いかつくてレトロ。そしてオルタナティブな街、モスクワ

10月27日公開の記事でお届けしたメルセデスベンツ・ファッションウイーク・ロシア(MBFWRussia)の合間に、街を散策してきました!

ロシアン・ファッションの今を感じるのに外せないのが、カフェも併設3フロアに渡るコンセプトストアKM20。いわばドーバーストリート・マーケットのロシア版で、地元のヒップスターたちが集まります。ゴーシャ・ラブチンスキーのコーナーも、ここならでは。ゴーシャと言えば、7月末にオープンしたばかりのショップ、オクトーバー(Oktyabr)も要チェック。地元のスケーターが集まる地区にあるこのコンセプトストアには、世界各地のスケーター・ウエアをセレクトしているとか。

カルチャーでは、なんと言ってもガラージュ現代アート美術館(Garage Museum of Contemporary Art)。ロンドンでポップ誌の編集長を務めていたダーシャ・ズゴヴァが、ロシアきっての資産家とともに設立したアートセンターです。3年前にゴーキー公園内に移転オープンした新しいガレージは、プラダ財団でも知られるレム・コールハースによる設計ですが、10年前にスタートした当時のロケーションは、元バスの車庫。1920〜1930年代にかけて活躍したロシア構成主義を代表する建築家、コンスタンチン・メーリニコフ(Constantin Melnikov)の代表的な建築作品というチョイスが話題になりました。

また別の形で旧ソビエトの名残りを今に残すのが煉瓦造りの建物、レッド・オクトーバー。市の中心部に位置する観光名所、救世主ハリストス大聖堂のテラスからモスクワ川の中州を眺めた時に気になっていた所です。モスクワっ子にきいたところ、ここは元チョコレート製造所で、今ではトレンディなバー、レストラン、ギャラリー、そしてファッション・ブランドのアトリエなどが集まっているとか。ちょっとイーストロンドンを思わせる、ユース・カルチャーの震源地です。

さて、観光スポットから今時のショップまでを歩き回った後は、フレッシュ・スパ(Fresh Spa by Natura Siberica)で癒しタイム。ユーカリが香る伝統的な木造りのサウナもいいですが、お勧めはロシア産のベリー類をその場で調合したマスクやスクラブを使ったフェイシャル。個室では、施術の前に樽のような一人用のスチームバスでリラックス。ここで十分リセットしたら、翌日さらなるモスクワ歩きへ!

text: Minako Norimatsu

ファッション・ジャーナリスト 乗松美奈子プロフィール画像
ファッション・ジャーナリスト 乗松美奈子

パリ在住。ファッション業界における幅広い人脈を生かしたインタビューやライフスタイルルポなどに定評が。私服スタイルも人気。
https://www.instagram.com/minakoparis/

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