【當真あみ×中島セナ×平澤宏々路×南琴奈】映画『終点のあの子』に出演する4人のライジングスターにインタビュー

柚木麻子の小説が原作となった映画『終点のあの子』が来年1月に公開となる。メインキャラクターを務めるのは、次世代を担うライジングスターたち4人。個性豊かな彼女たちの、みずみずしい感性とまっすぐな素顔に迫る

柚木麻子の小説が原作となった映画『終点のあの子』が来年1月に公開となる。メインキャラクターを務めるのは、次世代を担うライジングスターたち4人。個性豊かな彼女たちの、みずみずしい感性とまっすぐな素顔に迫る

【當真あみ×中島セナ×平澤宏々路×南琴奈の画像_1

(AMI)ブルゾン¥1,100,000・ニット¥327,800・スカート¥277,200(参考価格)/ルイ・ヴィトン クライアントサービス(ルイ・ヴィトン)

【當真あみ×中島セナ×平澤宏々路×南琴奈の画像_2

(KOTONA)ファーコート¥1,056,000・ボーダーニット¥170,500・デニムパンツ¥176,000(すべて予定価格)/セリーヌ ジャパン(セリーヌ) (KOKORO)ドレス¥588,500/フェンディ ジャパン(フェンディ) (SENA)ミニドレス¥895,400・レースタイツ(参考商品)/ヴァレンティノ インフォメーションデスク(ヴァレンティノ)

中島セナ

中島セナ

ドレス¥715,000・ロングブーツ¥305,800/フェンディ ジャパン(フェンディ)

2006年、東京都生まれ。2017年デビュー。ポカリスエットやKANEBO「I HOPE.」のCMでも話題に。主演作に「Disney+(ディズニープラス)」日本発オリジナルシリーズ「ワンダーハッチ-空飛ぶ竜の島-」、映画『あこがれの色彩』など。

Q 大切にしている言葉は?

あまり言葉で決め切ることはしたくないほうなんですけど、もし挙げるとしたら、「飄々」かなと。確固たる軸と受け流す力というのは両立すると思っていますし、これまで自分が積み重ねてきた経験や、歩いてきた道を表すうえで、しっくりくる言葉のひとつかなとは思っています。

Q 最近気づいた自分の意外な一面は?

これまで家庭科の授業以外で料理をまったくしてこなかったんですが、レシピを見ながらハンバーグやアスパラの肉巻きを作ってみたら、案外おいしくできました(笑)。自分のペースで作れたからだと思いますけど……。

Q どういう大人になりたい?

常に自問自答し続けられる人になっていきたいです。そのつど、状況も感じることも違うと思うので、特に決めていかずに、自分が今やりたいと思ったことやそのときの最善の選択が取れればいいかなと感じています。そのためにも、自分の外にあるものから影響を受けて密度を高めたいと思いますし、同時に常に身軽でもありたいです。

當真あみ

當真あみ

ミニドレス¥814,000/ルイ・ヴィトン クライアントサービス(ルイ・ヴィトン)

2006年、沖縄県生まれ。ドラマ「妻、小学生になる。」で初出演。「どうする家康」「ちはやふる―めぐり―」など出演多数。近作に映画『おいしくて泣くとき』(’25)、『ストロベリームーン 余命半年の恋』(’25)など。

Q 学生の頃の印象的な記憶は?

中学2年生のときに事務所の方に声をかけていただいた、あの出会いは奇跡的だなと今も実感しています。知らなかった世界を学ぶことは驚きと楽しさの連続で、すごく成長させてもらえるし、活動的な自分に変わったと感じています。

Q 大切にしている言葉は?

声優に初挑戦した映画『かがみの孤城』のプロデューサーの方に「作品は撮り終わって完成ではなく、観てもらってやっと完成する」と教わりました。その言葉のおかげで、自分に意識を向けるだけでなく、どういう意味を持って作り、誰に届けたいのかが大切だなと思うようになりました。私は、自分の作品が誰かの何かのきっかけになったらいいなという気持ちで参加しています。

Q 最近気づいた自分の意外な一面は?

自分が収集好きだということに気づきました。ガチャガチャをよくやるんです。出てきたフィギュアをテレビ台や本棚に飾っていたら、どんどん増えて、気づけばすごい数になっていました(笑)。一個 300円くらいなので、ついついやってしまうんですよね。デニムやスニーカーも好きで、気になるものを集めています。

平澤宏々路、南琴奈

平澤宏々路、南琴奈

(左)ボウタイつきドレス¥1,265,000・ベルト¥363,000/グッチ クライアントサービス(グッチ)(右)ニットドレス¥781,000(予定価格)/プラダ クライアントサービス(プラダ) 

平澤宏々路

(左)2007年、東京都生まれ。2009年に芸能界入りし、スタジオジブリ作品『アーヤと魔女』(’20)では主人公アーヤを演じる。近作にドラマ「高杉さん家のおべんとう」「DOPE 麻薬取締部特捜課」、映画『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』(’24)など。

Q 最近気づいた自分の意外な一面は?

