“国民の俳優”ユ・ヘジンが公式に初来日!感動のハプニングも続出! ユ・ヘジンならではの笑いと人間味に溢れた「コリアン・シネマ・ウィーク」イベントをレポート #유해진

この10月17日(金)〜20日(日)まで、韓国文化院が主催する「コリアン・シネマ・ウィーク2025」が駐日韓国文化院ハンダンホールで開催されました。その最終日前日の19日、日本未公開の映画『LUCK-KEY/ラッキー』の上映に合わせて、韓国映画界を代表する主演の俳優ユ・ヘジン氏が公式初来日。MCに古家正亨氏を迎え、日本の観客たちとのトークも交えたヘジン氏のその舞台挨拶をリポート。想像を超えるファン思いのヘジン氏の素顔と優しくユーモア溢れる人柄、惹きつけられる人柄に、会場に詰めかけた日本の多くのファンたちは改めて大感動。会場は終始、温かな熱気と拍手で包まれました。

この10月17日(金)〜20日(日)まで、韓国文化院が主催する「コリアン・シネマ・ウィーク2025」が駐日韓国文化院ハンダンホールで開催されました。その最終日前日の19日、日本未公開の映画『LUCK-KEY/ラッキー』の上映に合わせて、韓国映画界を代表する主演の俳優ユ・ヘジン氏が公式初来日。MCに古家正亨氏を迎え、日本の観客たちとのトークも交えたヘジン氏のその舞台挨拶をリポート。想像を超えるファン思いのヘジン氏の素顔と優しくユーモア溢れる人柄、惹きつけられる人柄に、会場に詰めかけた日本の多くのファンたちは改めて大感動。会場は終始、温かな熱気と拍手で包まれました。

登場とともに、客席からは黄色い声援! ユ・ヘジンの“面白み”が炸裂

ユ・ヘジン 『LUCK-KEY/ラッキー』 「コリアン・シネマ・ウィーク」

「コリアン・シネマ・ウィーク」は、日本未公開の作品を中心に韓国映画を紹介しながら、韓日の文化交流の促進と友好親善関係を深めることを目的に駐日韓国文化院が毎年開催している映画祭です。25回目となる今年は、「日本の小説/映画を原作とした韓国映画」と、「2025年に韓国で公開された最新映画」という2本立ての特集が組まれ、韓国映画の魅力を紹介。韓日国交正常化60周年を記念する今回は、日本でも多くのファンに親しまれている人気実力派俳優ユ・ヘジン氏がゲストとして招かれました。

上映作品の『LUCK-KEY/ラッキー』(主演はもちろんユ・ヘジン氏)の上映が終わると、早速、舞台には黒のカジュアルな上下で自然体のユ・ヘジン氏が登場。途端に、客席は黄色い声援が嵐のように飛び交ったのですが、『ベテラン』『タクシー運転手 約束は海を超えて』『1987、ある闘いの真実』『マルモイ-ことばあつめ』『梟-フクロウ-』『破墓/パミョ』などなど話題作に次々と出演、名バイプレイヤーとしてだけでなく、数々の主演作もこなす韓国映画界を代表するユ・ヘジン氏。このイベントに参加できる観客は応募による抽選で選ばれるのですが、その倍率はなんと10倍! 多くの日本のファンが彼の来日をどれほど待ち望んでいたかが、会場の熱気からもひしひしと伝わります。それを受けてか、「こんにちは。お目にかかれて、とても嬉しいです。私は今、みなさんの心の中が読める気がします。実物の方が遥かにイケメン!でしょ(笑顔)」(会場は割れんばかりの拍手)

ユ・ヘジン 『LUCK-KEY/ラッキー』 「コリアン・シネマ・ウィーク」

ヘジン氏が「ヨンワ チェミイッソソヨ?(映画面白かった?)」と客席に問うと、客席からは通訳を待たずに「ネー(はい)」という返事の連呼も。

「え?韓国の方が多いんですか。ほとんど日本の方ですよね?(こちらも客席からは間髪入れず「ネー」の連呼)。韓国でも映画上映の舞台挨拶をするのですが、以前に比べますと、観客席にも日本の方が増えてきております。本当にありがたいことです。でも、実際はですね、私のファンというよりは、カン・ハヌルさんのファンだったり(映画『野党:エクステンデットカット』で共演)、イ・ジェフンさんのファンだったり(映画『焼酎戦争』で共演)、そのような感じなのですが。まあ、冗談ですけれども(笑)」。

今回、俳優として公式的には日本初来日

ユ・ヘジン 『LUCK-KEY/ラッキー』 「コリアン・シネマ・ウィーク」

「これまで何度か映画の関連でチャンスがあったのですが、撮影と重なったり、スケジュールが合わなかったり、なかなか来日することができずにおりました。ただ、今回は韓国文化院の非常に意味深いイベントだということもありまして、初めて、公式の場にこのように日本に来ることになりました」と挨拶すると、いきなりヘジン氏は通訳の方に向かって、「通訳、難しくないですか? ちゃんと切って話してますよね」。実は、この舞台挨拶の前、日本の公式イベントには初参加で慣れていないヘジン氏、「通訳をするので、言葉を途中で切りながら話してください」とお願いされていたのだそう。その確認というわけですが、優しいというか、お茶目というか。

公式的な来日は初めてというヘジン氏ですが、プライベートでは日本に度々訪れているのだそう。

「日本には何度か来ています。家族旅行で沖縄にも行きましたし、北海道にも行ったことがあります。自然が非常に好きなので。また、皇居の周りはランニングコースになっていますよね。雨の中、今朝もそのコースを爽やかな気持ちで走ってきました」

