グループ撮影が終わると腕相撲を始めたメンバーたち。"肩幅モンスター"ウォンビンに挑むマンネ(最年少)のアントンを兄たちが見守る。西日を背に、笑いの絶えないひととき
カメラがとらえた6人のファッション・ラバーズ
「『SPUR』の撮影は初めて。しかもカバー・モデルを務めるなんて光栄です! 僕はファッション撮影が好きなんですが、偶然にも、メンズのショーを観て気に入っていたルックを着ることができて、本当にうれしかった。どれも美しい服ばかりで、演出もよかったし、リラックスした雰囲気でいい写真が撮れたと思います」
グループを代表して、そう感想を聞かせてくれたのは最年少のアントンだが、初の単独ツアー『2025 RIIZE CONCERT TOUR [RIIZING LOUD]』の最中に、長丁場の撮影に時間を割いてくれたRIIZE。スタジオでの1日を楽しんでいた彼らに、まずはどんな気持ちで撮影に臨んだのか問いかけてみた。
「表現力が無限大で自分の個性を表せるのがファッションの魅力だと思っていて、ひとつのタイプに縛られないようにしています。こういう撮影でも毎回服が違うから、雑誌に合う雰囲気で写真を撮りたい。そのために気持ちを高め、全身を使って自分を表現することを心がけました」(ショウタロウ)
「そうですね。僕は、コンセプトに合わせて演技をするかのようにして撮影に臨むんです。普段はなかなかこんなに華やかな服は着ないから、カッコいいなと思いますし、ファッションの面白さを感じます」(ウォンビン)
「僕も今日みたいな服をまとうのは初めて。モードなものを着ると服の世界にのめり込むことができて、自分のキャラクターが変わるんですよね。そこが興味深かったし、僕は同じポーズになりがちなので、常に変えようと意識して撮影に臨みました」(ソヒ)
「今日はどの衣装も可愛かったけど、特に白いシャツと黒いパンツを組み合わせて、首にスカーフを巻くコーディネートが本当に新鮮で、一番気に入っています」(ソンチャン)
「ファッションって、初めての組み合わせを試したときに生まれる調和というのが、すごく面白いなと思う。普段の自分なら絶対にやらない組み合わせなのに、〝こうすると意外にうまくバランスが取れるんだな〟と納得できることがあるんですよね」(ウンソク)
そんなふうにファッションへのこだわりを語る彼らがデビューしたのは約2年前のこと。以来インパクトあるシングルを続々発表し、世界中に熱狂的ファン=BRIIZEを獲得。〝エモーショナルポップ〟をうたう曲のクオリティはもちろんのこと、メンバーのオールラウンドなパフォーマンス力を武器に、K-POP第5世代を牽引するグループと目されるまでに成長を遂げている。
待望のフルアルバムで冒険旅行の第一歩を描く
さる5月には、待望の1stフルアルバム『ODYSSEY』をリリース。このカムバックに向けて準備に費やした半年以上の時間は、彼らにとって殊に重要なステップアップの時間になった。
「多くを学び、感じ、成長するチャンスを与えられたと思っています。この間にメンバー各自が向上するプロセスを経ていて、僕たちが必要としていた時間だともいえますね」(アントン)
「この時間は、表現力を磨くだけでなく、自分自身を客観的に見つめ直す時間にもなりました」(ショウタロウ)
「今まではカムバック期間が短かったこともあったけど、『ODYSSEY』に関してはすごく充実した準備期間を過ごしました。ただ、少し気が緩むこともあったので、そういうときはやっぱりBRIIZEのエネルギーが必要だなと再確認できましたね」(ウォンビン)
実際、時間をかけて完成させたアルバムの仕上がりは文句なし。さまざまな時代の音楽にインスパイアされた、どことなくノスタルジックなRIIZEならではのポップソングの数々で、〝長い冒険旅行〟を意味するタイトル通り、希望と不安を抱えて旅の第一歩を踏み出した自分たちの姿を、リアルに描く。
