素材、シルエット、色……、ディテールで装いのアティチュードが変化するのも魅力。3タイプから自分のフィーリングに合う一着を見つけて /シングルブレスト/ JIL SANDER ¥470,800/ジルサンダージャパン(ジル サンダー バイ ルーシー アンド ルーク・メイヤー) ふっくらとした上質なイタリア製ウールが用いられた一着。端正なカッティングは、メンズのテーラリングに由来する。胸下からまっすぐにダーツをあしらうことで、着用したときに立体的な女性らしいシルエットに。左身頃には優美なマクラメレースの刺しゅうが施されている。そこから、インに着たアイテムが透けるデザインで、ハンサムな仕立てながら繊細なフェミニニティが際立つギミックが心憎い。 3.1 PHILLIP LIM ¥125,400/3.1 フィリップ リム ジャパン(3.1 フィリップ リム) ベーシックなシルエットでいてモダンな表情。ブランドのアイコニックなデザインでもある、大きめのピークドラペルが、コンテンポラリーな印象を盛り上げる役割を担っている。ウールとリサイクルポリエステルを半々にミックスした軽い素材使いながら、ハリ感がありリュクスな佇まいを実現。フロントのデザインは、ミニマルに削ぎ落としボタンはひとつに。シーズンを越えて愛用しやすい、落ち着いたブラウンカラーも魅力的だ。 AMI PARIS ¥122,100(予定価格)/AMI Paris Japan(AMI PARIS) ノッチドラペルのテーラードは、クラシカルな印象だが、身幅に余裕をもたせることで、モダンなシルエットに刷新している。冬場にショートコート感覚でも着られるように、ヴァージンウール100%にこだわった。シーズンを越えて、さまざまにレイヤードして羽織れるように、ウエストシェイプのカーブはゆるやかなラインに仕上げている点も見逃せない。ホーンボタンにはブランド名の「ami」の文字も刻まれ、ディテールにも隠れたこだわりが。 THE ROW ¥399,300/ザ・ロウ・ジャパン(ザ・ロウ) ブランドが得意とするジャケットの中でもベーシックなテーラード型は一生愛せる名品。カーディガンのように肩の力を抜いて羽織れるように、オーバーサイズのサイジングに。妥協のない一枚仕立ての生地は、ミディアムウェイトのウールモヘアツイル。その素材だからこそ実現できる、独特のハリ感と光沢が、エレガントさの秘密だ。ラペルは小さめに作られ、前身頃の胸から腰にかけてダーツが入っており、ボックスシルエットでも女性らしく着ることができる。 /ノーカラー/ UNITED ARROWS ¥35,200/ユナイテッドアローズ 六本木ヒルズ店(ユナイテッドアローズ) 首の高い位置から始まるすっきりとしたVラインが、エレガントでストイックな印象も併せ持つ。ほどよく地厚で立体感がある淡いグレーの生地は、縦と横で異色の糸を使用し、奥行きのあるシャンブレーのように見える変形綾組織によるもの。全体的にややコンパクトな仕立てになっており、着用時のなだらかなウエストのカーブが美しい。ブラウスやハイゲージニットとの相性もよく、ビジネスシーンだけでなく、カジュアルにもデュアルに着られる。 GABRIELA COLL GARMENTS ¥104,500/スーパー エー マーケット 青山(ガブリエラ コール ガーメンツ) ポケットもなく、究極にミニマルな仕立て。もともとレザーやロロ・ピアーナのウールでも展開されていた、ブランドを象徴する人気のノーカラージャケットを。スーパー エー マーケットが、素材を変えて別注オーダー。ビスコースとシルク混紡のベルベットの柔らかい素材使いで、カーディガンのような表情も。ショルダーには薄くパッドが入っており、大げさなシルエットにならず、着用したときのラインを美しくキープできる。 JOURNAL STANDARD L'ESSAGE ¥39,600/ジャーナル スタンダード レサージュ 銀座店(ジャーナル スタンダード レサージュ) 上品なネイビーをまとったピンストライプの一着は、Iラインで端正なシルエットを保ちながら、ウエスト部分はかすかにカーブさせて女性らしいフォルムに。とことんミニマルにするために、ポケットのフラップを取り払い、ボタンはひとつに。位置は低めにすることで、フロントを開けて着たときも優美なシルエットが保てるように計算されている。ゆとりのある袖つけも特徴で、着用時もストレスフリーな仕上がりだ。 ANN DEMEULEMEESTER ¥403,700/コロネット(アン ドゥムルメステール) エレガンスや心地よさといった、ブランドの本質に立ち返った2022-’23年秋冬。ノーカラーのジャケットは、ミニマルなデザインを追求しながら、ジャストサイズの肩、ストイックな印象を漂わせる高い位置での前身頃の重なり、ヒップが隠れるロング丈といったディテールにこだわりが光る。内側には、左右の身頃を留める、斜めに配された細いストラップが。ボタンをはずしてラフに着るときも、シャープなシルエットを保つことが可能に。細かいギミックがきいている。 /ダブルブレスト/ Loro Piana ¥565,400/ロロ・ピアーナ ジャパン(ロロ・ピアーナ) ヘリンボーン柄でリュクスな光沢を放ち、まるでシルクのような柔らかさは、カシミヤとベビースリーアルパカを組み合わせた上質な素材だからこそ。オーバーサイズの仕立てで、心地よく包み込まれるような抜群の着心地に。肩と袖のライニングは、メンズのテーラードで使用されるクラシックなストライプ柄のシルクを配した。襟にはサルトリアルのステッチを使用し、襟裏はメルトン生地を。メンズのテーラリングのテクニックがそこかしこに落とし込まれている。 KANAKO SAKAI ¥99,000/KANAKO SAKAI ボックスシルエットを採用し、全体的にメンズのテーラードジャケットのような雰囲気。袖口を本切羽にしつつ、ボタンをあえてつけないことで袖をまくってカジュアルにも着られるようにしている点がウィメンズならではの設計だ。桐生で織られたジャカード素材の生地には、アーティスト兼イラストレーターとして活躍するユリカ・シロヤマが、特別に作成したアートワーク"TEI"の絵柄が落とし込まれている。クラフツマンシップを日常で身にまとう高揚感のある一着。 LEMAIRE ¥143,000/スクワット/ルメール(ルメール) ユニセックスな提案をするブランドならではの哲学が息づく。なだらかなラインがやさしい印象のショールカラーに、低めのボタン位置とポケットがやわらかな雰囲気を醸し出す。その一方で、ボックスシルエットのためマニッシュなデザインに。内ポケットはふたつ用意した総裏仕立て。南米産の「象牙ヤシの実」を加工して作ったボタンを使用している。フェミニニティとマスキュリニティが共存し、パートナーとシェアしたくなるエフォートレスな一着だ。 POSTELEGANT ¥136,400/エスケーパーズオンライン(ポステレガント) 縦糸にウール、横糸に和紙由来の糸を使用。ドライなタッチのツイル素材はオリジナルだ。糸染めでそれぞれの繊維を彩っているため、ネイビーの色みに奥行きがあるディテールも愛おしい。ゆったりとした身頃や袖のバランス、長めの着丈で寒い季節にショートコートのように着ることも想定して仕立て上げた。肩パッドは入れず、芯も極力少なくし、オリジナルファブリックだからこそ追求できる素材の持つしなやかさとハリを存分に生かした。