【向井康二】と【March(マーチ)】、交差する才能。ドラマ「Dating Game~口説いてもいいですか、ボス!?~」の舞台裏を語る!

タイドラマ史上初めて日本人が主演、さらに全編現地で撮影されたことで話題の「Dating Game~口説いてもいいですか、ボス⁉~」。W主演を務める向井康二とMarch、世界に羽ばたく表現者たちはバンコクの空の下で何を想うのか。二人の絆、異文化交流で得た経験を語る

タイドラマ史上初めて日本人が主演、さらに全編現地で撮影されたことで話題の「Dating Game~口説いてもいいですか、ボス⁉~」。W主演を務める向井康二とMarch、世界に羽ばたく表現者たちはバンコクの空の下で何を想うのか。二人の絆、異文化交流で得た経験を語る

向井康二 タイ SPUR
SPUR10月号 向井康二とMarch

【向井】ニット¥231,000・中に着たシャツ¥159,500・パンツ¥272,800/ジルサンダージャパン(ジル サンダー) ネックレス/スタイリスト私物 【March】シャツ¥291,500・パンツ¥283,800/ジルサンダージャパン(ジル サンダー) ピアス/本人私物

「ここは、バンコクの街を一望できるホテルのルーフトップバー。ロケーションに似合う都会的なウェアを着て、かっこいい撮影ができたと思います」(March)。ジル サンダーのプレフォールコレクションから、二人でトーンを合わせたシックなスタイリング。向井さんは花柄が目を引くアルパカウールのニットを主役に。メタルのベルトホールにパンクの精神を感じるパンツを合わせ、緩急をつけた着こなしに。Marchさんは、ジップアップシャツをハイウエストパンツにインすることでモダンなバランスでまとう。

向井康二とMarch(マーチ)の対談をお届け!

最初のシーンを撮り終えると二人の距離が縮まっていた

――二人で主演を務めることが決まったとき、お互いの印象はいかがでしたか?

March タイ国内での仕事では共演相手がどういう人かわかっていることがほとんど。でも康二くんのことはまったく知らなかったので、彼について勉強したり自分なりの準備を進めたりして、普段よりもドキドキしました。

向井 海外でのドラマ出演、さらに相手役もはじめましての方だったので、不安でしたね。僕も事前にどういう人かネットやSNSで調べました。画像からすでに、いい人そうなオーラが漂っていましたが、実際に会ってみたら想像以上に表裏がなくて愛にあふれている人! 一緒にお芝居をしていくにつれて「この人でよかった」という気持ちが増していきました。

――ギャップを感じたことは?

March 画面で見ていた康二くんは超有名なアイドル、大スターのイメージでしたが、実際に会ってみたら誰とでもすぐ仲良くなる、親しみやすいキャラクターでした。僕だけじゃなくてスタッフも同じように言っていて、康二くんのみんなに対する姿勢や態度に感動していました。とにかく「No」と言わない。スタッフが用意してくれたお弁当も「大丈夫、食べられます!」って。

向井 まぁ辛すぎると無理だけどね(笑)。

March そうだね(笑)。でも辛い物もまずは食べてみる。「No」とは言わない。

向井 人からの好意は、受け止めたいんで。すすめられた料理も、まずはチャレンジします。僕がMarchくんに感じたのは、いい意味でのギャップ。タイでは知らない人がいないぐらい、有名な俳優なんですよ。だから天狗になってもいいくらいだけど、すごく腰が低い。そしてお芝居に対しての情熱がすごい。常に一生懸命で愛を持って取り組んでいるので、それが長く活躍し続けている理由なんだろうなと思いました。

――劇中では向井さんが上司でMarchさんは部下ですが、実際の関係性は?

