東京モデル/野外イベントに想いを馳せてZoomフェス

A 「3人ともエイフェックス・ツインが大好き」と琉花さん。気に入った曲は何度もリピートする分、反動でしばらく封印するくらいのめり込んでしまうとか B シャラさんは、お気に入りのマウント・キンビーのTシャツがお似合い。プレイリストに入っている一曲を収録したアルバム『ラブ・ワット・サバイブス』のジャケット写真をプリントしたもの C 親子揃ってレディオヘッドの大ファンで母から譲り受けたTシャツを着た花梨さん。音楽に集中したり、踊っているときは、感情を爆発させながら自分の世界に没頭する
A 「3人ともエイフェックス・ツインが大好き」と琉花さん。気に入った曲は何度もリピートする分、反動でしばらく封印するくらいのめり込んでしまうとか
B シャラさんは、お気に入りのマウント・キンビーのTシャツがお似合い。プレイリストに入っている一曲を収録したアルバム『ラブ・ワット・サバイブス』のジャケット写真をプリントしたもの
C 親子揃ってレディオヘッドの大ファンで母から譲り受けたTシャツを着た花梨さん。音楽に集中したり、踊っているときは、感情を爆発させながら自分の世界に没頭する

PROFILE

Luka
1998年、東京都出身。モデルとして、雑誌や広告で活躍。フォトグラファーでもある父の影響もあり、写真を撮り始める。雑誌やルックブック撮影のほか、ZINE製作や個展など精力的に取り組む。Instagram:@tokyodays_luka

Karin
1997年、東京都出身。雑誌や広告、MVなどを中心にモデルとして活動する。美術を専攻する現役の大学生でもあり、目にしたものや体験したことを、コラージュや絵で表現している。自身の作品はInstagram:@karin_worksで公開中

Sharar Lazima
バングラデシュをルーツに持ち、東京で育つ。国籍や人種の区別にとらわれない存在感で、モデルとして、雑誌や広告、ランウェイなどに登場。最近では、文筆の分野での表現活動にも力を入れている。Instagram:@lalazima_

 モデルを基軸にさまざまな分野で活躍する琉花さん、花梨さん、シャラ・ラジマさん。音楽を通じて仲よくなったという彼女たちが、夜中までZoom会議を繰り広げながら、プレイリストを完成させた。順番にもこだわりぬいたラインナップは、フェスに行く日を心待ちにする3人の気持ち=“声”が合わさったもの。夏の夕暮れに聴きたいリストとともに、架空のフェス気分で世界観に浸ってみて。

音楽によって広がる私の中のクリエイティビティ

 琉花さんのベストソングは、唯一無二の存在感で魅了するFKAツイッグスの「サッド・デイ」(F)。「去年ようやくライブを見ることができたんです。会場はNYのキングスシアターという廃墟になった古い劇場。セットもパフォーマンスも、舞台のようでした」
 花梨さんのイチ押しは、フランスのDJユニット、ポロ&パンの「アクアランド」(E)。「いろんな国のサウンドがミックスされています。普段、コラージュや絵を描いたりしているので、こんな世界観のアート作品を作りたいと思いますね。彼らの音楽を聴いていると、想像力が掻き立てられるし、どんなときでもポジティブになれる」
 友人でもある小袋成彬さんの「ニューキッズ」(D)をセレクトしたのは、シャラ・ラジマさん。「ある日、スタジオに遊びに行ったら、現場のノリで女性ボーカルが欲しいと言われて。突然コーラスとして飛び入り参加させてもらった思い出深い曲です」

自慢のミュージックTシャツで“ライブ体験”をリフレイン

 琉花さんのTシャツはテクノの奇才、エイフェックス・ツイン(A)。プレイリストにもある「ブケファロス・バウンシング・ボール」(3)が入っているアルバム『カム・トゥ・ダディ』には、特別なエピソードがあるそう。
「15歳のときから趣味でフィルム写真を撮りためてきていて。4年前、10代最後の記念に展覧会を開いたんです。会場で流すBGMを探していたとき、自分の中で写真展の内容とアルバムがものすごくマッチしたので一枚を通しで流すことに。ギャラリーのムードをつくってくれた大切なアルバムです」
 母から譲り受けたレディオヘッドのTシャツ(C)を披露した花梨さん。
「母のCDコレクションをずっと聴いているうちに、すっかりロックにハマりました。今聴いても初心に帰って、エモーショナルな気持ちになります」
 高校時代から、ひとりでライブハウスに通っていたシャラさんは、ステージを見て好きになったアーティストのTシャツを着こなした。「マウント・キンビー(B)は、ポスト・ダブステップを刷新したUKデュオです。アルバムジャケットもとてもカッコよくて、興味を引かれました。去年行ったフェスで、この3人でもライブを見られてうれしかった」

希望と可能性に満ちたアフターコロナの世界とは

 多いときは週に3、4本ライブに足を運び、時にテントでギューギューになりながらフェスにも参戦する3人。「やっぱりライブは最高。あの熱気の中で、お酒を飲みながら友達と踊れるのがいい」と口を揃える。音だけでなく、ミュージシャンからのメッセージに励まされることも。日本のロックバンド、踊ってばかりの国の「ワールド・イズ・ユアース」(5)は、言葉のチョイスが好みという花梨さん。「“海の上行く鳥になりたくて 河原で唄ってた 朝と夜を繰り返して ビート刻め 世界は君のモノ”という部分がお気に入り。自分はこのままでいいんだって勇気をもらえたし、幸せは近くにあると気づかされた。私もアート活動を通じて、この感覚をみなさんに届けられたら」
 コロナ後の未来に、確かな希望を見いだしているのはシャラさん。
「タブーが少なくなる気がします。最近も国民の声が届いて法案を可決できなかったりしたけど、臆さずに発信することが重要だと思う。不可能だと思っていたことが可能になったりする。今こそ新しい価値観があるということを文章で伝えていきたい」
 琉花さんは、8月に予定していた写真展が中止になってしまったため、オンライン展覧会の可能性を模索中だ。
「この企画もそうですが、リモートでいろいろできるってわかった。だからこそ、実際に会って話して、同じ時間や体験を共有するありがたさも増しますよね。外出自粛期間を経て、自分がしたいことや、するべきことが明確になりました。とりあえず、毎月ひとつは3人でプレイリストを作りたい!」

D「NEW KIDS」 小袋成彬、KENN IGBI 『PIERCING』収録曲 E「AQUALAND」 POLO & PAN 『CARAVELLE』収録曲 F「SAD DAY」 FKA TWIGS 『MAGDALENE』収録曲
D「NEW KIDS」 小袋成彬、KENN IGBI 『PIERCING』収録曲
E「AQUALAND」 POLO & PAN 『CARAVELLE』収録曲
F「SAD DAY」 FKA TWIGS 『MAGDALENE』収録曲







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