最新映画「犬ケ島」が好評のウェス・アンダーソンは、やっぱり犬好き? 右:ブロンズまたはシルバーの小像。左:16世紀のイタリア絵画。Spitzmaus Mummy in a coffin and other Treasures展はウイーン美術史美術館にて、〜4/28。photo: Minako Norimatsu
「棺桶に入ったトガリネズミのミイラとその他の宝物」展、ウイーン世界民族博物館所蔵作品からのチョイス。右:北米エスキモーの人形と雪靴。左:紀元前エジプトの鷹の木像と、メキシコの猫の形の湯たんぽ。photo: Minako Norimatsu
生前は浮かばれなかった画家、ニコ・ピロスマニの展覧会はアルベルティーナ美術館にて、〜1/27。写真は「白の雌ブタと子ブタたち」。Albertina Museum Albertinaplatz 1 https://www.albertina.at/en/
雪化粧をしたベルヴェデーレ宮の庭園。ここの上宮には「接吻」をはじめとするクリムト名作が、下宮にはエゴン・シーレのコレクションがある。Belvedere Museum , Prinz Eugen-Straße 27 https://www.belvedere.at/en photo: Minako Norimatsu
ウイーン分離派のグスタフ・クリムト作品でも私が好きなのは、あまりに有名な油彩画より、むしろこの壁画「ベートーヴェン・フリーズ」( 1902)。セセッションにて。Friedrichstraße 12 https://www.secession.at/en/ photo: Minako Norimatsu
街角で見るウイーン建築。右:現在は銀行として使われているLooshausは モダニズム幕開けの1910年頃、アドルフ・ルースによる建築。Herrengasse 2 左:アールヌーヴォーのモザイクが美しい、「白いエンジェル」薬局。Bognergasse 9 photo: Minako Norimatsu
1880年の創立当時は芸術家や文人を集めたカフェ、シュぺルル(Café Sperl)。キーラ・ナイトレイ主演映画「危険なメソッド」(2011)のロケ地としても有名。写真のパティスリーはウイーン名物アップル・シュトゥルーデル。Gumpendorfer Str. 11 http://www.cafesperl.at/en_home.html photo: Minako Norimatsu
ウイーン名所の一つは、ラングドシャ(猫の舌の形のチョコレートやクッキー)で有名なパティスリー&サロンドテ、デーメル 。皇女シシィはここのスミレの花の砂糖漬けが好物だったとか。Kohlmarkt 14 https://www.demel.com/en/ photo: Minako Norimatsu
老舗、ブラックキャメル(Zum Schwarzen Kameel)。予約なしで寄れるバーではカラフルなサンドイッチを。レストランでは地元名物ウインナー・シュニッツェル(仔牛のカツレツ)がオススメ。Bognergasse 5 https://www.kameel.at/en/ photo: Minako Norimatsu
ヴェスティビュル(Vestibül)は、ネオバロック様式のブルグ劇場内、元々は皇族だけが馬車を乗り入れることができたホールにあるガストロノミック・レストラン、Universitaetsring 2 https://www.vestibuel.at/vestibuel.php?lang=en photo: Minako Norimatsu
昔ながらの佇まい、アルトマン&キューネのクリスマス・ディスプレイ。パッケージデザインは、ヨーゼフ・ホフマンが率いた「ウイーン工房」のアーティストによる。Am Graben 30 http://www.altmann-kuehne.at/11-1-History.html photo: Minako Norimatsu
ヨーゼフ・ホフマンを語るのに欠かせないのが、王室御用達の磁器メーカー、アウガルテン(Augarten)のために彼がデザインした“メロン”コレクション。Spiegelgasse 3
https://www.augarten.com/en/ photo: Minako Norimatsu
ドロテウム(Dorotheum)は300年以上の歴史を誇るオークションハウス。写真は、競り落とさずとも即購入できるものが並ぶショップ。カール・アウべークのテーブルウエアも。 Dorotheergasse 17 https://www.dorotheum.com/en.html photo: Minako Norimatsu
