2018.05.31

今いちばん新しくて面白いおしゃれ都市、トビリシってどんな街?

ジョージア・トビリシ紀行、第二弾!5月19日の投稿でご紹介したラウンェイ速報に続き、今回は街の模様をお届けしましょう。

まずは、ヴェラ地区のヘソ、ルームズ・ホテル(Rooms)のはす向かい、オープンキッチンのカフェ&レストラン、ロリータ(Lolita)へ。メニューは地元と各国の料理ですが、ジョージアは野菜が美味しいから、お勧めはベジタリアン・ディッシュ。一日中賑わうロリータには地元のモデルやクリエイティブ関係の常連も多く、人ウォッチングには最適なスポットです。そしてここから数分歩いて、今度はアヌーキ詣でに。最近ではミラノでコレクションを発表し、今トビリシで最も勢いのあるブランド、アヌーキのショップです。デザイナーのアヌーキ・アレシゼ(Anouki Areshidze)は元モデルで、なんと夫は市長。彼女はファッション・アイコンとしても多数のフォロワーを誇ります。ちょっとファニーなトビリシらしさを隠し味に、こなれたデザインのアヌーキで、私はスパンコールものに目移りしてしまいました。

ちなみにトビリシ・モードが気になったら、ルームズの隣、現地デザイナーのコレクションを揃えたコンセプトストア、カオス(Chaos)と、現地発信のe-shopモアイズラブ(More is Love)を要チェック。

トビリシでは、お金をかけずにアイディアで勝負した、オルタナティブな企画を発見するのも楽しみの一つです。複合スペース、ファブリカ(Fabrika)の入り口に出没したのは、見慣れないコンテイナー。面白そう!と一歩入ると、そこはアートギャラリーであるプロジェクト・アートビート(Project Art Beat)の移動スペースでした。展示されていたのはアーティスト、Nanuka Zaalishviliがジョージア国内を巡って撮りためた、ソヴィエト時代のバス停の写真。そっけない建物やキッチュな看板、威圧的な顔の彫像……。独立から30年近くたった今だから、バス停だけでなく街の各所に見られる旧ソ連の名残りには、現地の若い世代も愛着を持っているようです。

一方トビリシ風リュクスの骨頂は、ルームズのアップグレード版としてオープンしたばかりのホテル、スタンバ(Stamba)。リュクスと言ってもインテリアはルームズ同様、古さと新しさが共存したインダストリアル・シック。この建物が1920年代に新聞の印刷所だったことから、ホテル名はジョージア語で“出版社”を意味し、館内の所々には古い印刷機も置かれています。レセプション周りの書棚に並ぶのは、現地の古本やレコード・ジャケットなどなど。一方広々とした客室は、’70s風の革のベッドと大きなバスタブが主役で、この上ない居心地の良さ。ここに泊まったことで、トビリシがますます魅力的に感じました。また来る日まで、さようなら!

text: Minako Norimatsu

ファッション・ジャーナリスト 乗松美奈子プロフィール画像
ファッション・ジャーナリスト 乗松美奈子

パリ在住。ファッション業界における幅広い人脈を生かしたインタビューやライフスタイルルポなどに定評が。私服スタイルも人気。
https://www.instagram.com/minakoparis/

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