好きな作品は日本のアニメーション お酒を飲んでいい気分になったら、 「紅の豚」の真似もします

ユ・ヘジン 『LUCK-KEY/ラッキー』 「コリアン・シネマ・ウィーク」

俳優デビューは‘97年の映画『ブラックジャック』。以来、多くの作品に出演、’06年大鐘賞の助演男優賞、’10年青龍映画賞の助演男優賞、’15年百想芸術大賞の映画部門助演男優賞などなど、多くの映画賞も受賞しているユジン氏ですが、俳優を志したのはそもそも何がきっかけだったのでしょうか。

「中学生の時、私は全州(チョンジュ)というところに住んでおりまして、当時、通っていた学校で演劇の舞台がありました。モノドラマ(一人芝居)だったんですが、それを観て、“あ、これがやりたい”と心から思うようになったんです。その後、高校生になったときは、アマチュアではなく、お金をいただいて演じる商業劇団に入団、そこで1から俳優業を始めることになりました」

作品を選ぶ際のヘジン氏的基準は?

「やはり面白みだと思っています。広い意味での面白みなのですが、その中の感動であったり、アクションであったり、コメディであったり、なんでもそうですが、観る人たちが、何かしら面白いなと感じてほしいと思いますし、私自身も台本を読んだ時に、面白いと感じるかどうか、それを基準に作品を選んでいます。私が出演する目的でもありますね」

ユ・ヘジン 『LUCK-KEY/ラッキー』 「コリアン・シネマ・ウィーク」

今回上映した映画『LUCK-KEY/ラッキー』は、2012年の日本映画「鍵泥棒のメソッド」をリメイクしたもの。ユ・ヘジン氏が演じるのは“伝説の殺し屋”として知られる強面の主人公ヒョンウクなのですが、ある日銭湯で石鹸を踏んで転倒し頭を強打、記憶喪失になることから始まるヒューマンアクションコメディです。その場に居合わせた売れない役者のジェソン(イ・ジュン)が銭湯のロッカーの鍵をすり替えたことから、伝説の殺し屋が何も知らずに売れない役者として生きることになり、何度も思わず吹き出してしまう物語が展開するという次第。

「この映画は韓国で大ヒットいたしましたが、やはり面白みがあった作品です。原作も非常にコミカルで面白かったんですが、日本と韓国は、やはり微妙に文化の違いがあり、笑いのコードが少し違っていますよね。なので、その面白さを韓国の人たちに受け入れられるようにどう表現にするかという点にかなり悩みました。物語は、現実的にはあり得ないような奇想天外なことが起きますよね。それを観た人たちが「あり得ない」と思うのではなく、「もしかしたら現実でも起こり得ることかもしれない」と思わせようとするために、随分と苦心しました。浮いたお話ではなく、地に足がついているような感じにするには、どう表現すべきか。本当に考えたんです」。

実はヘジン氏、映画やドラマは韓国のものも日本のものも、それほど多くは観ないのだそうです。そんな彼が実は愛してやまないのが日本のアニメーション。

「一番好きなのが宮崎駿の『紅の豚』です。お酒を飲んで、ちょっといい気分になった時に、葉巻を吸いながら、紅の豚を真似してみたり。とてもアナログ的な感性ですよね。『となりのトトロ』も『名探偵コナン』も『銀河鉄道999』も好きですね。日本のアニメにはすごく親近感を持っています」

ユ・ヘジン 『LUCK-KEY/ラッキー』 「コリアン・シネマ・ウィーク」

続いて、会場からの質問タイムへ。最初に当てられた方が名前を言うと

「え?ス・ズ・キさん?(ご本人の名前とは違います)」と聞き返しながら、「ブルンブルン」とバイクに乗ったふりをするヘジン氏のお茶目に会場からは爆笑と共にまたもや熱烈な拍手が。映画『タクシー運転手 約束は海を越えて』でファンになったという鈴木さんならぬ観客の方からは、映画『梟-フクロウ–』の悪役に続き、今後やりたい悪役を教えてほしいというリクエスト。

「特別に悪役だから、善人だから、と言うことは考えていないです。面白い役柄であればなんでも演じたいと思っています。こういう悪役ならやってみたいと言うような基準は私の中では決まっていません。どんな作品でも魅力的な役柄だったら、全部演じてみたいと思っています」

 

ユ・ヘジン 『LUCK-KEY/ラッキー』 「コリアン・シネマ・ウィーク」

と、ここで、古くからの日本のファンが会場にいることを見つけたユ・ヘジン氏がそのファンと感動の挨拶をするというハプニングも。「今回、会えなかったらどうしよう、とずっと心配していました。来られていたらぜひお話ししたいと思っていたんです」と話すヘジン氏。ファンを大切に思うへジン氏に会場も胸を熱くしジーン。

そんなヘジン氏に別の方から「私が妻になる可能性はありますか?」と言う大胆な質問も。思わずヘジン氏がタジタジになる一幕も。

「今回のイベントでは多くの方が応募してくださったと伺いました。心より感謝申し上げます。私に対する関心にも感謝を申し上げますし、また、併せて韓国文化にもこれからさらに関心をお寄せいただきますようお願いします。スケジュールがありましたら、またぜひ来日したいです」という嬉しいコメントを最後イベントが終了。

最後は予定にはなく、ご本人からの申し出で決まったという観客一人一人に握手しながらの“お見送り”まで。魅力あふれる素敵なユ・ヘジン氏のその手がふんわり柔らかで温かかったことも一緒にご報告させていただきます。ちなみに次回作はGOT7パク・ジニョンと共演の『王と暮らす男』(原題:来年の公開予定)。さらに、現在は近代史を扱った新作を撮影中とのこと。今後も“面白み”ある彼の作品をますます期待せずにはいられません。

ユ・ヘジン 『LUCK-KEY/ラッキー』 「コリアン・シネマ・ウィーク」