FASHION FEATURE

2016.10.02

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表参道駅に降り立ち、A4出口から外へ。その先にはモード通になじみ深いショップの数々が立ち並ぶ。表通りのブティックをチェックしつつ、お気に入りの店は実は一本入った裏にある、という人も多いのでは? 今、再び盛り上がっている裏青山の個性的なショップの魅力と、ここで買い物したくなる理由を、仕掛け人への徹底取材から読み解いていきたい

モード激戦区でしのぎを削る個性豊かなショップが集まっている ――榎本実穂さん(「ELIN」ディレクター)

セレクトショップのバイヤーを経て、自身のブランド「ELIN」を立ち上げた榎本実穂さん。その活動の拠点であり昔からよく知るこのエリアについてこう分析する。「ファッション感度が高く、成熟した女性が多い街。情報はいち早く入手しているし、すでに似合う服をわかっている。自分で取捨選択できる人が多いですよね」
一本裏に入ったショップが心地よいと感じるのは榎本さんも一緒だ。「裏通りの店には、『発見した』と思わせる特別感があり、モードラバーの心をくすぐります。人通りがほどよく少ないので、ゆっくり買い物できる環境もうれしい。表にハイブランドの旗艦店が並んでいるため、裏通りのショップはそれとは異なる強い個性を求められています。だから、ユニークなセレクトが光るショップが多いんですね。さらに、食や美容も扱うライフスタイルショップも増えてきました。それらのショップを渡り歩いて欲しいものに出合うという、回遊性がこの地の魅力だと思います」

“一本入った裏通りが面白い”という価値観が再評価されてきている ――長谷川真美子さん(「アデライデ」エグゼクティブ ディレクター)

青山の裏通りに位置するセレクトショップ「アデライデ」は今年で25周年。ディレクターの長谷川真美子さんがこの場所を選んだのには理由があるという。「アデライデを10周年で移転した頃は、2003年にバレンシアガが旗艦店をNYのチェルシーの裏通りに出店していて、隠れたショップが粋とされていた時代。わざわざ探りあてる感覚が大事にされていたんです。それに感化されて青山の表通りから一本入った場所を選びました。その後10年間ほど、ファッション業界には商業的なムードが広がり、ファストファッションの台頭や大量生産が当たり前になりました」
しかし長谷川さんが見つめてきたこのエリアでは、再び2000年代のようなニッチなものを探りあてる価値観が見直されてきている。「ファッションでもデフレが起こっているといわれてきましたが、アデライデではヴェトモンの9万円のパーカが順調に売れる。本当に服が好きな人たちがセンスをシェアする場が育っているのです」

photography:Manami Takahashi ,kimyongduck edit:Michino Ogura

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