“May the 4th be with you.”のクリシェのとおり、2014年5月4日に発売されたVANS STAR WARS コレクション。人気キャラをアッパーに大きく描いたものから、バンダナ風やアメコミ調、アロハ柄にアレンジしたものまであったコラボですが、なかでも一番クールだったのが、この「A New Hope」ポスター柄スリッポン。履いているとたびたびイジられ、わりと本気で「譲ってほしい」と詰め寄られたことさえあった最強のカンバセーションピースです。
スター・ウォーズの熱狂的ファンというわけでもありませんが、世代的に旧三部作の衝撃は相当なものでした。エピソード4~6の初見は、どれもテレビの洋画劇場。1983年、エピソード6にあたる『ジェダイの復讐』劇場公開時は小学生でした。今でこそ邦題が『ジェダイの帰還』に改められましたが、自分にとってこの映画は「帰還」ではなく、いつまでたっても「復讐」です。小学生の自分は、このSW完結編の劇場公開を心待ちにしていたのですが、気持ちが前のめりすぎるあまり、公開日直前に発売された角川文庫のノベライズ小説をすぐに買い、一気に読み切ってしまいました。でも小遣いが潤沢にあるわけもない。その文庫本代やなんだかんだで実際に映画を観るお金は残っていませんでした。物語の結末を読んで中途半端に知ってしまったせいもあり、結局ロードショーには行けずじまいに……
……という思い出話をしていたのでした。遠い昔遥か彼方の銀河系で~、ではなく、つい先日に北品川のお好み焼き屋で。そのとき振り回していたのはライトセーバーではなく、鉄板用のヘラでしたが。そのお好み焼き屋で高校の同級生と飲みながら『ジェダイの復讐』を観なかった顛末を告白したらば、その友達が一言、「実は俺もそうだった」と。彼も、住んでた町から映画館は遠いし、小遣いもそれほど豊かでないという、奇しくも似たような状況で「小説を読んで映画は諦めた」と。小さい頃は自分の背丈では手が届かないものがたくさんあって、それをどうにかして補うために本があったような気もします。
さて、続いて友人と一緒に豚玉をつつきながら、小説版『ジェダイの復讐』の記憶を掘り返していたんですが、驚くべきことに、お互いその本の中でもっとも印象的だった部分までが完全に同じでした。それは小説本文ではなく、訳者の野田昌宏氏による「あとがき」。その冒頭にある、
という一節。田舎の子どもだった自分と友人は、このあとがきを読み「スター・ウォーズは終わらない! いつか新しい映画が来る!」と勝手に胸を熱くしていたのでした。
エピソード7『フォースの覚醒』まで、あと一ヶ月ですね。スター・ウォーズの公開が近づくたび、あの日の「復讐」を誓うのです。ちなみにSPUR12月号ではスター・ウォーズにオマージュを捧げたネイルの特集を組んでいます。旧三部作への愛を感じる写真が並ぶ、すごく気に入っているページです。