アレクサンダー・アルチュノフのランウェイより、ロシア構成主義を思わせるグラフィックなモチーフと、微妙な色使いでまとめたルック。
アレクサンダー・アルチュノフのショーは、元ショッピングセンターのGostiny Dvorにて。フィナーレでは、一旦暗くなった後モデルたちがバーの中に集合し、新たなライティングで浮かび上がると言う設定。photo:Minako Norimatsu
ロシアで最も定評があるデザイナー、アレナ・アフマドゥーリナはトレンドをほどよく取り入れ、フェミニンながらインパクトがあるこなれたルックを発表。
アレナ・アフマドゥーリナのフィナーレは、シフォンやチュール、動物モチーフの刺繍でロマンチック&ドラマティックなドレスのオンパレード。photo:Minako Norimatsu
フトゥルム・モスコウより。モスクワ市内にある、イギリスの大学の姉妹校、アート&デザイン英国高等学校に在学中のダリア・ルカシュ(Daria Lukash)の作品は、ペレストロイカが着想元。
フトゥルム・モスコウより。右:歴史的コスチュームに傾倒するマリア・イリシナ(Maria Ilyshina)。左:ミニマルで構築的なシルエットを得意とするオトション(Otocyon)は、近年の注目株。
フトゥルム・モスコウより。ウェブアートのクリエイティブ集団、クルゾフ(kruzhok)による初めてのコレクションでは、ポスト・ソビエトのユースカルチャーを凝縮。
デザイン学校に通うリザヴェタ・サムソノヴァ(Lizaveta Samsonova)が昨年立ち上げたノット・トゥデイ(Not Today)は、リサイクル素材によるストリートウエアのブランド。ショーはパフォーマンス形式で。
アートやデザインの分野でも活動するニキタ・カムコフ(Nikita Kalmykov) によるオドー(Odor)は、20世紀初頭のロシアの地方の部屋着を着想源に、ジェンダーレスなメンズ・コレクションを展開。
ファッションウイークのストリート・スナップより。カントリー・タッチをドレスコードにしたおしゃれな4人組。photo: @dmitriy_chumako
Vêtements x DHLカプセルコレクションの導入は、ロシアでは初めてで、百貨店TsUMでの限定発売。Tシャツ、ポロシャツのほか、ソックスやキャップも。photo:Minako Norimatsu
Vetements x DHLカプセルコレクションのフォトブースにて。私も新作のシャツを羽織って、しっかり記念撮影。
アレクサンダー・アルチュノフのランウェイより、ロシア構成主義を思わせるグラフィックなモチーフと、微妙な色使いでまとめたルック。
アレクサンダー・アルチュノフのショーは、元ショッピングセンターのGostiny Dvorにて。フィナーレでは、一旦暗くなった後モデルたちがバーの中に集合し、新たなライティングで浮かび上がると言う設定。photo:Minako Norimatsu
ロシアで最も定評があるデザイナー、アレナ・アフマドゥーリナはトレンドをほどよく取り入れ、フェミニンながらインパクトがあるこなれたルックを発表。
アレナ・アフマドゥーリナのフィナーレは、シフォンやチュール、動物モチーフの刺繍でロマンチック&ドラマティックなドレスのオンパレード。photo:Minako Norimatsu
フトゥルム・モスコウより。モスクワ市内にある、イギリスの大学の姉妹校、アート&デザイン英国高等学校に在学中のダリア・ルカシュ(Daria Lukash)の作品は、ペレストロイカが着想元。
フトゥルム・モスコウより。右:歴史的コスチュームに傾倒するマリア・イリシナ(Maria Ilyshina)。左:ミニマルで構築的なシルエットを得意とするオトション(Otocyon)は、近年の注目株。
フトゥルム・モスコウより。ウェブアートのクリエイティブ集団、クルゾフ(kruzhok)による初めてのコレクションでは、ポスト・ソビエトのユースカルチャーを凝縮。
デザイン学校に通うリザヴェタ・サムソノヴァ(Lizaveta Samsonova)が昨年立ち上げたノット・トゥデイ(Not Today)は、リサイクル素材によるストリートウエアのブランド。ショーはパフォーマンス形式で。
アートやデザインの分野でも活動するニキタ・カムコフ(Nikita Kalmykov) によるオドー(Odor)は、20世紀初頭のロシアの地方の部屋着を着想源に、ジェンダーレスなメンズ・コレクションを展開。
ファッションウイークのストリート・スナップより。カントリー・タッチをドレスコードにしたおしゃれな4人組。photo: @dmitriy_chumako
Vêtements x DHLカプセルコレクションの導入は、ロシアでは初めてで、百貨店TsUMでの限定発売。Tシャツ、ポロシャツのほか、ソックスやキャップも。photo:Minako Norimatsu
Vetements x DHLカプセルコレクションのフォトブースにて。私も新作のシャツを羽織って、しっかり記念撮影。
東欧づいていた今年、締めにはメルセデスベンツ・ファッションウイーク・ロシア(MBFWRussia)を見に、モスクワに行ってきました。これまで行ったトビリシやキエフ同様、モスクワのファッション・システムはちょっと変わっています。プレス陣や関係者を除き、ショーの席は有料なので、会場に集まるのは一般客たち。つまりこの街では、ファッションウイークは市民にとってのちょっとしたお祭り。また合同展示会はほぼ皆無で、ショーの後、ドレス系のブランドは顧客を集めての受注会を、若手のブランドは独自のルートで国外でセールスをするか、オンラインショップを発展させるのだとか。ちょうど、アートの世界でもロシアではアーティストとギャラリーの相互関係が確立されていないという記事を読んだばかりだったので、ソビエト連邦崩壊から30年近くたった今でも、共産社会の影響は大きかった、と納得。
そんなハンディキャップをエネルギーに変えて弾けているのが、ポストソビエト・ユースと言われる若手たちです。MBFWロシアのサポートにより、HSE(イギリスの大学と提携して5年前にモスクワにオープンしたばかりのアート&デザイン英国高等学校)在学生を含む若手たちは、フトゥルム・モスコウ(Futurum Moscow)に結集し、荒削りながらエッジーで実験的なコレクションの数々を披露しました。彼らのスタイルは三者三様ながら、顕著なのはゴーシャ・ラブチンスキーの影響。2008年のデビュー以来、地元のスケーターのルックとロシア構成主義を思わせるグラフィズムとのミックスを、世界的なトレンドに押し上げた彼は、今やロシアのアイコンなのです。
一方メインのキャットウォークでのベストは、アレクサンダー・アルチュノフ(Alexander Arutyunov)。彼はジョージア出身・在住ながら、学生時代をここで過ごした絡みもあり、2011年以来モスクワでショーを発表しています。私も1年半前に、たまたまトビリシで開かれた彼のショーを見て、ちょっと気になっていました。オルタナティブなデザインを洗練されたフェミニンなルックに仕上げたコレクションは、完成度大。もう一人はサンクトペテルブルグの工科アカデミーに在学中の1995年から既にプロデビューしていたベテラン、アレナ・アフマドゥーリナ(Alena Akhmadullina)。ニューヨークでもプレゼンテーションをしていて、国際的にも認知されているデザイナーです。
次回は、ショーの合間に歩いたモスクワの街のハイライトをお届けします。お楽しみに。
Text: Minako Norimatsu