自然、グルメ、そしてアート。 ロット県で、中世の街巡り

8月も中盤。ヴァカンス第二弾はマーク・ジェイコブズのバックパックを背負って、フランス南西部のミディ=ピレネー地方にあるロット県へ!

パリから5時間以上ものドライブでやっと着いたのが、山腹にある小さな街、モンヴァロン(Montavalent)。友人とレンタルした家にチェックインした後はすぐ近くのレストラン、ル・ヴィラージュ(Le Virage)へ。バジリコがたっぷり入ったガスパッチョと、ロット名物のロカマドゥール(山羊のチーズ)、近所のワイン名産地カオール(Cahors)の超熟タイプの赤ワインで、初ディナーです。レストランのテラスからは山々が見渡せて、バカンス気分はクレッシェンド!ちなみにこの街ではパリのアート書店Ofrの主催でモンヴァロン・アート・フェスティバル が開催中。友人のSusanne JunkerID Identityという写真のシリーズを展示していました。

この一帯の持ち味は、ドルドーニュ渓谷とロット川を中心とした、美しい自然。高原に樫の木が生い茂っていると思えば、とうもろこし畑、ひまわり畑が広がり、高台に上ると石灰岩の崖……。ちょっとドライブしただけで次々と景色が変わります。山が多く、至るところに洞窟も見られます。そういえば、先史時代の壁画で有名なラスコー洞窟もこの近くでした。また、11世紀に発展した中世の街が点在していて、見所もたくさん。かつてはリムーザンからサンジャック・ドゥ・コンポステルにむかう巡礼街道の一部だったから、小さいながら美しい教会も無数にあるそうです。現地の友人からそんな話を聞きつけ、私たちは家でのんびり&近所の川で水浴び、の合間に街巡りに出かけました。

まずは、ロットきってのマルシェを目指し、“7つの塔の街”と呼ばれる街マルテル(Martel)で、買い出しを。

次はコロンバージュと呼ばれる木の骨組みの家が建ち並ぶ街、サン・セレ(Saint Céré)へ。知り合いのアートコレクターの案内で、開催中の現代アート・フェスティバルをたずねました。なかでもよかったのは、Laura Bonnefousというフォトグラファーが撮った、楽器の写真の一連です。

そしてロットのハイライト、ユネスコ世界遺産のロカマドゥールへ。遠くから見ると石灰の岸壁と一体化した城塞の上方に力強いサン・ソヴール教会がそびえたち、なんとも幻想的。ちょうどアソンプション(聖母被昇天祭)の前日だったので、“巡礼者の門”をくぐってシテに入ると、かの黒い聖母マリア像をかつぎだしての行列を見ることができました。

ほかにたずねたのは “フランスで最も美しい村”というオフィシャル称号を誇るルーブルサック(Loubressac) 、カレナック(Carennac)、そしてオートワール(Autoire)。こうして1週間はあっという間に経ってしまいました。さようなら、ロット、また来ます!

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ファッション・ジャーナリスト 乗松美奈子

パリ在住。ファッション業界における幅広い人脈を生かしたインタビューやライフスタイルルポなどに定評が。私服スタイルも人気。
https://www.instagram.com/minakoparis/

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