以前は、自分は負けず嫌いで一人の時間を大切にしたいタイプだと思っていました。でも、最近は学校の友達や家族に、そばにいてほしいとか、一緒にいたいという気持ちが強くなりました。人と一緒にいることが本当に好きで、意外と寂しがりで甘えん坊な一面があることに気づいたんです。今、高校3年生なので、もうちょっと学校のみんなと一緒にいたい、という思いも大きいのかもしれません。

Q 最近、驚いたことは?

この夏は特に、戦争について触れることを意識していました。毎年、夏はそういう作品も増えますし、自分から触れていかないとわからない部分が多いと思っていたので。実際に資料館に行ったら、教科書などの情報とはまったく違う、一人ひとりの写真、日記、お話があって、その方々も私と同じように生きていたんだと実感しました。少しでも多くの人にそういった機会があればいいなと思います。

Q 今一番自分を突き動かすものは?

この業界で、今の事務所の一員としてこのお仕事ができていることが一番のモチベーションになっています。たとえ大きな負担を背負うとしても、この身体、感情をどう使えるかを考えて、自分のできることは全部やりたいと常に思っています。演技の楽しさは、新しい自分の感情を知ることができるところ。これまで見たことのない自分の姿を知るために、お芝居をしているなと感じます。

南琴奈

(右)2006年、埼玉県生まれ。Mr. ChildrenやOfficial髭男dismをはじめとするMVに出演し、注目を集める。ドラマ「舞妓さんちのまかないさん」「僕達はまだその星の校則を知らない」などに出演。近作に映画『ミーツ・ザ・ワールド』。

Q ティーンエイジはどんな時代?

自己形成がすごく盛んで、感情の起伏も含めて激しい時代だったなと。14歳から仕事を始めたので、そのタイミングで関わる人の人数も増えて、大人の社会に触れました。少し何かを言われただけで、振り返れば気にしなくてもいいようなことを気にしてしまったり、逆に、根拠のない自信が湧いてくる時期でもあったり。すごく矛盾している時期だなと思います(笑)。

Q 大切にしている言葉は?

人によって解釈が変わりそうではありますけど、「いつか過ぎ去る」という言葉が強いなと感じています。私は仕事や人間関係で嫌なことがあると一日中そのことについて考え込んでしまうタイプなので、そういう自分を受け入れて、飽きるまで考えればいいと思えるようになりました。逆にいえば、いつか過ぎ去ってしまうからこそ、今をすごく大事にしよう、と前向きに捉えられる言葉だなと。

Q 今一番自分を突き動かすものは?

将来の自分です。この先どうなるかはわからないけれど、常に将来の自分のためにと考えることで、自分を鼓舞しています。純粋に演技がすごく楽しいので、続けられたらいいなとは思いつつ。具体的な目標があるわけではないですが、子どもを守れるような、子どもが未来への希望を持てるような大人になりたい。将来の自分にすごく期待しているから、子どもたちにもそう思ってもらいたいです。

希代子、朱里、奈津子、恭子。4人の"あの子"が深めた、彼女たちの関係

【當真あみ×中島セナ×平澤宏々路×南琴奈の画像_6

〈右から〉(KOTONA)ホルターネックトップ¥176,000・ウールスカート¥445,500(ともに予定価格)・パンプス(参考商品)/プラダ クライアントサービス(プラダ) (AMI)ブルゾン¥814,000・ドレス¥484,000・中に着たニット¥269,500・アンダーウェア¥152,900・ロングブーツ¥341,000(すべて予定価格)/ミュウミュウ クライアントサービス(ミュウミュウ) (SENA)フリンジトップ¥767,800・フリンジミニスカート¥489,500・ミュール¥170,500/ジルサンダージャパン(ジル サンダー) (KOKORO)ベスト¥495,000・スカート¥555,500・パンプス¥167,200/グッチ クライアントサービス(グッチ)

──『終点のあの子』という作品と、ご自身の演じた役に出会ったときの印象は?