創業当時から同じ住所に位置するアウべーク工房は、発表後50年以上たっt今見ても新鮮な、グッドデザインの宝庫。直線と曲線のバランスが見事な、カール・アウべーク2代目のブロンズ作品の数々。 photo: Minako Norimatsu
アーカイブズより、カール・アウべーク2代目の写真。彼は画家として20世紀初頭のバウハウスに学び、ウイーンに戻って父のブロンズ工房を継ぎ、プロダクト・デザイナーに。 photo: Minako Norimatsu
アウべーク工房の棚の一角。いずれの作品もコロンとした形が絶妙なバランス感で、オーストリア・モダニズムの洗練を語っている。 photo: Minako Norimatsu
最新映画「犬ケ島」が好評のウェス・アンダーソンは、やっぱり犬好き? 右:ブロンズまたはシルバーの小像。左:16世紀のイタリア絵画。Spitzmaus Mummy in a coffin and other Treasures展はウイーン美術史美術館にて、〜4/28。photo: Minako Norimatsu
「棺桶に入ったトガリネズミのミイラとその他の宝物」展、ウイーン世界民族博物館所蔵作品からのチョイス。右:北米エスキモーの人形と雪靴。左:紀元前エジプトの鷹の木像と、メキシコの猫の形の湯たんぽ。photo: Minako Norimatsu
生前は浮かばれなかった画家、ニコ・ピロスマニの展覧会はアルベルティーナ美術館にて、〜1/27。写真は「白の雌ブタと子ブタたち」。Albertina Museum Albertinaplatz 1 https://www.albertina.at/en/
雪化粧をしたベルヴェデーレ宮の庭園。ここの上宮には「接吻」をはじめとするクリムト名作が、下宮にはエゴン・シーレのコレクションがある。Belvedere Museum , Prinz Eugen-Straße 27 https://www.belvedere.at/en photo: Minako Norimatsu
ウイーン分離派のグスタフ・クリムト作品でも私が好きなのは、あまりに有名な油彩画より、むしろこの壁画「ベートーヴェン・フリーズ」( 1902)。セセッションにて。Friedrichstraße 12 https://www.secession.at/en/ photo: Minako Norimatsu
街角で見るウイーン建築。右:現在は銀行として使われているLooshausは モダニズム幕開けの1910年頃、アドルフ・ルースによる建築。Herrengasse 2 左:アールヌーヴォーのモザイクが美しい、「白いエンジェル」薬局。Bognergasse 9 photo: Minako Norimatsu
1880年の創立当時は芸術家や文人を集めたカフェ、シュぺルル(Café Sperl)。キーラ・ナイトレイ主演映画「危険なメソッド」(2011)のロケ地としても有名。写真のパティスリーはウイーン名物アップル・シュトゥルーデル。Gumpendorfer Str. 11 http://www.cafesperl.at/en_home.html photo: Minako Norimatsu
ウイーン名所の一つは、ラングドシャ(猫の舌の形のチョコレートやクッキー)で有名なパティスリー&サロンドテ、デーメル 。皇女シシィはここのスミレの花の砂糖漬けが好物だったとか。Kohlmarkt 14 https://www.demel.com/en/ photo: Minako Norimatsu
老舗、ブラックキャメル(Zum Schwarzen Kameel)。予約なしで寄れるバーではカラフルなサンドイッチを。レストランでは地元名物ウインナー・シュニッツェル(仔牛のカツレツ)がオススメ。Bognergasse 5 https://www.kameel.at/en/ photo: Minako Norimatsu
ヴェスティビュル(Vestibül)は、ネオバロック様式のブルグ劇場内、元々は皇族だけが馬車を乗り入れることができたホールにあるガストロノミック・レストラン、Universitaetsring 2 https://www.vestibuel.at/vestibuel.php?lang=en photo: Minako Norimatsu
昔ながらの佇まい、アルトマン&キューネのクリスマス・ディスプレイ。パッケージデザインは、ヨーゼフ・ホフマンが率いた「ウイーン工房」のアーティストによる。Am Graben 30 http://www.altmann-kuehne.at/11-1-History.html photo: Minako Norimatsu
