PRADAのシャツと「逃げ恥」

 一日の80%は「逃げ恥」について考えている。残り20%はガッキーのことを考えているから、ほぼ「逃げ恥」だけで毎日が過ぎて行く。ムズムズしながらも胸キュンする“ムズキュン”で注目される火曜22時のドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』にすっかりハマってしまった。

 今週の火曜はブランドの豪華なパーティで気持ちよくディナーを楽しんだ後、編集部に戻り、目から血の涙を流しつつ大量の原稿を読んだ。日付も変わり、憔悴して帰宅。だが、すぐに酒をチビチビやりつつ「逃げ恥」の録画を見始めることに何の迷いもなかった。

 この回のラストで星野源演ずる平匡さんは、ガッキーに対して「自分はこれまでに女性経験が無い」という事実を電話で告白するのだが、なぜかそのシーンで号泣してしまった。「わかる、わかるわー」と赤ベコ並に強く首を振っていた。そんな自分に不安を覚え、童貞告白のシーンをもう一度巻き戻して観てみたが、不思議なことに二回目の方がよりいっそう心が震え、またしても滂沱の涙を流していた。
 恐ろしい。己の中にいまだこれほど強く、童貞に共感する気持ちがあったとは。もうムズキュンならぬドテキュンである。このとき、朝の4時半。

 さすがにメンタルの疲れを自覚し、手に取ったのはSPUR最新号特別付録「橘さくらの『運命日』占い」。橘先生の占いは、ちょっと褒められたかと思うと、その直後に痛いところをクリティカルに突かれる、アメとムチの緩急が絶妙で読んでいて癖になる。
 牡牛座の自分は、「多忙だが手を抜いちゃいけない」んだそうだ。さらに読み進めるうちに「重点的にデコルテをケアせよ。なぜならここは牡牛座にとって重要な部位だから」とあって、牡牛座といえばデコルテだなんて、そんなの知らなかったし、校了で読んだ際も、このデコルテ問題が強く心に残ったことを思い出した。

 「デコルテか…」。女性誌の占いが男の自分にどれだけ有効かはわからないが、とりあえずデコルテが一番良く見える服と言えば……  最近入手したプラダのオープンカラーシャツ。ブルーの線で描かれたのは、クリストフ・シュマンによる神話の神々から歴史上の人物までが入り乱れてドタバタを繰り広げるシュールな作品。開いた襟からしっかりケアしたデコルテを見せつけられるこのシャツが、牡牛座の自分にとってラッキーアイテムになるのかも。さすがにこの時期、半袖は辛いけど。

 ちなみに「運命日占い」の各星座末尾には、橘先生からそれぞれの星座に向けたメッセージが載ってますが、牡牛座へは「夜更かしと夜食をやめることです」とのアドバイスが。今はむしろ「逃げ恥・夜更かし・夜食」の生活しかしていない。デコルテより何より、それが一番の問題だ!

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takayuki yamasaki

服は迷ったら買う派。そして色違いで揃える派。車はFR派。ジョジョは四部派。夜は糖質オフでハイボール派。圧倒的イヌ派。

 

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