當真 私が演じた希代子の行動すべてを経験したわけではないですが、気持ちの変化や誰かに対する憧れは、誰もが経験したことのあるものだと思うんです。その感情がリアルに書かれていて、痛いところをつかれている気分で、少し読むのをためらってしまう。そんな面白い感覚になる原作、台本でした。

中島 朱里の絵を描くのが好きなところとか、縛られることを嫌う自由な点は自分にもリンクするなと共感しました。でも、かけ離れてる部分もあったりして、そこが台本を読んでいて面白かったです。

平澤 私はオーディションからの参加だったので、家で台本を読んで泣くというのを初めて経験して。森(奈津子)ちゃんの言葉ひとつひとつにすごく感情を持っていかれてしまい、この役に寄り添えるのは私しかいないかもと思うくらい、不思議な出会いでした。

 監督が面談で私に対して恭子として接してくださって、私も自分に近いのは恭子だなと思っていました。彼女は器用に見えて、実は一番不器用なんじゃないかなって。葛藤を隠すために見栄を張って立ち回っている姿を想像すると切なくて、愛着が持てたキャラクターでした。撮影前に文化祭で披露するダンスの練習をしていたんですが、一人ひとりの役に染みついているものがそのまま出ていて、自然とリアルな空気感が漂っていました。

──自分以外のキャラクターをどう見ていましたか?

平澤 琴奈ちゃんは顔合わせのときから、恭子さんすぎました! 女の子たちがついていきたくなる強さもありつつ、どこか孤高な姿がすごくかっこよくて。

當真 私は原作の朱里をセナちゃんに重ねて読んでいて。いるだけで視線を集めてしまう雰囲気が一緒だなと。そうしたら、実際にセナちゃんが朱里役になって、希代子の朱里への憧れと、私がセナちゃんに抱く憧れがすごくリンクして演じやすかったです。

中島 あみちゃんは爽やかな印象があったので、影のある役のイメージがなくて。でもスクリーンで観たときに、役を完全に自分のものにしているなと。穏やかだけれど、しっかり安定した土台があって、すごくバランス感覚がいいんだろうなと感じました。

平澤 確かにあみちゃんが凛とした表情で現場に立っているのを見ると、この人は本当に中心にいるべき人だと思わされる。ずっと見入ってしまいました。

南 強さもありながら気配りのできる視野の広さもあるし、作品への熱量も違うし、あみちゃんの頭の中はどうなってるんだろう?と気になっていました。

當真 基本、空っぽです(笑)。ぼーっとしてるだけ。
宏々路ちゃんは、森ちゃんの芯の強さとリンクするとても強い人だなと。一番年下なのに、現場で誰よりしっかりしていて、かっこいいなって思ってました。

 宏々路ちゃんが一番お姉さんだったよね(笑)。みんなが遊び始めて収拾がつかなくなると「やるよ!」と引っ張ってくれて。あと、ちょっと恥ずかしいんですけど、私、セナちゃんともっと話してみたいなと思っていて。同じシーンがある日に、日傘を持ってないフリをしてわざと日傘に入れてもらって、そのあと一緒にお弁当を食べました(笑)。

中島 琴奈ちゃんは自分の周りにはいない明るくてまぶしい人で、私も話がしたかったんですが、あとから日傘の件を聞いてめっちゃ面白い人だなと思った(笑)。

當真 琴奈ちゃん、しっかり計画立ててたなんて、めちゃくちゃかわいい! 意外な一面を今知りました。

──演技を通じて表現したいことはありますか?

當真 個人的になんですけど、最近、登場人物の個性を肯定的に描く作品が多いと感じていて。そういった作品での演技を通じて、周囲に理解をされづらいと感じている方に寄り添いたいと思っています。

中島 あみちゃんの人に寄り添うという言葉を受けて、寄り添えなかった場合を考えました。寄り添えないものに遭遇したとき、自分はどう存在するべきか。そこも考えて表現できるようになっていけたらいいなと。

平澤 役ごとに、どの現場でも必ずこういう人に届いてほしいという思いがあります。見てくださった方が変化するきっかけになりたいと思っていますね。

 私は見てくださっている方に言葉を届けるところまで想像できているかというと、まだそこまでは行けていないのかなと。言葉で伝えることが得意ではないので。でも、役を通して、言いたいことを伝えられるような俳優になれたらいいなと今思いました。

──この作品で新たに学んだことは?

當真 今回は、吉田監督が何度もお芝居をさせてくれる方だったので、1シーンに対していろんなパターンでお芝居を作っていけたのは勉強になりました。

平澤 森ちゃんはコンプレックスがある役柄だけれど、後半、人の目を気にしなくなって、その分周りの人のことが客観的に見えるようになる。それが私にも反映されて、自分のことより人の気持ちへ意識が向くようになりました。

 繊細になったというか、以前は気にしていなかった誰かの言葉や自分の発言をちゃんと振り返るようになりました。成長できているのかなと思っています。

中島 改めて俯瞰することの大切さと、協調性のなさを感じました(笑)。

『終点のあの子』

小説家・柚木麻子の同名連作短編集を、吉田浩太監督が映画化。私立女子高校入学式の日、中等部から進学した希代子と奈津子は、外部生として入学してきた朱里に声をかけられる。やがて希代子は自由奔放で大人びた朱里に惹かれていく。2026年1月23日全国公開。

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