2025年前半は、ツアー『AREA OF DIAMOND 3』にて全国を駆け巡ったラッパー、シンガーのちゃんみなさん。経験を昇華した嘘のない歌と言葉の端々ににじみ出る人間性に、虜になるファンが続出している。花を育む大地のような寛大さと、鉱物のような強度を併せ持つ彼女が魅せる、唯一無二のダイヤモンドスタイル
2025年前半は、ツアー『AREA OF DIAMOND 3』にて全国を駆け巡ったラッパー、シンガーのちゃんみなさん。経験を昇華した嘘のない歌と言葉の端々ににじみ出る人間性に、虜になるファンが続出している。花を育む大地のような寛大さと、鉱物のような強度を併せ持つ彼女が魅せる、唯一無二のダイヤモンドスタイル
ちゃんみなさんにインタビュー。かつての自分が夢見ていた自分でいる、という責任
Z世代のカリスマ的シンガー・ラッパーから時代のオピニオンリーダーへと進化しつつあるちゃんみなさんは、まさにダイヤモンドのような輝きを放つ存在だ。アーティスト「ちゃんみな」としての誕生石でもあり、「私にとって昔から特別な石」。ツアータイトルや楽曲の歌詞にも登場する。プライベートで初めて購入したのは、プロデュース業を始める際迎えたカルティエの時計、タンク。ダイヤモンドがちりばめられたモデルだ。以降も節目に合わせて、ダイヤモンドのアイテムを大事にコレクションしている。
小学生の頃に作詞を始め、常に自らの経験を通した想いを音楽にのせてきたちゃんみなさん。楽曲「美人」ではルッキズムに、「NG」では社会からの偏見に真っ向から向き合った。
「傷ついた経験を音楽に昇華することで、自分を癒やす。私は他人を軸にせず、自分のために曲を作っています。そこはずっと変わらないですね。よく神経質だと思われますが、普段、全然怒らないんです。以前は怒りや反骨心が創作の原動力になっていたけど、年齢を重ねるにつれて、責任感や感謝から生まれる楽曲が増えてきました。それは“かつての私が夢見ていた私でいたい”という責任感です」
4月に発表した新曲「WORK HARD」は「甘くない人生は」「自分の人生自分でやって」と、活を入れるような曲。なぜ今この曲を放ったのか。
「私は17歳の頃から、楽しそうにガンガン働く30、40代の方々と一緒に仕事をしてきて。気づけばよく『タフですね』と言われるようになりました。今度は私が、自分の娘も含めて若い世代にいい背中を見せていきたい。そんな思いを込めて歌っています」
BMSGとタッグを組みプロデューサーを務めたガールズグループオーディション「No No Girls」は社会現象となり、番組から誕生したHANAは破竹の勢いで活躍中。「No No Girls」では涙を一切見せず、参加者一人ひとりに寄り添う姿が指導者として理想的だと話題を集めた。
「涙が出そうになる瞬間はもちろんあったけど、絶対に彼女たちのほうが泣きたいはず。私はぐっとこらえるようにしていました。それ以外は普段通りに振る舞っていただけなので、“理想の指導者”と言われるのは不思議です。(日韓にルーツを持つため)、子どもの頃にふたつの言語を頭の中で整理するため一言もしゃべらない期間が数カ月あった。その後も大人しくなったり反抗してみたりと人格が人生で4回くらい変わっていて。そんな中で、気をつけるというよりは自然と、『人を傷つけても、よい結果にはつながらない』という感覚が根づきました。たとえば音楽を本気で志している人に『歌が下手』なんてダメ出しすると、ストレスで声が出なくなることもある。HANAをプロデュースするうえではよいと思うことを押しつけるのではなく、メンバーの意思を聞いて方向性を決めています」
自分を明確に定義せず、変化をありのままに受け入れる。だからこそ柔軟に、他者の心に寄り添えるのだろう。今後の自身の理想像を尋ねると、笑顔でこう答えた。
「寝なくても大丈夫な体力と、もっとたくさんの時間が欲しいですね。そうしたら、より強固なダイヤモンドになれそうです」

2017年にメジャーデビュー。全国ツアー『AREA OF DIAMOND 3』を12都市で開催。9月には自身2度目の単独海外公演が決定。新曲「WORK HARD」発売中。ガールズグループ「HANA」のプロデューサーを務める。