2020.07.18

江口洋介/ロックへのあふれる愛情とリスペクトを込めて

A 「ステージでのファッションも衝撃的だった」というニルヴァーナの一枚。長年愛用している"証し"とも言える、プリントの風合いにも目をとめて B 自身のツアーTも披露してくれた。変わらない音楽へのピュアな情熱を表明している
A 「ステージでのファッションも衝撃的だった」というニルヴァーナの一枚。長年愛用している“証し”とも言える、プリントの風合いにも目をとめて
B 自身のツアーTも披露してくれた。変わらない音楽へのピュアな情熱を表明している

PROFILE
1968年、東京都生まれ。’87年、映画『湘南爆走族』の主人公・江口洋助役でデビュー。その後、人気ドラマや映画に多数出演。映画『コンフィデンスマンJPプリンセス編』、NHK土曜ドラマ「天使にリクエストを」に出演する予定。

 笑顔になれるロックサウンドで、心と体を開放する時間を提案してくれた江口洋介さん。小学生からギターに触れ、ガンズ・アンド・ローゼズやニルヴァーナが音楽シーンに降臨すると、絶大な影響を受けた。スナップでも着ているニルヴァーナを代表するアルバム『ネヴァーマインド』から選んだのは「スメルズ・ライク・ティーン・スピリット」(E)。グランジスタイルで登場したカート・コバーンのギター、ボーカルに痺れたそう。
 80年代後期、彗星のごとく現れたガンズ・アンド・ローゼズも江口さんのプレイリストに欠かせない。
「アクセル・ローズのハイトーンなボーカルとスラッシュがレスポールで奏でるギターが最高にクール。なかでも『スウィート・チャイルド・オブ・マイン』(D)のギターリフは、自分でも弾いているほど。デビュー当時、武道館でライブを見たんですが、一曲終わるたびにステージ上で集まって次の相談をしていて、手作り感満載というか等身大なところがすごくよかった」
 ’96 年にリリースした自身のアルバム『オン・ザ・ロード』から選んだのは、グランジサウンドに着想を得た「サイレンス」(C)。2016年には20年ぶりにライブも開催。
「バンドメンバーに声をかけて、自分でアンプや機材も搬入して……。これこそ自分がやりたかった音楽活動の形だと胸が熱くなりました。ライブTシャツの“FREE WILL”に込めたのは、大好きな音楽をやるならとことん自由にやりたいということ。自由に表現できる場所でありたいというか、純粋に楽しみたい」
 ミュージシャンにとってライブはやはり特別な存在。
「どんな曲もライブで演奏して初めて命を吹き込まれる。その瞬間、会場が一体になる。それこそがロックなんじゃないかな。一方、先日オンラインで仲間と軽くセッションしてみたら楽しくて。今ならではの感覚を通して、音楽のさらなる可能性を発見しました」
 音楽は役者の仕事にもいい影響があるようだ。
「音楽という幅があるからこそ、俳優としてひとつの役に対峙したときに、固定観念にとらわれず、時に役を壊すようなことができるのかもしれない」
 この2カ月は撮影も中止になり自宅待機していたので、今はまったく違う価値観に触れたいという。
「落ち着いたら北欧に旅したい。スカンジナビアのライフスタイルって、シンプルだけどぬくもりがあってとても豊か。彼らから生活のヒントを学びたい」
 仕事が再開したら、今までとは違う気持ちで取り組むだろうと江口さん。
「これを機に新しいことに挑戦しないと意味がない。より真摯に向き合っていかないと。芝居も音楽も、根本は変わらなくて“何を”しているかが大事になってくる。そして今やりたいと思ったことは、しっかりやるべきですね。後回しにしないで!」

C 「SILENCE」 YOSUKE EGUCHI 『ON THE ROAD』収録曲 D 「SWEET CHILD O' MINE」 GUNS N' ROSES 『APPETITE FOR DESTRUCTION』収録曲 E 「SMELLS LIKE TEEN SPIRIT」 NIRVANA 『NEVERMIND』収録曲
C 「SILENCE」 YOSUKE EGUCHI 『ON THE ROAD』収録曲
D 「SWEET CHILD O' MINE」 GUNS N' ROSES 『APPETITE FOR DESTRUCTION』収録曲
E 「SMELLS LIKE TEEN SPIRIT」 NIRVANA 『NEVERMIND』収録曲






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