中古衣料の山から掘り出したアイテムでコーディネート。「とにかく膨大な量の服に圧倒されましたが、キーアイテムや女性像が重ならないよう組みました。コーディネートの大切さを改めて感じたし、大量の古着を見た結果、デザイン性の高い服にはその人の好みが表れ、自分にしか着られない服、と思えて愛が深まる気がします。今後、服の買い方を改めたい」。
2色のキーカラーでブリティッシュトラッド
プルオーバーとプリントシャツのレッド、デニムとタイの落ち着いたネイビー。この2色のカラーコーディネートが絶妙。「トラッドなボーイズスクールテイストを意識しました」と飯島さん。最初に掘り出したトップスがコンパクトだったので、反対にボトムスはメンズサイズのデニムで強弱をつけて。「シャツのダブルカフスの袖が、プルオーバーからのぞく長さで、奇跡的にパーフェクトなレイヤードができました」。
グリーンを基調にした60年代レトロポップ
「『昔あったな、こんなデザイン』と口にしてしまいそうな服を、あえてそのまま昔っぽく着たスタイリング」。肩パッドの入ったビビッドグリーンのジャケットに合わせているのは、同色の小花プリントシャツと、ジオメトリック柄のタックプリーツスカート。タイを締めて、60年代アメリカのレトロポップ感を演出する。「シャツの小花柄の色とタイの色を合わせたのがポイントです」。
タフなデニムアイテムをハイストリートに
「ストリートテイストを小物でハイストリートにブラッシュアップ。ビリー・アイリッシュのイメージです」。ワークウェアとして着られていたであろうタフな迷彩柄デニムジャケットは、大きなシルエットを生かしてスタイリング。ワントーンに強い色のビブスを加えてヌケ感をつくる。「ボトムスのデニムは、たぶん最初はブラックだったのが長くはき続けてグレーに色落ち。本当の意味でのダメージデニムです」。
アンバランスこそカラートーンを合わせる
おじいさんが着ていたようなベージュのリネンジャケットとホットパンツの、アンバランスなコーディネート。「ソリッドなジャケットにカジュアルなアイテムを合わせたくて、相反するものを選びました」。中には柔らかなブラウスを重ねてテクスチャーの意外性をプラス。アンバランスだからこそ、カラートーンを統一させている。「ブラウスのポケットに入っていた共布のスカーフを、ボウタイ風に巻いてアクセントに」。