2020.09.20

ヤマシタトモコ/揺蕩う、未来のエレガンス


透明感ある色彩で描いたしなやかな女性像

どんな体型、髪の色、肌の色を持っていたとしても、平等に自由を与えてくれる。まとう人を勇気づけ、凛と前を向く力をくれる服は、存在そのものがエレガント。ヤマシタトモコさんには「フューチャーエレガンス」をテーマに、ステラ マッカートニー、フェンディ、ジバンシィの3ルックを描いてもらった。
「ステラは今回描いたルックに限らずすべて着てみたいです! フェンディはカール・ラガーフェルド亡き後どうなっていくか気になるブランド。今回フィーチャーしたルックはとても楽しい服という印象を抱きました。ジバンシィは池や湖を連想させる服ですね」
自身もモード好きであるヤマシタトモコさんは、今回のテーマから「あるがままで魅力的な人」を想像したという。しなやかで自信に満ちた女性像が、ファッションを愛するすべての人へのエールをおくる。

Profile

ヤマシタトモコ(やました ともこ)

2005年デビュー。BLコミック誌から少女漫画誌まで幅広い媒体で活躍。『FEEL YOUNG』で 連載中の「違国日記」(祥伝社)は、丁寧な人間関係の描写からにじむフェミニズム的なメッセージも話題。『さんかく窓の外側は夜』 (リブレ)が実写映画化。

 

違国日記(祥伝社)
孤児となった女子中学生の姪・朝を引き取った少女小説家の高代槇生(こうだいまきお)。共同生活がスタートするものの、人見知りで大人らしくない槇生は戸惑う。朝は不器用な槇生との暮らしを素直に受け入れていく。
さんかく窓の外側は夜(クロフネコミックス)
不気味なものが見えてしまう書店員、三角。除霊師の冷川とタッグを組み、日常にある怖くて不思議な現象を解決していく。情緒や生活能力に欠けるが敏腕の冷川と、お茶出しや「空気読み」で活躍する三角の凸凹コンビっぷりが見どころ。
ひばりの朝(祥伝社)
14歳の手島日波里は、同世代に比べて肉感的な身体をもつ。男性には性的な目で見られ、女性には悪意を見せられる。彼女を取り巻くさまざまな人が彼女を語るが、ほんとうの姿はどうなのか。モノローグで紡ぐ怪作。

ヤマシタトモコさんが描いたのは...

photography: Jonas Gustavsson(runway)
STELLA McCARTNEY
ロシア生まれのフランス人デザイナーでイラストレーターのエルテから着想を得た秋冬。アーティスティックな文様や地球を感じさせるカラーパレットが彩りを加える。サステイナブルビスコーストップ¥150,000/ステラ マッカートニー カスタマーサービス(ステラ マッカートニー)
photography: Jonas Gustavsson(runway)
FENDI
「ブドワール」(=婦人の私室)をテーマに、官能的なコレクションを披露したフェンディ。キルテッドシルクのオールインワンは、量感たっぷりなトップとフィットするボトムがコントラストを描く。柔らかな色合いの中に女性の多様な側面を表現した。オールインワン¥333,000(予定価格)<10月発売予定>/フェンディ ジャパン(フェンディ)
photography: Jonas Gustavsson(runway)
GIVENCHY
アートシアターのヒロインを彷彿させるコレクション。シアーなボディを抱擁するかのように、フェザーをグラフィカルに配して。まとう人の官能的な魅力を呼び覚ます。フェザードレス¥1,554,000/ジバンシィ表参道店(ジバンシィ)
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