ジャックムスのビデオ「マルセイユ・ジュテーム」をいち早く公開!

昨今の若手デザイナー・ブームの筆頭に立つジャックムスの、サイモン・ポート・ジャックムス(Simon Porte Jacquemus)。彼は、著名な闘牛士だった叔父の影響で、小さな頃からモード、特にプロヴァンスにゆかりのあるクリスチャン・ラクロワのクリエイションに憧れていたそうです。独学で服を作りだした彼は、数年前に他界した母の旧姓ジャックムスの名前で、19歳の若さで自身のブランドをスタートしました。そしてコムデギャルソンのショップスタッフとしても働きながら、パリでコレクションを発表するように。彼のクリエイションは誇張されたボリュームや幾何学的なフォルム、遊びのあるルックを特徴とし、ナイーブ、シュールレアリスティック、詩的、と評されています。2015春夏は“マルセイユのパラソル”、'17年春夏はプロヴァンス特有の“サントン人形”、'17-18年秋冬は“プロヴァンスでジタンと恋に落ちたパリジェンヌ”、とプロヴァンス地方にちなんだコレクションをコンテンポラリーに仕上げてきました。

そんなシモンが、彼の出身地に程近いマルセイユ市で繰り広げられる一連のプロジェクト「マルセイユ・ジュテーム」(MARSEILLE JE T’AIME)の詳細を、3/29に発表しました。地元の若手クリエイターを支援する団体La Maison Méditerranéenne des Métiers de la Mode (通称MMMM)主催のフェスティバル「Open My Med」より、今年の特別ゲストに迎えられての企画です。核となる二つの展覧会「『メゾン』と『アーカイブズ』」そして「イマージュ」はそれぞれマルセイユ現代美術館(通称MAC)とヨーロッパ・地中海文明博物館(通称MuCEM)で、5月半ばから。この機に本MARSEILLE JE T’AIMEも刊行されます。

 また、プロジェクトの幕開けとして、ビデオが発表されました。カメラが捉えたのはまず、マルセイユの近く、カランク国立公園の山と海。’50年代名画のテーマ曲風の音楽の背後に聞こえるのは、蝉の鳴き声。カメラがゆっくりと、丘の頂きに見えるカラフルでグラフィックな“何か”にクローズアップすると、色とりどりの服を着て、バッグや靴、花を手に持った数人のモデルが積み重なっています。モデルは、地元のダンスカンパニー所属のダンサーたちで、彼女たちが着ているのはシモンの過去の作品からの抜粋。つまり、これは彼いわく「アーカイブズのパッチワークによるスカルプチャー」。映像は、一人のダンサーの髪が大きく風にたなびいたところで、おしまい。まるでテクニカラーの映画のイントロみたいな1分間この画像を、日本ではいちばん最初にミナコラムの読者に公開しましょう。このリンクをクリックしてください。エンジョイ!

ファッション・ジャーナリスト 乗松美奈子プロフィール画像
ファッション・ジャーナリスト 乗松美奈子

パリ在住。ファッション業界における幅広い人脈を生かしたインタビューやライフスタイルルポなどに定評が。私服スタイルも人気。
https://www.instagram.com/minakoparis/

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