちに素直になれて、僕らしくなれたんだと思います」
『minisode 2 : Thursday’s Child』にはちなみに、YEONJUNがこれまでソングライティングに関わった中で、最も自分らしいという曲も含まれている。タトゥーをメタファーに用いて失恋の複雑な感情を掘り下げた「Lonely Boy」だ。
「ラップ・メイキングを中心に、曲作りにも参加しました。特に2番のラップ部分が気に入っています。歌詞もメロディも僕の頭の中から生まれたし、アドリブが採用されたところも多くて、僕のカラーや考えが最も色濃く反映されています」

では、クリエイティブであり続けるために、日々意識していることはあるのだろうか。
「普段の生活の中ではできることが限られますが、視野が狭くなりがちなので映画や映像で、間接的にでもいろいろなことを体験しようとしています。そんなふうに、クリエイティブな面を伸ばす努力をしています」

また、ずっと背中を追いかけてきた偉大な先輩たちからも、大いに刺激を得ている。
「みなさん、スーパースターになっても、年月を重ねても変わらずに一生懸命で、音楽とダンスを愛する気持ちを持ち続けている。初心を忘れていないのがとても素敵で、学ぶべきところが多いですね。ハードな練習生の時期を経て、ダンスしながら歌うのは簡単なことではありませんが、多くのK—POPアーティストは完璧な姿で見せてくれます。そういうところを、さまざまな国の人が愛してくださっているのではないかと思うんですよね。それに対する自負心もありますし、すべてのアーティストをリスペクトしています」

もっとも、ここにきて自らが手本となり、次世代をインスパイアするようになったYEON
JUN。まさに「ハードな練習生の時期」を経て夢を実らせた今、かつての自分に投げかけるまなざしはやさしい。
「当時の僕はとても未熟で、振り返ってみると後悔することやこうすればよかった、ということも確かにあります。でも、それが積み重なって今の僕がいる。だからあの頃の自分に、〝そのままでいい〟と言ってあげたいですね。〝今のままで十分に頑張っているよ〟と」

そんな彼は19歳でデビューしてからの自分の変化を、次のように冷静に分析する。
「かなり成熟したと思いますよ。仕事においても、人と接するときも、メンタル的に器が大きくなったと感じています。逆に変わっていないところは仕事への愛情と情熱、そして野望ですね。どんどん高いところへステップアップできていると思います。今後変えたい部分ですか? 特にないかな。今の僕はパーフェクトではありませんが、まさに完璧ではないところが魅力なんだと思っています」

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カーディガン¥407,000・ノースリーブニットトップス¥231,000・ニットショーツ¥280,500・ソックス(参考商品)・靴¥146,300(すべて予定価格)/プラダ クライアントサービス(プラダ)

若者は過去を肯定して歩む

ケーブル編みのニットをアンサンブルで。洗練が際立つシルエットにブランドの矜持が宿る。

成熟のときはもう、すぐそこに

【TOMORROW X TOGETHERの画像_6
ジャケット¥462,000・シャツ¥130,000・パンツ¥84,700(参考価格)/サンローラン クライアントサービス(サンローラン バイ アンソニー・ヴァカレロ) 靴/スタイリスト私物

金ボタンのダブルブレストジャケットには、ブラックボウタイブラウスを。紳士的エレガンスとフェミニニティを体現する彼はすでに、マチュアな魅力を携えている。

ロマンと野望を抱き若者は大人になる

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ジャケット¥380,000・シャツ¥150,000・パンツ¥165,000・ネクタイ¥29,000(参考価格)・ネクタイピン¥47,000/クリスチャン ディオール(ディオール)

チェック・オン・チェックのカレッジ風スタイルは、「ビートニク」カルチャーに着想したディオールの一着。保守的な体制と対峙しながら、若者は新たな時代を力強く切り開いていく。

PROFILE
1999年、韓国生まれ。TOMORROW X TOGETHERの一員として、2019年に1stミニアルバム『The Dream Chapter : STAR』でデビュー。以来6枚のアルバムとミニアルバムを発表し、2020年1月にはシングル「MAGIC HOUR」で日本デビュー。さらに昨年1月にリリースした日本1stアルバム『STILL DREAMING』や日本1st EP『Chaotic Wonderland』なども話題に。8月31日には日本3rdシングル「GOOD BOY GONE BAD」を発売予定。9月には大阪・千葉で「TOMORROW X TOGETHER WORLD TOUR<ACT : LOVE SICK> IN JAPAN」を開催予定。

SOURCE:SPUR 2022年9月号「日本初ソロファッション撮影が実現! TOMORROW X TOGETHER YEONJUN WHAT IS A YOUTH?」
photography: LESS visual creative: Chung Suchung, Rakta styling: Lee Ahran hair: Kim Seungwon make-up: Noh Seul Ki coordination: Jung Donghun (LIKE STUDIO) interview & text: Hiroko Shintani (p.108〜p.109)

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