ヨーゼフ・ホフマンを語るのに欠かせないのが、王室御用達の磁器メーカー、アウガルテン(Augarten)のために彼がデザインした“メロン”コレクション。Spiegelgasse 3
https://www.augarten.com/en/ photo: Minako Norimatsu
ドロテウム(Dorotheum)は300年以上の歴史を誇るオークションハウス。写真は、競り落とさずとも即購入できるものが並ぶショップ。カール・アウべークのテーブルウエアも。 Dorotheergasse 17 https://www.dorotheum.com/en.html photo: Minako Norimatsu
創業当時から同じ住所に位置するアウべーク工房は、発表後50年以上たっt今見ても新鮮な、グッドデザインの宝庫。直線と曲線のバランスが見事な、カール・アウべーク2代目のブロンズ作品の数々。 photo: Minako Norimatsu
アーカイブズより、カール・アウべーク2代目の写真。彼は画家として20世紀初頭のバウハウスに学び、ウイーンに戻って父のブロンズ工房を継ぎ、プロダクト・デザイナーに。 photo: Minako Norimatsu
アウべーク工房の棚の一角。いずれの作品もコロンとした形が絶妙なバランス感で、オーストリア・モダニズムの洗練を語っている。 photo: Minako Norimatsu
2018年最後のミナコラムは、雪に覆われたウイーンから。この街に足を延ばしたのは、本誌でも紹介している「棺桶に入ったトガリネズミのミイラとその他の宝物」 がきっかけです。ウェス・アンダーソンをキュレーターに迎えての美術展(詳細はシュプール2月号Finds参照)は、見た目の派手さはありませんが、よく見ると作品の編集やちょっとした演出に、ウイットが。特にウェスらしさが色濃いのは、動物をテーマとしたウインドウでしょう。
動物と言えばこの旅での大発見は、ニコ・ピロスマニ(Niko Pirosmani)展 。ほとんど前知識なく見に行ったのですが、キリンから熊、鹿など動物を描いた油彩画の一連に、感動!フォービズムを思わせる単純かつ正確な輪郭と鮮やかな色彩に加え、強い視線の描き方に惹きつけられました。しかも19世紀末〜20世紀初頭に活動したのこの画家、私の大好きな街トビリシの人だったんです。ちょうど展覧会を見た日の夜はジョージア料理のレストラン、アンサリ(Ansari )を予約していたので、美味しいディナーはまるで、ピロスマニへのオマージュ。 8年前に初めてこの地を訪れた際は、皇族の銀器美術館からクリムトの名画常設展、往年のカフェなど、ハプスブルグ家全盛期からアールヌーヴォーまでのウイーン王道をおさえました。そのうちいくつかはまたリピートしましたが、今回はなぜか動物とナイーブなスタイルに目がいきます。その一つがユニークなチョコレート店、アルトマン&キューネ (Altmann & Kühne)。ウインドウには愛らしいプリントの紙で覆った箪笥や裁縫箱、帽子箱などの形のミニチュアボックスが並び、まるでドールハウス。一つ一つ手作りの小粒チョコレートもほどよい甘さの繊細な味で、“元皇室御用達”のクオリティを誇ります。ところで、それ自体がおもちゃ箱のような小さなこの店は、「ウイーン工房」の中心人物、ヨーゼフ・ホフマンによる内装だとか。
ホフマンに加え、オーストリアのデザイン界におけるもう一人のキー・パーソンは、カール・アウべーク(Carl Auböck )。私はよくミュージアム・ショップで見かける彼の手の形のペーパーウェイトが大好きで、アウべーク工房訪問はこの旅のハイライトでした。19世紀末に1代目が始めたブロンズ工房を継いだのは、その息子。真鍮、木、レザー、籐などを素材としたブックエンド、ペーパーナイフ、ランプ、キャンドルスタンド、ワインオープナーなど「カール・アウべーク」ブランドのアイコニックなデザインのほとんどは、この2代目の作品です。いずれも機能的なプロダクツで、同時に遊びがあり、構築的なオブジェ。そのエスプリとクラフツマンシップは代々受け継がれ、今回私たちを迎えてくれたのは、自身も建築家の4代目カール・アウべーク氏です。私はハート型のペーパーウェイトとエッグスタンドを入手しました。日本からの購入は、工房のサイトを通じてメールにてカタログとプライスリストを取り寄せ オーダーするか、マッチズファッション のウェブサイトで。
ちなみに前述のチョコレートも、e-shopあり。実際に行く機会を待ちつつ、まずは日本にいながらウイーンを楽しんでみては?
Text : Minako Norimatsu