ニット¥530,000・ベルト¥72,000/フェラガモ・ジャパン(サルヴァトーレ フェラガモ) 0120-202-170
サルヴァトーレ・フェラガモの娘、フルヴィアが収集していた植物の画集が着想源。刺しゅうでボタニカル柄をニットにあしらった。筆致はグラフィカルだが、シックなカラーパレットと上質な素材で洗練されたムードに昇華。誰もが目を留めるデザインをまとうことは、自己表現でもあり、コミュニケーションの一助にもなる。
ここ数カ月は新型コロナウイルス感染症に対する行政の対応を含め、理不尽なことや報われないことばかり。気が沈むことがとにかく多かった。個人的なことで言えば、祖父ががんになってしまったことも大きいです。私の実家は北海道なので、この状況では帰省できないし、どちらにしろ面会もできない。もう二度と会えないかもしれないと不安でした。
そんなとき、私のSNSに、キャンパスに通えない大学生やライブができないアーティストなどから、現状に対する不満や悩みなどのリアルな声が届いたんです。それで、先行きが不透明な中、いろんなことをざっくばらんに話せる場所があったら、と思いインスタライブを始めました。政治に詳しい知人の意見を紹介することもあれば、私生活をラフに流すこともあります。ときどき相談のコメントをくれる人もいて「私だったらこうします」など意見を返答したりも。そうやってコミュニケーションしながら強く思ったのは、できるだけ誰もひとりにしたくないということ。可視化されていないだけで、みんなそれぞれ不安を抱えているんですよね。日本は自分のネガティブな感情をSNSに書くことすらご法度のような空気があります。でも疲れたときに疲れたって言わないと、どんどん沈んでいってしまう。自分のプラットフォームでは言いにくいことも、私のような第三者になら吐き出せたりすると思うんです。たとえ直接的な解決にはつながらなくても、ひとりではどうしたらいいかわからない、という人の少しの助けになれたらうれしいですね。
でも全部が暗い話題にならないよう、インスタライブ中は柄物のニットなどを着るようにしています。視線を集める服は、見てくれている人の気持ちも上向きにすると信じているので。それこそ今日の服についてなど、たわいない話を交ぜつつ、誰かの力になっていきたいです。
Risa Nishimura
西村理佐●1992年北海道生まれ。写真家・映像作家。桜美林大学映画専修卒業後、MVや広告ビジュアルの撮影などを中心に活動。ディレクションやプロデュースも手がけ、クリエイティブ全般でジャンルレスに活躍中。
見る人を楽しませる個性派ニット
ユニークなデザインは視線を集め、会話のきっかけに。秋色が魅力の柄ニットをピックアップ。