江戸の風情を感じにジェイソン・ウーと浅草へ

Jason Wu / ジェイソン・ウー

台湾出身、パーソンズ美術大学卒業。ナルシソ・ロドリゲスのスタジオを経て、2006年に自身のブランドを設立。2018年2月までヒューゴ・ボスのアーティスティック・ディレクターを兼任。アトリエ・スワロフスキーでの発表は3シーズン目に。

浅草寺・雷門の前でポーズ

1 浅草にて、SHUNSUKEと 裏千家の茶道を体験。足が痛いと言いながらもまじめに先生の話を聞き、レッスンを受けていた
2 茶器を扱う店にて。相当お気に召したのか「同じ柄でいくつか揃えられないか」と何度も店員に相談するなど興味津々
3 仲見世通りの露店で、キツネのお面と。インスタグラムの「ブーメラン」動画も撮影
4 アトリエ・スワロフスキーのコレクションより。"Prisma"シリーズのネックレス( 2本セットで¥53,500)
取材協力:「茶道具・花器 柿沼」 東京都台東区浅草3の21の9 03-3876-3903

 ジェイソン・ウーが東京に降り立ったのは、今年の3月上旬のこと。久々の来日だという彼とともに向かったのは、浅草。日本の伝統的な建物や、生活様式に興味があるという。

 今年、デビューから11年目を数えるジェイソンは、現在自身のブランドにてプレコレクションを含む年4回のコレクション発表のスケジュールに加え、昨年は新たにフレグランスラインもローンチ。そしてアトリエ・スワロフスキーのコラボレーターとして、これまでに3つのジュエリーコレクションを披露している。

「スワロフスキーとのコラボレーションは2010年から3回発表してきた。ジュエリーはファッションというイメージを完成させるために必要不可欠なもの。なかでもスワロフスキーとのコラボレーションは、モダンかつクリエイティブ、そしてエシカルという点において、自分が理想とするビジョンを体現しているんだ」

 時に、ジェイソン・ウーというと2000年代半ば、NYを席巻した若手アジア人デザイナーのひとりという印象が強い。しかし、彼のこれまでのキャリア、そしてクリエーションを見ていると、他のNYデザイナーとはいささか立ち位置が異なることに気づく。台湾出身、幼少時をバンクーバーで過ごしたジェイソンは、その後東京、パリを経てNYへと移り住んだ。昔からファッションが大好きで、クリスチャン・ラクロワやイヴ・サンローランのオートクチュールに憧れていたという彼は、ファッションデザイナーになる前に人形の洋服をデザインし、その才能を認められている。

 デビュー当時のこと、そして同期のデザイナーたちのことを聞くと、あっさりとした口調で「昔から、クラスの中でクールなグループにはなじめない性質だったんだ。メインストリームに迎合しないのは今でも変わってない」と答える。「むしろ、自分のクリエーションに真っ向から向かえていること、そして自信を持っていられることの方が大切だって思うんだ。パリに行かないの? と聞かれることもあるけど、自分にとってNYはかけがえのないルーツ。あの場所でしか体感できないものがあるんだ。道が汚いのが玉にキズだけどね」

from SHUNSUKE

ジェイソンをひとつの単語で表すと、 フランク。気取った感じはみじんもな く、終始笑いが絶えない取材でした。

#Ask Jason

Q 自分を動物にたとえると?
A 猫

Q 今お気に入りの曲は?
A ザ・チェインスモーカーズの「You Owe Me」、リタ・オラの「Anywhere」、 ブルーノ・マーズとカーディ・Bの「Finesse」

Q NYのどんなところが好き?
A スピード感とエネルギー。言葉で表せない特別なものがある

Q 自分を3つの単語で表すと?
A Dedicated(熱心)、Caring(気遣い)、Sensitive(敏感)

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