Kimberly Nguyen サンディエゴ出身。2013年にNYへ渡り、パティ・ウィルソンなど著名スタイリストのもとでアシスタント経験を積む。独立後はモード誌のエディトリアルを中心に手がける。現在はブルックリンで、保護犬のウィノアと友人とルームシェア。
チームワークの中で能力を発揮する
約10年前にNYに越してきたとき、「スタイリストという仕事の存在すら知らなかった」というキンバリー・ニューエンさん。だが、今やインターナショナルのモード誌のエディトリアルや広告の仕事で活躍する売れっ子スタイリストに。彼女にとって、スタイリングは常にコラボレーションだという。
「単にルックを着せるだけがすべてではありません。最高のイメージをつくり出すために、チームの中で自分がどう動くべきかを知ることが大切。撮影前に綿密な計画を立てながらも、現場に入れば素早く柔軟に対応するようにしています」。
NYについては「引っ越し当初は慣れるまで時間がかかったけれど、苦難を乗り越えれば報われる街。すべてにYESと言っていたら体がもたないほど選択肢にあふれている」と語る。もともと空間づくりが好きだったこともあり、コロナ禍をきっかけにインテリアにも創造力を発揮。
「昨年始めた陶芸に夢中。ゴールは部屋にあるものをすべて自分の作品に替えられるくらいマスターすること。まだ見せられる段階じゃないんですけどね(笑)」
ROOM ユニークな個性が光る一点ものを収集
1 「家具や雑貨の9割はヴィンテージ。craigslistも大好きでよくチェックしています」。ミッドセンチュリーのシェルフは、Instagramを介してNYのお店で購入。「これまで購入した中で最も高価であり一番気に入っているアイテム」2 自然光がたっぷり差し込むリビングルーム。スライドしてサイズを調整できるコーヒーテーブルは「Dobbin St. Vintage Co-op」(@dobbinstcoop )より。壁にかけたオレンジのランプは、撮影のプロップを手がけている友人、Bradley Armstrong(@bradleyjarmstrong )のハンドメイド3 「日頃から色使いや構図などインスピレーションを与えてくれるものを集めています。分野やジャンルは気にしません」。グッゲンハイム美術館のコレクションを収録した書籍、さまざまな時代の水彩画集、1世紀以上にわたる料理が記録された本など、色彩を観察できるアートブック。普段はインテリアとして部屋に飾っている
STYLE 小物は黒でまとめつつ、活動的に
4 「トムボーイのスタイルをベースに、クラシックで女性らしいものをミックスするのが好き」。オフの日はヴィンテージのシャツとジーンズでヘルシーに。靴はVagabond5 オフィス兼ベッドルームは、頭の中を整理するためのお気に入りスペース。自宅で作業をするときは、ヴィンテージのジャケットに3.1 Phillip Limのフラットシューズを合わせて、ラフなスタイルにメリハリを。撮影中、片時も離れなかった愛犬のウィノアとは、チャイナタウンでの犬の譲渡会で出会った。「彼女が私を選んだの(笑)」
6 カウボーイブーツ専門店「Country Outfitter」で購入したブーツは、毎週末履いて出かけるほどお気に入り。「現行のカウボーイブーツはソフトで歩きやすいんです」7 ノートパソコンがすっぽり入るプロエンザ スクーラーのバッグ
ADDRESS よいエネルギーが流れるレストラン
8・9 ベトナム人の両親を持つ彼女の定番アドレスは、グリーンポイントにある光と緑あふれるモダンなベトナム料理店「Di An Di」(@diandi.nyc )。「ディナーに行くのがおすすめ。ベトナム風チキンサラダのゴイガー(20・$17)やバンセオはいつもメニューにあるとは限らないから、見かけたら頼んで」。ちなみに、ファッションの新進ブランドに出合えるローワーイーストサイドの「Café Forgot(@cafe_forgot )」も彼女のおすすめ
WORK 若手デザイナーを積極的に起用
10 2021年、世界で最も影響力のある100人を選出した『TIME』誌のカバー。作家であり詩人でもあるキャシー・パク・ホンのスタイリングを手がけた。彼女の著書『Minor Feelings』は、同じアジア系アメリカ人として共感できる一冊。衣装はウクライナのブランドJ’amemme11 2021年秋の中国版『Schön!』創刊号のストーリーでは、NYを拠点にする中国人デザイナー、Terrence Zhouをフィーチャーした。「常にアジア人のインディペンデントブランドをチェックしていて、その中でも今はRobert WunやPerter Doに注目しています」