Part.1 ラブコールを集める、歴史的なクリエーション

未来に思いを馳せたスタイリストやエディターから熱い視線が集中した先。それは、モードの歴史を新たに刻むものばかり。今シーズンを象徴する名作は、時がたっても2020年を印象づける。

ドリス ヴァン ノッテン「クリスチャン・ラクロワとの共作コレクション」

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ドリス・ヴァン・ノッテンと伝説のクチュリエ、クリスチャン・ラクロワがともにつくり上げた夢のようなコレクションは、ドリスの懇願によって実現した。服への情熱や美学を共有し、豊かな素材や技術、喜びにあふれた1980年~90年代のオートクチュールをプレタポルテとして表現している。色や柄、装飾、フォルムに見られる大胆さは、驚くほどロマンティック。コート¥503,000・スカート¥429,000・ドレス¥170,000/ドリス ヴァン ノッテン


スタイリスト【飯田珠緒さん】

「パリでショーを見たあと、夢見心地になりました。そして、『ファッションもまだまだ捨てたものじゃない! こんなに素敵な洋服があるじゃないか!』と奮い立たされました。ラクロワとの共作ということで、圧倒的に力強い美しさがあり、着る人にも着る者を見る人にもドスンと大きなパワーを与えてくれるコレクションでした。デザイナーたちのファッションに対する純粋な気持ちがそのまま具現化されている気がします。こんな洋服こそ、次やそのまた次の時代まで語り継がれてほしい」

ファッションディレクター【菅野麻子さん】
「世代もコンセプトも違う天才デザイナーの共演は、まさにミュージアムピース。100年後を生きている人たちに、こんな夢のようなコレクションがあったことを知ってほしい。ファッションっていいなと思った、今季のベストコレクション。流行とか、時代を反映するとか、今求められている美と異なるかもしれないけれど、それでもいいじゃないかと、クリエイティブ上の自由が生まれたというドリスの言葉には、こちらがすごく自由な気持ちになれました」

スタイリスト【早川すみれさん】
「ラクロワ、という名前を聞くだけで、ロマンティックで華やかな気持ちになれるのは、ファッションと舞台芸術で多大な功績を残したからこそ。ラクロワと同じく、ファッションという枠を超えて独特のロマンを表現し続けているドリス・ヴァン・ノッテン。ふたりのタッグは、100年後もリスペクトされ続けるはずです」

ファッションエディター【岡部駿佑さん】
「世代を超えた奇跡のマリアージュに思わず涙。100年後にオートクチュールはまだ残っているのか、と考えると暗い気持ちになるのであまり考えたくありませんが……、モードの歴史を紡ぐ中で、オートクチュールの精神は永遠に不滅だと信じています。コレクションで発表されたルックは本当にどれも素敵でした」

ヴァレンティノ 「ホワイトドレス」

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ランウェイの前半に続いた白のルック。中でもラブコールが集中したのが、このドレス。普遍的なシャツにクチュール技術を用いたプリーツを組み合わせ、日常と非日常をつなぐ。ドレス¥597,000/ヴァレンティノ インフォメーションデスク(ヴァレンティノ)


スタイリスト【竹淵智子さん】

「ピエールパオロ・ピッチョーリのヴァレンティノがここ最近ずっと素晴らしくて、魅了されています。コットンポプリンとクチュールが融合し、白シャツが特別なものに。そして、白が実はすべての色を組み合わせた色であるように、引き算は美の世界の情熱や豊かさを内包する、という彼の教えは後世にも伝えたい」

スタイリスト【山中 彩さん】
「一着にときめく高揚感は、時代が変わっても受け継がれていくはずです。ヴァレンティノのドレスには、いつも心を動かされてしまいます。私は、洋服を手に入れたあと、すぐにクローゼットにしまわずに部屋の見えるところに掛け、しばらく眺めることがあるのですが、これはそんなふうに惚れぼれと愛着を持てるものです」

シャネル 「チェーンつきポーチ」

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古くから愛され続ける、キルティング モチーフ。ジュエルボックスから着想を得たミニサイズのチェーンつきポーチが、新たにお目見えした。内側にレイアウトされたリップスティックポケットも愛らしい。ポーチ〈H8.5×W11×D7〉¥200,000/シャネル


スタイリスト【吉田佳世さん】

「シャネルのキルティング モチーフは、これまでそうだったように、これからもそれぞれの時代に応じて永遠に変化して伝えられていくと思っています。私はミニミニバッグが大好きなので、また100年後にもミニバッグブームが訪れたらいいなとも。今まで築いた普遍的な可愛さは、この先もずっと続くはず」

エディター【渡部かおりさん】
「春はあけぼの、夏は夜……枕草子を折に触れて読み返すのが好きなんです。私も夏の夜や、冬のピリッとした朝の空気が好き。時代がこんなに変わっても人間の本質や五感は変わらないんだと思うとうれしくなるし、なんて尊いんだと。だから、今も100年後もずっと人々の憧れの定番であり続けてほしいものを選びました」

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