LVMHプライズ発表! 受賞者は、Marine SerreとKozaburo

LVMHグループが主催、賞金と指導援助で若手デザイナーをサポートするLVMHプライズは、今年4回目を迎えました。デルフィーヌ・アルノーが率いる審査員は、グループの各デザイナーたち。そして今回の授賞式のゲストはなんと、リアーナです!

特別賞に輝いたのは、コーザブロー(Kozaburo)。東京出身、NY在住32歳の赤坂公三郎氏が手がける、メンズウエアのブランドです。彼はロンドンのセントラル・セント・マーチンズを卒業後NYに移り、トム・ブラウンの下で経験を積んだ後に、今度はパーソンズでファッションの勉強を続けました。今年1月に、はじめてのソロのプレゼンテーションを発表したばかりです。その独特のスタイルは、’90年代のストリートファッションや音楽シーンからのインスピレーションを、完璧なテーラリングと凝った手仕事で仕上げたもの。LVMHプライズの審査にのぞんだコレクションでは、ヴィンテージのデニムを短冊状に細かく刻んで織ったと言うアーティザナルなフレアジーンズが、特に象徴的でした。

そしてグランプリは、ミナコラム5月4日投稿のフェスティバル・ディエール速報でもご紹介した、マリーン・セール(Marine Serre)に。ベルギー系のフランス人である彼女は、ブリュッセルのラ・カンブル卒業の25歳。アレクサンダー・マックイーンやラフ・シモンズ期のディオールを経て、現在は自身のブランドと並行してバレンシアガのデザインチームにも所属しています。スポーツウエアと19世紀中東のコスチュームという対極的な要素を一つにした未来的な作品の一連では、成熟したビジョンによるコレクションの構成力が認められました。ラジカル・コール・フォー・ラブ(Radical Call for Love)と名付けられツーウェイで着られる服も多数あるこのコレクションは、秋から銀座店も含めドーバー・ストリート・マーケット(Dover Street Market)の各店舗に入荷する予定です。

この2名以外の他6人のファイナリストはアトライン(Atlein)のアントナン・トロン(Antonin Tron)、アンブッシュ(Ambush )でプレタポルテも始めたユーン(Yoon)、セシリー・バーンセン(Cecile Bahnsen)のセシリー・ロステド・バーンセン(Cecilie Rosted Bahnsen)、ジャンコイ(Jahnkoy)のマリア・カザコヴァ(Maria Kazakova)、カール・ラガーフェルド一押し、ナビル・ナヤル(Nabil Nayal)のナビル・エル・ナヤル(Nabil El-Nayal)、そしてお馴染みのモリー・ゴダード(Molly Goddard)。彼らは惜しくも賞を逃したものの、この機に国際的な注目を集めました。

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ファッション・ジャーナリスト 乗松美奈子

パリ在住。ファッション業界における幅広い人脈を生かしたインタビューやライフスタイルルポなどに定評が。私服スタイルも人気。
https://www.instagram.com/minakoparis/

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