田中シェンさん モデル/俳優/イラストレーター
可愛らしいミニバッグは、あえてテイストをずらしてスタイリング
「今日の服装は、ちょっとミステリアスな占い師を意識してみました(笑)。私にとってケイト・スペード ニューヨークは、『育ちがよくて品のいいお嬢さま』というイメージ。このミニバッグはとても可愛らしい雰囲気なので、あえて服のテイストをずらしてみたらどうなるかな?と思って」
人懐っこい笑顔で、テンポよく話す田中さん。明るくハッピーな雰囲気は、カメラを向けるとぐっとスタイリッシュに変化する。絶妙なバランス感で着こなす私服スタイルでも知られる彼女は、スペード フラワー ジャカード ハート ミディアム バケット バッグもあっという間に自分の世界観に取り込んでみせた。
アメリカに引っ越して、自分らしいおしゃれの楽しさに開眼
「最近、バケット型のバッグが好きなんです! これは、キャンバスやレザーとも異なる柔らかな素材感がすごく面白い。上品なデザインのバッグですが、この素材のおかげでカジュアルスタイルにもぴったり合うんじゃないかな」
田中さんのおしゃれへの意識が花開いたのは、中学生でアメリカに移住して、私服で通学するようになったときだった。
「最初は、地元の子たちの仲間に入りたくて彼らの格好を真似していましたが、そのうち自分らしさを追求するように。そうしてファッションデザイナーを志すようになり、FIT(ニューヨーク州立ファッション工科大学)へ進学しました。FITではデザインの基礎からビジネスまでさまざまなことを学びましたが、私は服を生み出すより、着る楽しみを追求する方が好きだと気づいたんです。今は、モデルや俳優、イラストレーターなど、いろいろなことを同時にやりながら前へ進むのが性に合っていると感じています」
荷物の少なさが、心にゆとりを生む
俳優として活動するなかで演技の楽しさに開眼し、レッスンを受けているという田中さん。古典を読むようにとの指導を受け、今はドストエフスキー『地下室の手記』を読み進めている。大好きだと言うゲームキャラクターのキーホルダーも、バッグからこっそり顔をのぞかせて。
「荷物はなるべく持たないようにしています。ちょっと足りないくらいのほうが、心に余裕ができる気がして。たとえば先日はイヤホンを持たずに出かけたら、そのぶん街を行く人たちの会話が耳に入ったり、ポスターに目がいったり。そういう偶然の出合いを大切にしたいと思っています」
COLUMN
今季ケイト・スペード ニューヨークで欲しい、最新小物は?
ウィットに富んだホットドッグ型コイン パース
田中さんが選んだプラスワン小物は、ユーモラスなホットドッグ型のコイン パース。キュートで笑顔の絶えない彼女には、まさにぴったりのアイテムだ。「ケイト・スペード ニューヨークは、上品な場所にお出かけするときに着たいブランドです。でもちょっとウィットが効いているのが、すごく面白い。このコイン パースはまさに、そういうケイト・スペードらしさが存分に感じられるアイテムだと思います」
photography:Kiyono Hattori text:Chiharu Itagaki