2016.10.02

H BEAUTY&YOUTH/巧みな動線で見せる、進化系カジュアルの館

物欲を刺激する動線をリアルな目線で仕掛ける

今年4月にオープンした「エイチ ビューティ&ユース」は裏青山のニューアドレス。ファッション業界内で、「今すぐ着たいものが見つかる店」と評判だ。ウィメンズファッション・ディレクターでありVMDも監修する深沼薫さんに、その〝思わず買い物したくなる〟仕掛けについて聞いてみた。

「ここは本来であれば6店舗ほど入る広さ。それをコの字型につなげて、地上2階、地下1階でゆったりと構成しています。大きな軸は〝ジェンダー・フリー〟。メンズとウィメンズアイテムに明確な区切りがなく、ガラスや什器で仕切っただけ。美術館のように小部屋がたくさんあり、それぞれを自由に行き来できます。ブランドは男女ともに展開のあるルメールやアンユーズドなど、都会的でシックなカジュアルスタイルをイメージして選びました。今の時代、いいなと思って手に取るのは、男女どちらの服でも構わないという感覚がリアル。セレクトしている私たち自身の、等身大の『欲しい』を重視しています。また、各部屋単位で時期によって構成が変わるので、いつ来ても飽きさせません」

ショップの肝となるのは2階の渡り廊下にあるスニーカーブース。
「ビューティ&ユースの基本であるカジュアルとジェンダーレスを象徴するスペースがここです。ナイキやアディダス、リーボックなど、メンズとウィメンズで同じデザインのスニーカーをサイズ違いでセレクトしました」

地下1階にあるヴィンテージコーナーは国内のディーラーとタッグを組み、アメリカの古着を中心に買いつけ。
「私たちは90年代のミックススタイルを見て育っているので、カジュアルな中にハイブランドを合わせたり、そこにヴィンテージを入れたりと、自由な価値観を知っています。表通りはラグジュアリーブランドが多いので、ここはよいコントラストになるのかな」

深沼 薫さん
「ビューティ&ユース」ウィメンズファッション・ディレクター兼バイヤー。店舗の動線などを提案するVMDも監修。

SHOP DATA
エイチ ビューティ&ユース
●東京都港区南青山3の14の17
電話:03-6438-5230 
営:11時〜20時(PIZZA SLICE 11時30分〜23時) 不定休

SPUR2016年10月号掲載
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