モード偏差値が高い人、必見! ファッション、アートが活気付く街、キエフ

ファッションからアートまで、オルタナティブな動きが盛り上がる、キエフ。19年春夏のウクライナ・ファッションウイークは、話題のフォトグラファー、ジュリー・ポリー(Julie Poly)の写真展オープニングと共に幕を開けました。ルポをまるでファッション写真のように撮る彼女は、地元のユース・カルチャーの証言者。だからまずは会場となったターミナル駅構内で宝探しのように彼女の写真を一つずつ見つけて、キエフ・ムードに!

 次はこの街ならではのコンセプトストア、アトリエ1(Atelier 1)へ。つい30年近く前までは旧ソ連の一部だったこの国だけあって、ロケーションはなんと、元バンカー(戦時中に使われた秘密壕)。謎めいた地下のスペースには、コムデギャルソン系の各ブランドに混じってパスカル(Paskal)を始め、地元の若手デザイナーの作品が際立っています。今回ここでプレゼンテーションをしたのが、ヤクシン(Chakshyn)のデュオ。ミニマル&ストリートを持ち味とする彼らは、今回抑えめのトーンで、構築的なラインのコレクションを見せてくれました。

 

もう一軒のコンセプトストアは、アシュトヒック(Asthik)。ロエベやジル・サンダーなどハイエンドなブランドが並ぶ中、やはりここでもチェックしたいのは、ご当地デザイナーです。例えば、昨年冬にパステルカラーのダウンジャケットをヒットさせたイエンキ・イエンキ(Ienki Ienki)。それとは対照的なスタイルでウクライナを象徴するのが、ヴィシヴァンカと呼ばれる刺繍を施したドレスのヴィタキン(Vitakin)。ちなみにファッションウイークではジャルダン・エグゾティック(Jardin Exotique)が、民族衣装の進化形を見せてくれました。

 他にはショーの合間に、9月13日の投稿で紹介したクセニア・シュナイダーと、新しいレストラン、ショー(Sho)でランチをしたり、彼女のお勧めのピンチュク・アートセンター(Pinchuk Art Center)に行ったり。またユネスコの世界遺産にも指定されているペチェールシク大修道院や、街の至る所で厳つい様相を呈する、旧ソ連時代の巨大な建築物も鑑賞し、6日間を満喫。次回はクセニアのチームが作ったキエフ案内のビデオを参考に、もっとコアな場所を訪ねてみる予定です。

text: Minako Norimatsu

 

ファッション・ジャーナリスト 乗松美奈子プロフィール画像
ファッション・ジャーナリスト 乗松美奈子

パリ在住。ファッション業界における幅広い人脈を生かしたインタビューやライフスタイルルポなどに定評が。私服スタイルも人気。
https://www.instagram.com/minakoparis/

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