「このアルバムには僕たちの考え方や意見を反映した曲がたくさん収められています。だから実際に歌いながら、そういった考えを噛みしめることができて、パフォーマーとしてもグッとくる曲が多いんですよね」(ウンソク)
「ウンソクさんが言うようにここには僕たちの物語がうまく表現されていて、ライブではそれをいっそう実感できる。今後自分をどう曲に投影すればいいのか、考えさせてくれました」(ソヒ)
「『ODYSSEY』を発表したことで曲数も増え、今回のツアーではこれまで以上に集中度が高くて、のめり込めるパフォーマンスが可能になりました。ステージでより多くのエネルギーを使っているように感じます」(ウォンビン)
そのツアーは7月初めにソウルでスタート。日本ではさいたまスーパーアリーナでの2公演を売り切って5万4000人を動員するなど、大盛況の中で日本ツアーは完走。ステージに立ちながら、いろんな気づきがあったという。
「オーディエンスのエネルギー値を引き上げるのが本当に大事だということを学びました。観る側のエネルギー値が上がれば僕たちにそのエネルギーが伝わって、力になるんです」(ソヒ)
「僕も、観客と一緒に楽しむこと、そして観客が楽しめるようにすることの重要さを実感しています。そのためにはどうすればいいのか、もっと工夫を重ねていきたいですね」(ウンソク)
物語の続きを綴るために新しい目標を掲げる
またステージで歌っていて特に心に響く曲はどれかと尋ねると、ショウタロウとウォンビンは「The End of the Day」、ソンチャンとアントンは「Another Life」、ソヒとウンソクは「Odyssey」、3つに意見が分かれた。
「『The End of the Day』の僕のパートで、〝昼も夜もあなたでいっぱいなんだ〟という意味が込められた箇所があるんです。ライブではリフトに乗って歌うんですが、ペンライトの光と僕たちを見つめるBRIIZEのキラキラした瞳を上から見ることができて、歌詞にぴったりなんですよね」(ショウタロウ)
「『Another Life』の歌詞は僕が練習生時代に抱いた感情から、現在考えていることまで、あらゆる面で一致する部分が多いんです」(ソンチャン)
「ほんと、メンバーの想いを一番うまく表現できていると思うし、コンサートでは最後に披露する曲なので気持ちを集中させて歌っています」(アントン)
「Another Life」は同時に、アルバムのラストを飾って、未来に向けたRIIZEの意欲を伝える曲でもある。来年2月には3夜にわたる東京ドーム公演も決定。K―POPの男性グループとしてデビューから最速のドーム公演とあって、話題には事欠かない彼ら。それぞれに新たな目標が見えているようだ。
「〝RISE(成長する)〟と〝REALIZE(実現する)〟を組み合わせたグループ名のように、常に上を目指すのが僕たちの魅力。個人的には、アーティストとしての自分のカラーをもっと表現したいと思っています」(ショウタロウ)
「せっかちな僕はすぐ次を考えてしまうんですが、アルバムを作ってみてこだわりたい部分もわかったので、そこから得た学びをもとに、さらにいい曲を届けたいですね」(アントン)
「今回のツアーでは、会場が大きくなるにつれてペンライトのオレンジ色が広がるのを見て、大きな幸福感を覚えました。もっとオレンジの色の広がりを見るのが次の目標です」(ウォンビン)
「そして、日本のBRIIZEとスムースにコミュニケーションを取るために、日本語ももっと勉強しないと!」(ソヒ)
「日本での活動については、語学力に加えて、頻繁に来ていろんなコンテンツを日本のBRIIZEにプレゼントするのも重要だと思っています」(ウンソク)
「僕たちが一気に飛躍的に成長するとは考えていないけど、みんな向上心が高くて、グループへの思い入れも深い。だからさまざまな経験を積み、試行錯誤を重ね、多くの人をインスパイアしたり、幸せを届けるといった活動を続けることで、さらに愛されるグループになれると思っています」(ソンチャン)