心を動かされたファッションは、できることなら100年先にも伝えたい。モード好きが夢見る気持ちを後世につなぐのは、彼女たちを感動させた服。
プラダ 「ポロニット」
スタイリスト【飯島朋子さん】
「今シーズンのプラダは、静かにハッとさせられる、繊細さと意志の強さを感じるコレクションでした。私自身がまさにそうであるように、2020年の憧れの女性像を伝えるアイテムが、後世に伝わるアーカイブになってほしいです」
セリーヌ 「フレアデニム」
スタイリスト【丸山佑香さん】
「未来を描いた映画『her/世界でひとつの彼女』(’13)の衣装で、あえてデニムを使わないという考えに興味を持ちました。でも私は、普遍的な形のデニムが、100年後も変化しながら残っていってほしい。過去にも未来にも目を向けて、常に進化を続けているのがエディ・スリマン。セリーヌのデニムこそ、最先端だと思います」
ジル サンダー 「カラーレスコート」
スタイリスト【田畑アリサさん】
「着たときのシルエットと軽やかさが大好きなジル サンダーのコート。どのシーズンも必ず心から欲しいと思うものがあるんです。この感動は、100年たってもきっと色褪せないはず。今シーズンこそ、私も手に入れたいです」
ザ・ロウ 「ドレープドレス」
スタイリスト【佐藤里沙さん】
「一見それほどデザインされていないようで、実は究極に作り込まれているのが魅力的です。テーラリング、カッティングともに、このドレスはザ・ベスト。100年後を生きる女性たちにも、強さと自信をくれる洋服だと思います」
ノワール ケイ ニノミヤ 「ブラックコート」
スタイリスト【山本マナさん】
「オートクチュールに魅了される感覚は、100年後にも残したいです。ノワール ケイ ニノミヤのコレクションは、繊細でアヴァンギャルドで、いつもオートクチュールを目にしたときのように心を打たれます。一着に魅せられる感動を、この先もずっと伝えていきたいと思います」
ユニオンランチ 「リネンオーバーオール」
【編集T】
「100年間の経年変化の様子も楽しみなリネン生地というサステイナブルな視点がいいと思いました。素材や加工は天然成分に徹底的にこだわり、ヴィンテージリネンとして継承できるよう、手間暇かけて糸から開発されています。くたくたになるまで着て次の世代に引き継ぎたいです」
リトゥンアフターワーズ 「チェックパフスリーブドレス」
【編集K】
「昨年11月に上野で開催されたショー『AFTER ALL』は、心が震えるほど圧巻でした。特に目を引いたのがチェックのシリーズ。オーバーシルエットのドレスは体型も年齢も選ばない、民主的なところがいい。時の試練に耐え抜ける一枚です」
ボーディ 「刺しゅうシャツ」
【編集S】
「ヴィンテージ生地の再利用を『それがサステイナブルだから』という理由ではなく、デザイナーの背景から自然と導き出している無理のなさがいいなあと。末代まで大切にそのスピリットも含めて受け継ぎたいです」
アライア 「ティアードスカート」
スタイリスト【影山蓉子さん】
「いつの時代にも愛されてきたデザインは、100年後の世界でもきっと変わらず好まれるはずです。女性たちが大好きなフリフリのスカートは、永遠の逸品であり続けると思います」