March もはや二人でひとつと言えるかもしれません。撮影中はもちろん、その後のプロモーションでもそう。どちらが欠けても成立しないパートナーでした。

向井 そうですね。僕がボスの役だけど、 Marchくんが現場を回していたし、言葉の面も含めて僕のお世話をしてくれました。でもそれに甘えすぎずに、自分でやれることはやるようにしました。

――初共演で深い関係を演じるにあたり、事前に相談したことはあるんですか?

March 確かに難しいところもありました。意図的だったかどうかはわかりませんが、撮影初日からいきなり距離を詰める必要があるシーンだったんです。でも最初にそれを乗り越えて、急激に心の距離も近くなった気がします。

向井 そうそう。クランクインしてすぐなのに。スタッフさんの作戦だったとも思えますが、単純にセットの関係だった気もする(笑)。でもそこでMarchくんのお芝居を感じ取れたからよかったです。

March だから話し合いがあった訳ではないけれど、関係性の深まるシーンを最初に撮ったことで、お互いのことを深く理解できたような気がします。

向井 まだそのシーンを見ていないけれど、僕はめっちゃ表情が硬いと思う。

March そうかな? 僕は康二くんの演技力がすごい! これは絶対いける、と確信した瞬間でした。

温かな現場で自然と流れた〝本物の涙〟

――向井さんは今回の役柄にどういった心持ちで臨みましたか?

向井 最近はクールな役が多いんですけど、ここまでドキドキするシーンがあるのは初めてかもしれません。あとは、タイ語の発音が難しい分、声や表情でカバーできるようにしました。「誰が言ってんねん」って感じですけど(笑)。僕の場合、こうして海外で挑戦することはグループにとってのメリットにもなると信じています。

March タイと日本、撮影現場にも違いはあった?

向井 タイでの撮影は、想像以上にスピード感がありました。撮影に入る前に、成功を祈願するために行う伝統的な祈祷式も印象的でしたね。

March 康二くんは日本の仕事もあるから、大変だったと思います。撮影中は一緒に食事にも行けなかったよね。

向井 この前、ようやく初めて演者さんたちで食事に行けました。すごく楽しかった。僕のほうがお酒に強いことが発覚して!

March そうそう、お酒が入ったら康二くんのタイ語が饒舌で! でも翌朝話したら元に戻っていた(笑)。今度来たら、いろんな場所を案内したいです。

――6月のファンイベントで初めてトレーラーを見たそうですね。

向井 Marchくんが泣いちゃったときね!

March なぜか康二くんに肩を触れられたら涙を我慢できなくなり……。

向井 普段なら僕も泣いてしまうけど、ここは自分が支えようと思って堪えました。

March いい涙でしたけどね。10年以上演技の仕事をしていますが、感動して泣いた記憶はあまりない。大学入試に合格したとき以来かも(笑)。和やかな雰囲気や周りの人たちの温かさに触れて自然と出てきたので、本物の涙でしょう。

――最後に、ドラマを通してお二人が一番伝えたいメッセージは?

March 言葉や国籍、立場も文化も違う人同士でも、ふとしたきっかけで恋に落ちる。人が生み出す“偶然性”を目のあたりにしていただきたいです。

向井 Marchくん、いいこと言いますね。この作品は、いろいろな愛の形があっていい、と肯定しています。視聴者の方が恋愛中だったら、その背中を押せるはず。もちろん恋愛に限らず、何かにチャレンジする人も応援できると思います。だってMarchくんも僕もこのドラマを通してたくさんの挑戦をしたから!

Koji Mukaiプロフィール画像
Koji Mukai

むかい こうじ●1994年タイ生まれ、奈良県出身。アイドルグループSnow Manのメンバー。音楽活動にとどまらず、タレントや俳優、フォトグラファーなど多彩な才能で活躍の場を広げている。

Marchプロフィール画像
March

マーチ=チュターウット・パッタラガムポン●1993年、タイ・バンコク出身。映画『Home: Love, Happiness, Memories』(’12)で映画デビュー。数々の話題ドラマに出演し、多数の企業モデルも務める。

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